補助金や税制優遇、認定制度、金融支援を検討するとき、多くの会社がまず確認するのは、「自社が中小企業に該当するかどうか」です。
資本金は1億円以下か。従業員数は基準の範囲に収まっているか。業種は対象に含まれるか。想定している支出は対象経費にあたるか。申請期限には間に合うか。
単体で事業を営む会社であれば、この確認である程度は整理がつきます。ところが、グループ会社や非上場企業の場合、話はここから難しくなります。
たとえば、親会社が大企業である。兄弟会社がある。持株会社を設けている。自己株式を保有している。株式が親族や従業員持株会に分散している。M&Aで子会社化した会社がある。グループ通算制度を適用している。過去に組織再編を経ている。金融機関との契約で、組織再編や配当が制限されている。
こうした状況では、制度の要件を「申請する法人単体」だけで判断することはできません。
制度活用の前に、資本関係、株主構成、議決権、グループ内取引、税務申告単位、会計処理、そして金融機関との契約まで確認しておく必要があります。ここを見落とすと、申請時には問題なく通ったように見えても、後になって対象外と判明したり、税制が適用できなかったり、補助金の返還や金融機関への説明不足につながることがあります。
グループ会社・非上場企業における制度活用は、「使える制度を探す」前に、「自社は制度上どの単位で見られるのか」を確かめるところから始まります。
まず確認すべきは「会社単体」ではなく「会社構造」
グループ会社・非上場企業で制度活用を検討するとき、最初に手をつけるべき資料は申請書ではありません。
資本関係図です。
どの法人が、どの法人の株式を、何%保有しているのか。議決権割合はどうなっているか。自己株式を控除すると割合が変わるのか。親会社、子会社、兄弟会社、関連会社、持株会社、SPCは存在するか。個人株主、親族株主、従業員持株会、投資会社、一般社団法人などが関与していないか。過去の株式移動、組織再編、M&A、自己株式取得に、税務上の論点が残っていないか。
この整理をしないまま制度を選ぶと、要件判定を誤りやすくなります。
中小企業基本法上の中小企業者については、業種ごとに資本金または従業員数の基準が示されています。製造業等は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、サービス業は資本金5,000万円以下または従業員100人以下、小売業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下、といった具合です。ただし、中小企業基本法上の範囲は、個別の支援制度における定義と異なることがあります。実際の判断にあたっては、各制度の窓口、公募要領、税制資料で確認しておく必要があります。
出典:中小企業庁|中小企業の定義に関するよくある質問
重要なのは、ここです。
「中小企業基本法上は中小企業に見える」ことと、「その補助金・税制・認定制度の対象になる」ことは、同じではありません。
グループ会社や非上場企業では、このズレこそが制度判断の出発点になります。
「みなし大企業」は制度ごとに確認する
制度活用の場面で特に見落とされやすいのが、「みなし大企業」です。
中小企業基本法には、いわゆる「みなし大企業」の規定はなく、同法の資本金・従業員基準に該当する限り、中小企業者にあたるとされています。一方で、その他の法律や補助金では支援対象から除外している場合があるため、制度ごとに確認が欠かせません。たとえば、発行済株式または出資金額の2分の1以上を同一の大企業が所有している場合、3分の2以上を大企業が所有している場合、大企業の役員・職員を兼ねる者が役員総数の2分の1以上を占める場合などを「みなし大企業」とする制度例が示されています。
出典:中小企業庁|中小企業の定義に関するよくある質問
この論点は、税制優遇でも同じように重要です。
中小企業向けの設備投資税制では、資本金1億円以下の法人であっても、大規模法人による経営が行われていると認められる一定の法人は、制度上の中小企業者から除外されます。さらに、みなし大企業の判定では、判定法人が保有する自己株式を発行済株式から除いて所有割合を計算します。したがって、株主構成そのものが変わっていなくても、自己株式の保有によって判定結果が変わる場合があります。
賃上げ促進税制の中小企業者等向けガイドブックでも、資本金1億円以下の法人であっても、同一の大規模法人から2分の1以上の出資を受ける法人、2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人は対象外とされています。加えて、前3事業年度の所得金額の平均額が15億円を超える法人も対象外です。
出典:中小企業庁|賃上げ促進税制 御利用ガイドブック
こうしたことから、制度活用の前には、少なくとも次の点を確認しておきたいところです。
- 親会社や大株主に大規模法人がいないか
- 大規模法人の出資割合が2分の1以上、または複数合算で3分の2以上にならないか
- 自己株式を控除した後の割合で判定しているか
- 資本金だけでなく、従業員数、所得金額、グループ関係による除外要件がないか
- 税制と補助金で「みなし大企業」の定義が異なっていないか
- 制度ごとの公募要領・手引き・Q&Aに、追加の除外要件がないか
「資本金が1億円以下だから中小企業税制が使える」と考えるのは危険です。
グループ会社では、誰が株主か、どの割合で支配しているか、自己株式をどう扱うか。そこまで確認して初めて、制度の対象かどうかを検討できます。
補助金では「代表者が同じ複数法人」「同一事業」「同一経費」に注意する
グループ会社が補助金を検討する場合、もう一つ注意しておきたいのが、複数法人による申請です。
グループ内にA社、B社、C社があれば、それぞれ別法人ですから、別々に申請できるように見えることがあります。しかし補助金では、制度ごとに、同一事業者、同一代表者、同一事業、同一経費、実質的な重複申請が制限されている場合があります。
小規模事業者持続化補助金の公募要領では、同一事業者から同一受付締切回への応募は1件とされています。代表者が同じ複数の法人で同一事業に申請すること、同一の個人が個人事業主として、かつ代表を務める法人等で同一事業に申請することも認められていません。複数応募が判明した場合はすべて不採択となり、採択後に判明したときも、遡って採択が取り消されます。
出典:小規模事業者持続化補助金事務局|小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第19回公募要領
同補助金では、採択後であっても、補助金交付決定通知書の受領前に行った発注・契約・支出は補助対象外です。対象外経費の計上が見つかれば、補助対象経費から除外されます。また、一定の取得財産については、目的外使用、譲渡、担保提供、廃棄等に制限があり、帳簿や証拠書類は事業終了後5年間の保存が必要です。
出典:小規模事業者持続化補助金事務局|小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第19回公募要領
グループ会社の場合、次のような申請は、とりわけ慎重に確認すべきです。
- 同じ代表者の複数法人が、実質的に同じ販路開拓事業で申請する
- 親会社が実施すべき投資を、補助対象になりやすい子会社で申請する
- 同一設備や同一システムを、複数法人で重複して補助対象にする
- グループ会社間の外注費、委託費、ライセンス料を補助対象にする
- 親会社が発注し、子会社が使用する設備を、子会社の補助対象にする
- 採択前・交付決定前に、グループ内で発注や契約を進めてしまう
- 補助事業終了後に、グループ再編で対象資産を移転する
補助金は、形式的な法人単位だけで判断されるわけではありません。事業の実態、経費負担者、使用者、発注者、支払者、所有者、そして成果物の帰属まで確認しておく必要があります。
非上場企業では、株主構成が制度判断に直接影響する
非上場企業では、株主構成が制度活用の前提になります。
上場会社であれば、株式市場を通じて株式が分散していても、制度判断上は一定の整理がしやすい場面があります。しかし非上場企業では、株主構成がそのまま経営権、承継、資金調達、組織再編、税務に影響します。
たとえば、次のような状態では、制度活用の難度が上がります。
- 創業家親族に株式が分散している
- 相続により少数株主が増えている
- 従業員持株会や役員持株会が株式を保有している
- 名義株、所在不明株主、古い株券の問題がある
- 種類株式や属人的株式を導入している
- 自己株式を多く保有している
- 持株会社を設立している
- 一般社団法人や投資会社が株主になっている
- MBO、EBO、M&Aを検討している
非上場企業の事業承継では、経営者の交代だけでなく、支配権である株式の承継が重要になります。株式が分散している場合には、後継者の経営権、意思決定、株式買取資金、相続・贈与、自己株式取得、種類株式、遺留分といった論点が複合します。
株式の集約や分散防止の手段としては、譲渡制限、相続人等に対する売渡請求制度、遺言、経営承継円滑化法の民法特例、種類株式、属人的定め、議決権信託、株主間契約、自己株式取得など、多様なものがあります。ただし、いずれも会社法、税務、資金、株主間の公平性に影響します。単に「支配権を集める」という目的だけで実行してよいものではありません。
制度活用の観点では、株主構成は次のように影響します。
| 株主構成の論点 | 制度活用への影響 |
|---|---|
| 大規模法人が株主 | みなし大企業、税制優遇・補助金対象外の判定に影響 |
| 親族株主が分散 | 承継税制、株式集約、議決権安定、相続対策に影響 |
| 自己株式保有 | みなし大企業判定、資本構成、自己株式取得税務に影響 |
| 従業員持株会 | 承継、MBO、株価評価、買取資金、退職時処理に影響 |
| 種類株式 | 議決権、配当、残余財産、評価、承継設計に影響 |
| 持株会社 | グループ構造、資金移動、税務、金融機関説明に影響 |
| 投資会社・ファンド | 補助金・税制上の中小企業該当性、EXIT条件に影響 |
非上場企業で制度を使うのであれば、まず「誰が会社を支配しているのか」を整理しておかなければなりません。
組織再編は、制度活用前後の要件を変えてしまう
グループ会社では、合併、会社分割、株式交換、株式移転、現物出資、事業譲渡、持株会社化といった組織再編が、制度活用と関わってくることがあります。
補助金を使って設備を取得した後に、対象資産を会社分割で別会社に移す。税制優遇を受けた設備を、グループ会社に賃貸する。経営力向上計画の認定を受けた法人が、合併によって消滅する。承継税制を使った後に、株式交換や持株会社化を検討する。グループ通算制度の適用中に、子会社を買収・売却する。
このような場合には、制度の要件、承認手続、財産処分制限、税務上の適格性、繰越欠損金、固定資産、申告書別表、金融機関契約といった論点が絡み合います。
組織再編税制では、適格組織再編に該当するかどうかによって、移転資産・負債の譲渡損益、子会社株式、株主側の課税、繰越欠損金の引継ぎなどが変わります。適格要件には、対価要件、支配関係・株式保有の継続要件、事業関連性要件などがあり、再編形態や当事者間の関係によって判定します。適格組織再編に該当すれば課税は繰り延べられますが、非適格再編となれば、課税や繰越欠損金の制限が問題になります。
ここで重要なのは、「組織再編として税務上有利かどうか」だけではありません。
制度活用と組織再編を並行して考える場合には、次の順番で確認します。
- その制度は、再編前の法人で申請・適用すべきか
- 再編後の法人が、制度上の対象者に該当するか
- 補助対象資産・税制対象資産の所有者と使用者が変わるか
- 財産処分制限や目的外使用制限に抵触しないか
- 認定計画や補助事業計画の変更承認が必要か
- 税務上、適格・非適格、繰越欠損金、特定資産譲渡等損失の制限が生じないか
- 金融機関の事前承諾が必要な組織再編に該当しないか
- 事業承継税制や株主構成に影響しないか
組織再編は、制度活用の「後処理」ではありません。制度を使う前の段階で、再編の予定があるかどうかを確認しておくべき論点です。
グループ通算制度を適用している会社は、単体判断だけでは足りない
グループ通算制度を適用している企業グループでは、法人税の計算単位が複雑になります。
グループ通算制度は、完全支配関係にある企業グループ内の各法人を納税単位として、各法人が個別に法人税額の計算・申告を行い、その中で損益通算等の調整を行う制度です。後発的に修更正事由が生じた場合には、原則として他の法人の税額計算に反映させない遮断措置が設けられており、開始・加入時の時価評価課税や欠損金の持込み等については、組織再編税制と整合性のとれた制度とされています。
出典:国税庁|No.5900 グループ通算制度の概要
この制度は、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用されています。
出典:国税庁|グループ通算制度の概要
対象となるのは、親法人およびその親法人との間に完全支配関係がある子法人に限られます。
出典:国税庁|No.5900 グループ通算制度の概要
制度活用の場面で問題になるのは、税額控除や中小企業判定、欠損金、時価評価です。
グループ通算制度では、研究開発税制についてグループ全体計算となる場面があり、他の通算法人の申告書添付状況が、自社の税額控除に影響することがあります。たとえば、通算法人のいずれかが当初申告で必要な別表を添付していなければ、自社では添付していても、税額控除の適用ができない場合があると整理されています。
一方、研究開発税制以外の租税特別措置には、原則として個社計算となるものもあります。グループ通算制度において、すべての制度がグループ全体で一体計算されるわけではありません。
また、外国税額控除については、通算グループ全体で税額控除限度額を計算する取扱いが整理されています。
そのため、グループ通算制度を適用している会社が制度活用を検討するときは、次の点を確認する必要があります。
- 申請・適用する法人はどこか
- 通算親法人か、通算子法人か
- 税額控除は個社計算か、グループ全体計算か
- 他の通算法人の申告・別表添付が、自社に影響しないか
- 開始・加入時に、時価評価や繰越欠損金の制限が生じていないか
- 離脱予定の法人があるか
- M&Aで買収した法人を、通算グループに加入させる予定があるか
- 地方税、消費税、会計処理とのズレを整理しているか
- 繰延税金資産の回収可能性や、税効果会計に影響しないか
グループ通算制度を採用している企業では、「その子会社だけで税額控除が使えるか」という問いだけでは足りません。グループ全体の申告体制、別表管理、加入・離脱、欠損金、税効果まで含めて判断する必要があります。
研究開発税制・知財・グループ会社は特に複雑になりやすい
研究開発費、知的財産、ライセンス、ソフトウェア、ノウハウが関係する会社では、グループ構造が制度判断をいっそう難しくします。
研究開発税制は、一般試験研究費の額に係る税額控除制度、中小企業技術基盤強化税制、特別試験研究費の額に係る税額控除制度の3つで構成されています。このうち中小企業技術基盤強化税制は、中小企業者等が、一般試験研究費の額に係る税額控除制度に代えて適用する制度です。
出典:国税庁|No.5441 研究開発税制について(概要)
研究開発や知財が関係するグループでは、次のような論点が出やすくなります。
- 研究開発費をどの法人が負担しているか
- 研究成果の知的財産権をどの法人が保有するか
- 親会社と子会社の間でライセンス料を設定しているか
- 海外子会社や外国法人との取引があるか
- 移転価格税制、外国子会社合算税制、源泉税が関係しないか
- 研究開発税制をどの法人で適用するか
- グループ通算制度で、税額控除の全体計算が必要か
- 補助金で取得した成果物や知財を、グループ内で移転しないか
知的財産権は、存在そのものを認識しにくく、無断使用の発見も難しい。複製が容易で、貨幣価値の測定も困難です。そのため、会計上オフバランスになる場合があります。さらに、権利の重層的な利用関係が生じることもあります。
グループ内で研究開発費、知財、ライセンスを扱う場合、「どの会社が費用を負担したか」と「どの会社が価値を得たか」を説明できなければ、税務でも、補助金でも、金融機関への説明でも問題になります。
金融機関との契約が、制度活用や組織再編を制限することがある
グループ会社や非上場企業では、制度要件を満たしていても、金融機関との契約によって実行できないことがあります。
たとえば、次のような条項です。
- 合併、会社分割、株式交換、株式移転、減資、自己株式取得・消却の事前承諾
- 株式譲渡、担保設定、配当の制限
- 追加借入や社債発行の制限
- 設備投資額、投融資額の制限
- 財務制限条項
- 一定の株式売却時の期限前返済義務
- 月次試算表、預金残高明細、財務制限条項遵守報告書の提出義務
- クロスデフォルト条項
制度活用のための設備投資や再編が、金融機関との契約に抵触すれば、制度上は可能であっても、資金調達の面から実行できないという事態が起こり得ます。
これは、制度の話ではなく、経営判断の話です。
補助金で設備を導入する。税制優遇を受ける。持株会社化する。子会社を合併する。株式を集約する。自己株式を取得する。
こうした判断は、金融機関から見れば、返済原資、担保、保証、株主構成、財務制限条項に影響するものです。
したがってグループ会社・非上場企業では、制度申請の前に、借入契約書、担保契約、保証契約、財務制限条項、株式質権、配当制限、組織再編制限を確認しておく必要があります。
制度活用前に作るべき「確認資料」
グループ会社・非上場企業で制度活用を検討するのであれば、相談の前に次の資料を整理しておくと、判断が具体化しやすくなります。
1. 資本関係図
親会社、子会社、兄弟会社、持株会社、SPC、個人株主、従業員持株会、投資会社を含め、株式保有割合と議決権割合を整理します。自己株式を控除した割合も確認します。
2. 株主名簿・定款・種類株式の内容
譲渡制限、種類株式、属人的定め、相続人等への売渡請求、株主間契約、従業員持株会規約などを確認します。
3. グループ内取引一覧
売上、仕入、外注、ライセンス、出向負担金、経営指導料、資金貸借、配当、保証、担保提供を整理します。
4. 税務申告体制
単体申告か、グループ通算制度を適用しているか。通算親法人・通算子法人、欠損金、税額控除、別表添付、税効果会計を確認します。
5. 組織再編・M&Aの履歴と予定
過去の合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡、自己株式取得、M&Aの履歴を確認します。今後の再編予定も、制度判断に影響します。
6. 補助金・税制・認定制度の利用履歴
過去に利用した補助金、税制優遇、認定計画、助成金を整理します。同一経費、同一事業、重複適用、継続報告、財産処分制限を確認します。
7. 借入契約・金融機関説明資料
借入金一覧、担保、保証、財務制限条項、配当制限、組織再編制限、報告義務を確認します。
8. 月次試算表・資金繰り表・部門別損益
制度を使った後に、どの法人で、どの事業に、どの数字の効果が出るのかを説明できるようにしておきます。会計によって経営課題を可視化し、資金繰り、債権管理、債務管理、在庫管理、月次決算、予算管理、資金計画管理に取り組むことは、制度活用後の管理にも直結します。
制度を使わない方がよい場面
グループ会社・非上場企業では、制度を使わないという判断も重要です。
次のような場合には、制度活用を急ぐべきではありません。
- 資本関係図が整理されていない
- 株主名簿と実質株主が一致しているか不明である
- みなし大企業に該当する可能性を検討していない
- グループ内で、同一事業・同一経費の重複申請が疑われる
- 補助対象資産を再編で移転する予定がある
- 金融機関の事前承諾が必要かどうかを確認していない
- グループ通算制度の申告体制が整っていない
- 研究開発費や知財の帰属が曖昧である
- 組織再編の税務適格性を確認していない
- 非上場株式の評価、株主構成、承継方針が未整理である
- 月次決算や証憑管理が、制度の報告・検査に耐えられない
制度活用は、会社構造を整えるきっかけになります。しかし、会社構造が未整理のまま制度を使えば、制度がかえって経営管理上のリスクを増幅させてしまうこともあるのです。
グループ会社・非上場企業の制度活用でお悩みの方へ
グループ会社・非上場企業の制度活用では、制度名や補助率だけを見ても判断できません。
みなし大企業に該当しないか。株主構成が制度要件に影響しないか。自己株式や持株会が判定に影響しないか。組織再編後も制度要件を満たせるか。グループ通算制度で、税額控除や欠損金に影響が出ないか。補助金の財産処分制限に抵触しないか。金融機関へ説明できる資金計画になっているか。月次管理と証憑管理で、制度活用後の説明責任に耐えられるか。
ここまで見て初めて、「この制度を使うべきか」を判断できます。
犬飼公認会計士・税理士事務所では、グループ会社・非上場企業の補助金、税制優遇、認定制度、事業承継、組織再編、グループ通算制度に関する論点を、会計・税務・資金繰り・株主構成・金融機関説明を含めて整理します。
自社の資本関係や株主構成が制度活用に影響しそうな場合、持株会社化・組織再編・M&A後の制度活用を検討している場合、グループ通算制度や税額控除の判断に不安がある場合は、犬飼公認会計士・税理士事務所HPのお問い合わせページからご相談ください。
振り返り:グループ会社・非上場企業で制度活用が難しくなる主な場面
| 論点 | 確認すべきこと | 判断を誤った場合の影響 |
|---|---|---|
| 中小企業該当性 | 中小企業基本法と個別制度の定義が一致しているか | 対象外の制度に申請してしまう |
| みなし大企業 | 大規模法人の出資割合、役員関係、自己株式控除後の割合 | 税制優遇・補助金の対象外になる |
| 資本関係 | 親会社、子会社、兄弟会社、持株会社、SPCの関係 | 申請主体や適用法人を誤る |
| 株主構成 | 親族株主、従業員持株会、種類株式、自己株式 | 承継、支配権、税務、制度判定に影響する |
| 補助金の複数申請 | 同一代表者、同一事業、同一経費、複数法人申請 | 不採択、採択取消、返還リスクが生じる |
| グループ内取引 | 外注費、ライセンス料、資金貸借、経営指導料 | 対象経費性、税務、利益移転の説明が必要になる |
| 組織再編 | 合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡 | 税務適格性、補助対象資産、認定計画に影響する |
| グループ通算制度 | 通算親法人・子法人、税額控除、欠損金、別表添付 | 単体では見えない税務影響が出る |
| 研究開発税制 | 研究開発費の負担法人、知財の帰属、通算計算 | 税額控除の適用可否や計算を誤る |
| 非上場株式評価 | 株式評価、同族株主、自己株式、持株会社 | 承継税制、M&A、株式集約に影響する |
| 金融機関契約 | 配当制限、再編制限、担保、保証、財務制限条項 | 制度上可能でも実行できないことがある |
| 月次管理・証憑 | 試算表、資金繰り表、証憑、別表、管理台帳 | 実績報告、税務申告、金融機関説明に耐えない |