認定支援機関を活用した経営改善支援の考え方|計画策定・金融機関調整・モニタリングを一体で考える

経営改善支援という言葉には、どこか身構えてしまう響きがあるかもしれません。「業績が悪くなってから使う制度」「金融機関にリスケをお願いするときの手続」「専門家費用の補助を受けるための仕組み」。実際、そう受け止められている場面をよく見かけます。

けれども、認定支援機関を活用した経営改善支援の本質は、制度を利用すること自体にあるわけではありません。

自社の収益構造、資金繰り、借入返済、経営課題、そして改善施策を整理し、金融機関や外部の関係者に対して、きちんと説明できる状態をつくる。そこにこそ意味があります。補助金や支援制度は、あくまでそのための手段であって、目的ではないのです。

特に中小・中堅企業では、決算書はあっても月次の数字が出てくるのが遅い、資金繰り表がない、借入金の返済負担を利益計画と結びつけて見ていない、部門別の採算や不採算取引が見えていない、といったことが珍しくありません。この状態のまま金融機関に相談しても、会社の実態や改善の可能性が十分には伝わらないことがあります。

認定支援機関を活用する意味は、経営判断を専門家に丸投げすることではありません。経営者自身が自社の状態を数字と事実で把握し、自分の言葉で金融機関や関係者へ説明できるよう、その前提を整えることにあります。

目次

認定支援機関とは何か

認定支援機関は、正式には「認定経営革新等支援機関」と呼ばれます。

この認定制度は、中小企業を取り巻く経営課題が多様化・複雑化するなかで、専門性の高い支援を行う体制を整えるために設けられました。税務、金融、企業財務に関する専門的な知識や、一定レベル以上の実務経験を持つ個人・法人・中小企業支援機関などを国が認定する仕組みです。

出典:中小企業庁|認定経営革新等支援機関

認定の基準としても、中小企業・小規模事業者の財務内容をはじめとする経営状況を分析し、事業計画の策定支援や実行支援を適切に行えることが重視されています。その観点から、税務・金融・企業財務に関する専門的知識と、一定の実務経験が求められています。

出典:中小企業庁|具体的な認定基準について

認定支援機関には、税理士、公認会計士、中小企業診断士、弁護士、金融機関、商工会議所、商工会など、さまざまな専門家・支援機関が含まれます。ただ、ここで一つ押さえておきたいことがあります。「認定を受けている」ことと、「自社の経営改善に深く関与できる」ことは、必ずしも同じではないのです。

大切なのは、自社が必要としている支援が何なのかを見極めることです。

たとえば、税務申告を中心に相談したいのか。月次決算を整えたいのか。資金繰り表を作りたいのか。金融機関への説明を支援してほしいのか。あるいは、返済条件の見直しを伴う経営改善計画を作りたいのか。求めるものによって、必要となる専門性は変わってきます。

ですから認定支援機関を選ぶときには、制度上の要件を満たしているかどうかだけでなく、財務分析、資金繰り、計画策定、金融機関対応、そしてモニタリングまでを一貫して見られるかどうかを確かめておきたいところです。

認定支援機関を活用する目的は「制度利用」ではない

認定支援機関の活用を考えるとき、最初に整理しておきたいことがあります。

それは、「何のために支援を受けるのか」という目的です。

誤解されやすい目的本来整理すべき目的
補助制度を使いたい経営課題を数字で整理し、改善に使える計画を作る
金融機関に提出する資料が必要金融機関が判断できる事実・数字・改善策を整える
リスケを通したい返済原資、資金繰り、改善可能性を説明できるようにする
専門家に計画書を作ってほしい経営者自身が理解し、実行できる計画にする
形式的にモニタリングを受けたい計画と実績の差異を把握し、次の行動に修正する

経営改善支援で最も避けたいのは、「制度を使うために計画を作る」という順番になってしまうことです。

制度利用が目的になると、計画はどうしても提出用の資料になりがちです。売上や利益は整っているように見えても、資金繰りが伴っていない。改善施策は並んでいても、担当者や期限が曖昧なまま。金融機関には提出したものの、その後の月次管理では使われていない。こうした計画では、残念ながら会社は強くなりません。

認定支援機関を活用する価値は、計画を作ることそのものにとどまりません。計画を実行し、検証し、金融機関や社内に説明し続けられる状態をつくる。そこまで含めてはじめて、活用する意味が生まれます。

中小企業活性化協議会との関係

経営改善支援を考えるうえでは、中小企業活性化協議会の位置づけも理解しておきたいところです。

中小企業活性化協議会は、中小企業の活性化を支援する公的機関として、すべての都道府県に設置されています。金融機関、民間の専門家、各種の支援機関と連携しながら、地域全体での収益力改善・経営改善・事業再生・再チャレンジを後押しする役割を担っています。かつての中小企業再生支援協議会と経営改善支援センターが統合され、収益力改善から再チャレンジまでを幅広く支援する体制となりました。

出典:中小企業庁|中小企業活性化協議会

協議会の支援メニューには、収益力改善支援、早期経営改善計画策定支援、プレ再生支援・再生支援、経営改善計画策定支援、再チャレンジ支援などがあります。

ここで大切になるのは、自社の状態に応じて、どの支援が適しているかを見極めることです。

会社の状態検討しやすい支援の方向性
資金繰りや採算管理を早めに整えたい早期経営改善計画策定支援
金融支援を伴う本格的な経営改善が必要経営改善計画策定支援、いわゆる405事業
収益性はあるが財務上の問題が重いプレ再生支援・再生支援
事業継続が難しく、保証債務や再チャレンジも含めて整理が必要再チャレンジ支援
まだ金融支援までは必要ないが、収益力低下の兆候がある収益力改善支援、早期相談

制度名だけで判断するのは禁物です。資金繰りの深刻度、返済負担、取引している金融機関の数、債務超過の有無、営業キャッシュフロー、改善の余地、事業の継続可能性。こうした実態を見たうえで選んでいく必要があります。

早期経営改善計画策定支援とは

早期経営改善計画策定支援は、資金繰りの管理や自社の経営状況の把握といった、基本的な経営改善に取り組む中小企業者などを対象とした制度です。認定支援機関の支援を受けながら、資金繰り計画、ビジネスモデル俯瞰図、アクションプランなどを含む経営改善計画を策定する際に、費用の一部について支援を受けられます。

出典:中小企業庁|早期経営改善計画策定支援

この制度は、いわゆる「本格的な再生局面」に入る前の段階で使うところに意味があります。

たとえば、こんな段階です。

  • 資金繰りが何となく不安に感じる
  • 金融機関に自社の状況をうまく説明できていない
  • 月次の予実管理ができていない
  • 利益は出ているのに現金が残らない
  • 売上はあるが、どこで利益が出ているのか分からない
  • 借入返済を続けられるか、先の見通しが見えない

こうした時期に、資金繰り、ビジネスモデル、経営課題、アクションプラン、損益計画を一度整理しておくこと。それ自体に大きな意味があります。

早期経営改善計画には、ビジネスモデル俯瞰図、経営課題と解決に向けた基本方針、アクションプラン、損益計画、資金繰表などが含まれます。さらに計画を策定した後には、数値計画と実績の差異やアクションプランの取組状況を確認し、差異があれば対応策を検討して、金融機関などへ報告していく。そうした一連の流れが想定されています。

出典:中小企業庁|早期経営改善計画策定支援

つまり早期経営改善計画は、危機的な状況になってから使う制度というより、「今のうちに数字と資金を整えておく」ための仕組みだと言えます。

経営改善計画策定支援、いわゆる405事業とは

一方の経営改善計画策定支援、いわゆる405事業は、金融支援を伴う本格的な経営改善の取組が必要な中小企業・小規模事業者を対象とする制度です。

認定支援機関が経営改善計画の策定を支援し、金融支援を受けながら資金繰りの安定を図る。それがこの事業の狙いです。通常枠では、デューデリジェンスや計画策定の支援、伴走支援、そして一定の場合における金融機関交渉費用が補助の対象とされています。

出典:中小企業庁|経営改善計画策定支援

405事業を検討する局面では、早期経営改善計画のときよりも、金融機関との関係が一段と重くなります。

たとえば、返済条件の変更、新規融資、借換、既存借入の整理、経営者保証の見直しなど、金融機関の判断を伴う論点が次々と出てくることがあります。

実務のうえでも、早期経営改善計画と405事業とでは、計画の内容、金融支援の有無、提出先、同意確認、モニタリングの考え方が異なります。早期の段階であればメインの金融機関への提出を中心とすることもありますが、金融支援を伴う本格的な計画になると、関係する金融機関への説明や同意形成が重要になってきます。

405事業で肝心なのは、「金融機関にお願いする計画」ではなく、「金融機関が判断できる計画」を作ることです。

  • なぜ資金繰りが悪化したのか
  • どの事業・取引・費用構造に問題があるのか
  • どの改善施策を、いつ、誰が実行するのか
  • 売上、粗利、固定費、営業利益はどう変わっていくのか
  • 返済原資はいつ、いくら生まれるのか
  • 計画が未達となった場合に、どう修正するのか

ここを曖昧にしたまま制度だけを使っても、会社の改善にはつながりません。

2026年時点の制度改定にも注意する

経営改善支援に関わる制度は、随時見直されています。

中小企業庁は、2026年3月26日に、早期経営改善計画策定支援と経営改善計画策定支援について、手引き・FAQ等の改定を公表しました。

たとえば、金融機関が支援する場合の早期経営改善計画策定支援では、2026年5月1日を適用日として、対象先の見直し、民間金融機関が実施する伴走支援の補助対象への追加、補助上限額の引上げ、計画への実態貸借対照表の追加などが示されています。また、経営改善計画策定支援の通常枠についても、同じく2026年5月1日を適用日として、策定する計画への数値基準の導入、対象となる金融支援の見直しなどが示されています。

出典:中小企業庁|早期経営改善計画策定支援(Vアップ事業)及び経営改善計画策定支援(405事業)の手引き・FAQ等を改定等します

ですから制度を利用する際には、過去の情報だけで判断しないことが何より重要です。

補助対象経費、補助上限額、対象となる金融支援、提出書類、伴走支援の取扱い、金融機関が支援する場合の要件。これらは、最新の手引き・マニュアル・FAQで確認しておく必要があります。

なお本記事では、制度の全要件を網羅することは目的としていません。あくまで、経営判断としてどのように認定支援機関を活用すべきかを整理するものです。個別の適用可否や申請手続については、必ず最新の公式資料と個別の事情に基づいてご確認ください。

早期経営改善計画と405事業の使い分け

早期経営改善計画と405事業は、どちらが優れているかという関係ではありません。会社の状態に応じて、使う場面が違うのです。

観点早期経営改善計画策定支援経営改善計画策定支援、405事業
主な目的早期段階で資金繰り・採算管理・経営課題を整理する金融支援を伴う本格的な経営改善計画を策定する
主な対象基本的な経営改善に取り組みたい会社返済条件見直し等を含め、金融支援が必要な会社
計画の中心資金繰り計画、ビジネスモデル俯瞰図、アクションプラン、損益計画DD、財務実態把握、改善施策、計画財務諸表、返済計画、金融機関説明
金融機関との関係早期に計画を提出し、改善に取り組む端緒にする金融機関の同意・調整が重要になる
向いている段階まだ深刻化する前に管理を整えたい段階返済負担や資金繰り悪化が具体化している段階
注意点簡易な計画で終わらせず、月次管理に接続する金融支援ありきではなく、返済原資と改善可能性を示す
制度確認最新の手引き・FAQを確認最新の手引き・FAQ、金融支援の対象を確認

早期経営改善計画は、比較的早い段階で自社の数字を見える化するのに有効です。一方の405事業は、金融機関との返済条件や金融支援まで含めて、本格的に改善計画を作る場面で検討されます。

ただ、どちらの場合にも共通していることがあります。それは、計画を策定した後のモニタリングが重要だという点です。

経営改善計画で整理すべき中身

認定支援機関を活用して経営改善計画を作る場合、ただ将来の売上や利益を並べるだけでは足りません。

計画には、少なくとも次の要素が必要です。

項目整理すべき内容
会社概要事業内容、商流、主要顧客、主要仕入先、組織体制、株主・役員構成
財務実態決算書、月次試算表、実態貸借対照表、借入金、税金・社会保険、資金繰り
ビジネスモデルどこで売上が生まれ、どこで利益が残り、どこで資金が詰まるか
経営課題売上不足、粗利低下、固定費過多、在庫過多、回収遅延、返済負担等
改善施策値上げ、原価改善、固定費見直し、不採算事業整理、回収条件改善等
数値計画売上、粗利、固定費、営業利益、経常利益、キャッシュフロー
資金繰り計画入金予定、支払予定、税金、返済、設備投資、手元資金
返済計画返済原資、返済開始時期、返済額、既存借入との整合性
アクションプラン担当者、期限、効果額、KPI、進捗確認方法
モニタリング月次・四半期での予実確認、金融機関報告、修正方針

405事業の実務では、ビジネスモデル俯瞰図、会社概要表、資金繰り実績表、具体的施策および実施時期、アクションプラン、モニタリング計画、資産保全表、計画財務三表などが論点になります。

ここで大事なのは、資料の量ではありません。

本当に重要なのは、数字と施策がつながっていることです。

たとえば「粗利率を改善する」と書くだけでは足りません。どの商品・取引先・部門の粗利率を、どの施策で、いつから、何ポイント改善するのか。その結果、営業利益と資金繰りにどの程度の影響が出るのか。ここまで落とし込んではじめて、計画は実行に耐えるものになります。

金融支援を受ける場合に整理すべきこと

金融支援を伴う経営改善計画では、金融機関に対して、次の点を説明できる必要があります。

論点説明すべき内容
資金繰り悪化の原因一時的要因か、構造的要因か
返済負担年間返済額、営業キャッシュフローとの比較
既存借入金融機関別残高、返済条件、担保、保証、保証協会の有無
必要な金融支援返済条件変更、新規融資、借換、据置、保証見直し等
返済原資営業利益、減価償却、運転資金改善、資産売却等
改善施策どの施策が利益・資金にどう効くか
実行体制経営者、経理、現場、専門家の役割分担
モニタリング金融機関へ何を、どの頻度で報告するか

金融機関への説明では、ただ「返済が苦しい」と伝えるだけでは足りません。なぜ苦しくなったのか、改善の余地はあるのか、金融支援によってどの時間を確保し、その間にどの改善を実行していくのか。そこまで説明する必要があります。

金融支援は、会社の改善を代行してくれるものではありません。あくまで、改善を実行するための時間と条件を整えるものです。

だからこそ金融機関に対しては、資金繰り表、返済予定、改善施策、予実管理、そして月次報告の体制を示すことが重要になります。

認定支援機関の役割は、計画作成者ではなく、経営改善の伴走者である

認定支援機関を活用するといっても、専門家に計画書の作成を依頼するだけでは不十分です。

認定支援機関に期待したいのは、次のような役割です。

役割内容
現状把握決算書、試算表、資金繰り、借入金、在庫、売掛金等を確認する
課題整理損益、資金、財務、事業、組織の課題を分解する
数値計画利益計画、資金計画、返済計画を整合させる
施策整理改善施策を行動計画に落とし込む
金融機関説明金融機関が判断できる資料と説明の筋道を整える
モニタリング計画と実績の差異を確認し、次の修正につなげる
経営者支援経営者が自分の言葉で説明できるよう論点を整理する

なかでも特に重要なのが、モニタリングです。

早期経営改善計画策定支援においても、計画策定後の伴走支援として、進捗・取組状況の確認、差異がある場合の対応策の検討、そして金融機関などへの報告が想定されています。

出典:中小企業庁|早期経営改善計画策定支援

計画を作った時点では合理的に見えた売上見通しも、実際には遅れることがあります。予定していた固定費の削減が、契約上すぐには実行できないこともあります。売掛金の回収が遅れたり、在庫処分が思うように進まなかったり、原材料価格が上がったり——現実は、計画どおりには動いてくれません。

だからこそ計画は、一度作って終わりではないのです。月次で確認し、差異を把握し、必要に応じて修正していく。その繰り返しが欠かせません。

経営改善支援でよくある失敗

認定支援機関を活用しても、使い方を誤れば成果にはつながりません。

よくある失敗問題点
補助制度を使うこと自体が目的になる計画が実行管理に使われない
売上計画が楽観的すぎる返済原資や資金繰りが過大に見える
資金繰り表が粗い資金不足の時期と金額を見誤る
改善施策が抽象的実行責任者、期限、効果額が不明
金融機関への説明が遅い信頼関係を損ねる可能性がある
モニタリングが形式的計画未達の早期対応ができない
経営者が計画を説明できない実行主体が見えず、外部説明力が弱い
月次決算が整っていない計画と実績を比較できない
税金・社会保険・保証債務を軽視する資金繰りリスクを過小評価する
専門家任せになる経営判断として機能しない

経営改善計画は、金融機関や制度のために作るものではありません。経営者自身が会社の現実を直視し、改善の優先順位を決め、関係者に説明していくための資料です。

相談前に整理しておくべき資料

認定支援機関や中小企業活性化協議会に相談する前に、可能な範囲で次の資料を整理しておくと、初期の相談がぐっと具体的になります。

資料確認目的
直近3期分の決算書・申告書過去の業績・財務体質・税務状況を確認する
直近の月次試算表足元の売上、利益、費用構造を確認する
資金繰り表将来の資金不足時期と金額を把握する
借入金一覧金融機関別残高、返済額、金利、保証、担保を確認する
返済予定表年間返済額と営業キャッシュフローの整合性を見る
売掛金明細回収遅延、滞留債権、与信リスクを確認する
在庫明細滞留在庫、評価損、資金固定化を確認する
主要取引先別売上・粗利収益源と不採算取引を確認する
固定費明細削減余地、契約期間、見直し可能性を確認する
税金・社会保険の納付状況資金繰りリスクを確認する
役員貸付金・役員借入金明細法人と個人の資金関係を整理する
重要契約書継続取引、賃貸借、リース、保証、解約条件を確認する
経営者保証・担保資料金融支援や保証見直しの前提を整理する
現在考えている改善策経営者の仮説を専門家と検証する

資料が完璧にそろっていなくても、相談すること自体は可能です。ただし、資料が少ないほど、現状把握には時間がかかります。

特に資金繰りが厳しい局面では、資料の整備を後回しにすると、金融機関への説明もそのぶん遅れてしまいます。早めに数字を集めること——それ自体が、経営改善の第一歩になります。

認定支援機関を選ぶときの判断軸

認定支援機関を選ぶ際には、「制度に詳しいか」だけでは足りません。

次のような観点で確認しておくことをおすすめします。

判断軸確認すべきこと
月次決算への関与毎月の数字を経営判断に使える状態へ整えられるか
資金繰り支援資金繰り表を作り、更新し、説明できるか
財務分析損益だけでなく、B/S、借入、運転資金、返済負担を見られるか
計画策定売上・利益・資金・返済・施策を一体で整理できるか
金融機関対応金融機関が見る論点を踏まえて説明資料を整えられるか
モニタリング計画策定後も予実差異、資金繰り、施策進捗を確認できるか
税務・会計対応税務申告、会計処理、資料整備と計画管理を接続できるか
率直な指摘経営者にとって耳の痛い課題も整理して伝えられるか
実務負荷への配慮中小・中堅企業で続けられる運用に落とし込めるか
相談姿勢経営判断を代行せず、経営者が判断できるよう支援するか

制度に詳しいだけの専門家では、計画はどうしても形式的になりがちです。逆に、数字は読めても金融機関への説明や制度実務に弱ければ、支援制度をうまく活用できないこともあります。

認定支援機関を活用するのであれば、制度、財務、資金繰り、金融機関対応、月次モニタリングを一体で見られるかどうか。ここを確かめておきたいところです。

早めに相談すべき局面

経営改善支援は、資金が尽きる直前に始めるものではありません。

むしろ、早く始めるほど選択肢が増えていきます。

相談すべき兆候背景にあるリスク
月次で利益が出ているか分からない収益力の低下に気づくのが遅れる
資金繰り表を作っていない資金不足の時期を予測できない
借入返済が重く感じる営業キャッシュフローと返済額が合っていない可能性
税金や社会保険の支払いが重い利益計画と納税資金が接続していない
売上はあるのに現金が残らない売掛金、在庫、支払条件に問題がある可能性
金融機関への説明に不安がある資料・計画・実績報告の体制が弱い
固定費をどこまで見直すべきか分からない収益構造の再設計が必要な可能性
不採算部門や不採算取引が見えていない改善施策の優先順位を誤る可能性
経営者保証や担保の見直しを考えている財務体質、法人個人分離、情報開示が問われる
後継者や外部関係者に説明できる会社にしたい管理体制と外部説明力の整備が必要

経営改善支援は、会社が悪くなってからの後始末ではありません。会社を守り、将来の選択肢を広げるための、管理体制づくりでもあるのです。

制度活用と経営判断を切り離さない

認定支援機関を活用した経営改善支援では、制度の要件を満たすことも、もちろん大切です。

ただ、制度要件だけを追いかけてしまうと、経営判断としての意味が薄れてしまいます。

たとえば、補助対象経費の範囲や上限額は重要な情報です。早期経営改善計画策定支援については、計画策定支援費用や伴走支援費用の一部を中小企業活性化協議会が支援すること、そして405事業については、金融支援を伴う本格的な経営改善の取組を対象に、計画策定支援費用や伴走支援費用の一部を支援することが案内されています。

出典:中小機構|経営改善計画策定支援事業

とはいえ、「補助を受けられるから計画を作る」という発想では不十分です。

制度を利用するかどうかにかかわらず、自社には次の問いが必要になります。

  • このままの事業構造で、返済を続けられるのか
  • 売上計画は、保守的に見ても実現可能なのか
  • 粗利率の低下や固定費の増加を、どう止めるのか
  • 在庫、売掛金、支払条件は、資金繰りを圧迫していないか
  • 金融機関に対して、何をどの順番で説明すべきか
  • 計画が未達のとき、どの指標を見て修正するのか
  • 経営者自身が、自社の改善方針を説明できるのか

制度は、こうした問いに向き合うための支援策にすぎません。制度そのものが、会社を改善してくれるわけではないのです。

犬飼公認会計士・税理士事務所へのご相談について

認定支援機関を活用した経営改善支援は、単なる申請手続ではありません。

現状分析、資金繰り、利益計画、返済計画、改善施策、金融機関説明、そしてモニタリング。これらを一体で整えていく取組です。

  • 月次の数字が見えていない
  • 資金繰り表を作れていない
  • 金融機関に何を説明すればよいか分からない
  • 早期経営改善計画と405事業のどちらを検討すべきか判断できない
  • 計画を作っても実行管理に使えるか不安がある
  • 返済負担、資金繰り、収益改善を数字で整理したい

このような段階では、早めに論点を整理しておくことが大切です。

犬飼公認会計士・税理士事務所では、月次決算、資金繰り、利益計画、経営改善計画、金融機関説明、モニタリングを、経営判断に使える形へ整理することを大切にしています。制度ありきではなく、会社の実態、資金余力、改善可能性、外部説明の必要性を踏まえながら、現実的に続けられる管理体制を一緒に整えていきます。

認定支援機関の活用、経営改善計画、金融機関対応、資金繰り管理について整理したい方は、犬飼公認会計士・税理士事務所HPのお問い合わせページからご相談ください。

この記事の振り返り

論点重要なポイント
認定支援機関とは税務、金融、企業財務等の専門知識・実務経験を前提に国が認定する支援機関
活用目的制度利用ではなく、経営課題・資金繰り・改善施策を説明できる状態にすること
中小企業活性化協議会すべての都道府県に設置され、収益力改善、経営改善、再生、再チャレンジを支援する公的機関
早期経営改善計画資金繰り管理や経営状況把握など、早期段階の基本的な経営改善に向く
405事業金融支援を伴う本格的な経営改善計画を策定する場面で検討する
制度改定2026年5月1日適用の改定などがあり、最新の手引き・FAQ確認が必要
計画内容ビジネスモデル、経営課題、アクションプラン、損益計画、資金繰り表を整える
金融支援返済条件、新規融資、借換等を検討する場合は、返済原資と改善可能性の説明が重要
モニタリング計画策定後に予実差異、施策進捗、資金繰りを確認し、金融機関に報告する
認定支援機関の役割計画書作成だけでなく、現状把握、課題整理、金融機関説明、実行管理を支える
よくある失敗補助制度目的、楽観的な売上計画、資金繰り表不足、専門家任せ、形式的モニタリング
相談前資料決算書、月次試算表、資金繰り表、借入金一覧、売掛金・在庫明細、固定費明細など
選び方制度知識だけでなく、月次管理・資金繰り・金融機関対応・モニタリングまで見られるか確認する
早期相談の意味資金が尽きる前に相談するほど、改善・金融機関対応・将来判断の選択肢が増える
最終目的守りを仕組みに変え、攻めの経営判断を支える数字と説明体制を整えること
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