解散・清算における法人税務の全体像|会社を閉じる前に確認すべき申告・残余財産・欠損金の基本

会社を解散・清算する場面では、「もう事業をやめるのだから、あとは登記と残った資産の整理だけだろう」と考えられがちです。

けれども、法人税務の観点から見ると、解散は会社の税務が終わる瞬間ではありません。むしろ、通常の事業年度とは異なる申告期間や申告期限、資産・負債の整理、欠損金の取扱い、株主への分配、債務免除、消費税・地方税への波及といった、平常時とは違う論点が一気に表面化する局面です。

特に中小・中堅企業では、解散の時点で役員借入金や金融機関からの借入、滞留債権、未処分の固定資産、回収不能な売掛金、税務上の繰越欠損金、オーナー株主との資金関係が残っていることも少なくありません。これらを十分に整理しないまま清算を進めてしまうと、想定外の法人税・消費税・源泉所得税、あるいは株主側の課税、さらには清算人・株主・債権者への説明問題につながることがあります。

この記事では、解散・清算における法人税務の入口として、まず全体像を整理します。個別の計算や申告書の記載方法といった細部ではなく、会社を閉じる前に、どの順番で何を確認し、どこで税務判断が生じるのかを把握することを目的とします。

目次

解散と清算は、税務上も段階を分けて考える

会社の出口を考えるとき、まず区別しておきたいのが「解散」と「清算」です。

解散とは、会社が通常の事業活動を終え、清算手続に入る原因となる行為または事実を指します。株式会社であれば、株主総会の決議による解散、定款で定めた存続期間の満了、合併による消滅、破産手続開始の決定などが解散事由にあたります。

一方の清算は、解散した会社が残った資産を換価し、債権を回収し、債務を弁済したうえで、最終的に残余財産があれば株主へ分配する手続です。株式会社については、解散等があった場合、会社法上、一定の場合を除いて清算をしなければならないとされています。また、清算株式会社は、各清算事務年度に係る貸借対照表、事務報告および附属明細書を作成する必要があります。
出典:e-Gov法令検索|「会社法」 出典:国税庁|「1 事業年度」

ここで税務上重要になるのは、解散した時点で会社の申告義務が終わるわけではない、という点です。解散後も、清算中の法人として法人税の申告が必要になります。会社に資産・負債が残っている限り、資産の売却益、貸倒損失、債務免除益、清算費用、税金、残余財産の分配といった税務処理が生じ得るためです。

平成22年度税制改正により、清算所得課税制度は廃止されました。平成22年10月1日以後に解散する法人については、清算中に終了する事業年度についても、通常の各事業年度の所得に対する法人税が課される仕組みになっています。つまり現在の清算税務は、清算所得という特殊な課税標準を計算するのではなく、原則として通常の所得計算と同じ枠組みで課税所得を計算するという考え方です。
出典:国税庁|「平成22年6月30日付課法2-1ほか1課共同『法人税基本通達等の一部改正について』の趣旨説明」

この点は、実務上とても重要です。清算中だから税金が特別に軽くなるわけでも、清算中だから通常の所得計算を考えなくてよいわけでもありません。清算中であっても、資産譲渡益や債務免除益が生じれば、課税所得は発生し得ます。平成22年度改正後は清算所得課税が廃止され、清算事業年度の所得計算についても、一般の課税所得計算と同様に行うものとして整理されています。

解散すると、事業年度がそこで区切られる

解散・清算の法人税務で最初に確認すべきなのは、事業年度の区切りです。

通常の会社であれば、定款で定めた決算期に従い、1年ごとに事業年度が区切られます。ところが、会社が事業年度の途中で解散した場合には、その事業年度はそのまま最後まで続くのではなく、税務上、一定の期間ごとに区切られることになります。

法人税法上、事業年度の中途で解散したときは、事業年度開始の日から解散の日までの期間と、解散の日の翌日からその事業年度終了の日までの期間が、それぞれ一つの事業年度とみなされます。さらに、清算中の法人の残余財産が事業年度の途中で確定した場合には、その事業年度開始の日から残余財産の確定の日までの期間が、一つの事業年度になります。
出典:e-Gov法令検索|「法人税法」 出典:国税庁|「1 事業年度」

ここで実務上注意したいのは、株式会社が通常清算または特別清算に入る場合、清算中の事業年度は、定款上の決算期ではなく、会社法上の「清算事務年度」を基準に考えるという点です。会社法上の清算事務年度は、解散等の日の翌日、またはその後毎年その応当日から始まる各1年の期間とされています。国税庁の解説でも、株式会社が解散した場合には、解散の日の翌日から清算事務年度終了の日までの期間についてみなし事業年度が生じることが示されています。
出典:国税庁|「1 事業年度」

そのため、解散後の申告スケジュールは、平常時の決算期だけを見ていては足りません。解散日、清算事務年度、残余財産確定日を起点として、申告対象期間を改めて整理する必要があります。

実務では、ここを誤ると、申告期限の誤認、税額控除や欠損金の適用年度の誤り、消費税の課税期間の誤り、地方税申告の漏れといった問題につながりかねません。特に、解散決議日、登記日、実際の事業停止日、残余財産確定日が近接している場合には、どの日を税務上の基準日として扱うのかを、あらかじめ明確にしておく必要があります。

「解散事業年度」「清算中の事業年度」「残余財産確定事業年度」を分けて見る

解散・清算の税務では、少なくとも次の三つの期間を分けて考える必要があります。

区分税務上の意味主な確認事項
解散事業年度通常事業年度の開始日から解散日まで解散前の通常損益、資産負債、税務調整、申告期限
清算中の事業年度解散日の翌日から清算事務年度終了日等まで資産換価、債権回収、債務弁済、清算費用、債務免除益
残余財産確定事業年度事業年度開始日から残余財産確定日まで最終申告、残余財産分配、株主課税、申告期限の短縮

解散事業年度は、解散前の通常の事業活動を含む期間です。売上、仕入、役員報酬、減価償却、在庫、貸倒れ、税額控除など、通常の法人税申告と同様の確認が必要になります。

清算中の事業年度に入ると、会社の目的は通常の営業から清算事務へと移ります。資産を売却する、売掛金を回収する、金融機関や役員からの借入金を弁済する、退職金や清算費用を支払う、債権者と債務免除を協議する——こうした取引が中心になります。

残余財産確定事業年度は、会社の法人税務における最終局面です。残余財産が確定した日の属する事業年度については、申告期限が通常より短くなります。清算中の法人につき残余財産が確定した場合、その事業年度の確定申告書の提出期限は、原則として残余財産が確定した日の翌日から1か月以内です。さらに、その1か月以内に残余財産の最後の分配または引渡しが行われる場合には、その行為の日の前日までとされています。
出典:国税庁|「法人税法」 出典:e-Gov法令検索|「法人税法」

この「1か月以内」という期限は、実務上かなり短いものです。平常時の法人税申告の感覚で、決算日から2か月、あるいは申告期限の延長を前提に進めてしまうと、最終申告に間に合わないおそれがあります。国税庁の解説でも、残余財産が確定する日の属する事業年度の確定申告書の提出期限は、その確定した日の翌日から1月以内であり、期限延長の特例の適用はないとされています。
出典:国税庁|「法人税法」

残余財産の確定は、税務上の出口を決める重要な基準日

清算手続では、残余財産の確定が一つの大きな節目になります。

残余財産とは、会社の資産を換価し、債務を弁済したあとに残る財産です。残余財産がある場合には、原則として株主へ分配されます。残余財産がなければ、株主への分配は行われません。

税務上は、残余財産が確定すると、清算中の法人の最終事業年度が終了し、最終申告の期限が動き出します。また株主側でも、残余財産の分配を受ける場合には、みなし配当や株式譲渡損益の問題が生じる可能性があります。残余財産の分配に関する株主課税は、本シリーズの別記事で改めて詳しく取り上げます。ただ、本稿の段階でも、「会社側の清算税務」と「株主側の課税」は切り離せないものだと意識しておく必要があります。

たとえば、会社に不動産、投資有価証券、役員貸付金、保険契約、回収不能債権などが残っている場合、それらをどの価額で処分するか、誰に移転するか、債務と相殺するか、現物で分配するか——その選び方によって、会社側の譲渡損益や株主側の課税関係が変わってきます。

残余財産の分配を受けた株主については、分配時にみなし配当および株式譲渡損益を認識する必要があります。一方で、完全支配関係のある内国法人が残余財産の分配を受ける場合には、株式譲渡損益を認識できない取扱いとされています。このように、残余財産は「余った財産を配る」という単純な処理ではなく、法人税・所得税・源泉所得税、そして株主側の会計処理にまで影響する判断領域なのです。

清算中でも、資産譲渡益や債務免除益には注意が必要

清算中の法人税務で特に気をつけたいのは、会社を閉じる過程で所得が生じることがある、という点です。

清算では、通常、資産を売却して現金化します。不動産、車両、機械、在庫、有価証券、保険契約などに含み益があれば、売却時に譲渡益が生じます。反対に、売却損が生じる場合もあります。

また、債務超過の会社では、金融機関、取引先、役員、オーナー株主などから債務免除を受けることがあります。この場合、会社側では、原則として債務免除益が益金となります。清算中であっても、債務免除益が生じれば課税所得が発生する可能性があるわけです。

ここで問題になりやすいのが、会社には実質的に残余財産がないにもかかわらず、債務免除益や資産譲渡益によって課税所得が生じてしまう場面です。平成22年度税制改正で清算所得課税が廃止されたことに伴い、こうした場面に対応するため、残余財産がないと見込まれる場合には、一定の期限切れ欠損金額を損金に算入できる制度が設けられています。国税庁は、残余財産がないと見込まれる場合には、青色欠損金等の控除後の所得金額を限度として、期限切れ欠損金額を基礎として計算した金額を損金算入できると説明しています。
出典:国税庁|「解散法人の残余財産がないと見込まれる場合の損金算入制度における『残余財産がないと見込まれるとき』の判定について」 出典:国税庁|「平成22年6月30日付課法2-1ほか1課共同『法人税基本通達等の一部改正について』の趣旨説明」

ただし、この制度は「赤字会社だから当然に使える」というものではありません。残余財産がないと見込まれるかどうかは、清算中に終了する各事業年度終了時の現況によって判断することとされています。また、債務超過の状態にあるかどうかは、一般的には、時価ベースの実態貸借対照表によって確認するものとされています。
出典:国税庁|「解散法人の残余財産がないと見込まれる場合の損金算入制度における『残余財産がないと見込まれるとき』の判定について」

さらに国税庁の質疑応答事例では、債務超過の状態に限らず、清算を前提とした場合に残余財産の分配が見込まれるかどうかで判定するという考え方が示されており、残余財産が零となる場合も「残余財産がないと見込まれるとき」に該当し得るとされています。
出典:国税庁|「解散法人の残余財産が零となる事業年度の『残余財産がないと見込まれるとき』の判定について」

この論点は、本シリーズの別記事で改めて詳しく取り上げます。ただ、本稿の段階で押さえておくべきことははっきりしています。清算中の法人税務では、帳簿上の繰越欠損金だけでなく、期限切れ欠損金、時価ベースの資産・負債、債務免除益、資産譲渡損益を、一体として見ていく必要があるということです。実務上も、清算中の債務免除益と期限切れ欠損金の関係、そして別表五(一)の利益積立金額を基礎とした検討が重要になります。

消費税・地方税・源泉所得税も同時に確認する

解散・清算で確認すべき税金は、法人税だけではありません。

まず消費税については、法人税と同じく、残余財産確定時の申告期限に注意が必要です。国税庁のタックスアンサーでは、法人は原則として課税期間終了の日から2か月以内に消費税の確定申告書を提出する必要がある一方、清算中の法人において残余財産が確定した場合には、その確定の日の属する課税期間終了の日の翌日から1か月以内に申告書を提出しなければならないとされています。
出典:国税庁タックスアンサー|「No.6610 法人に係る消費税の確定申告書の提出期限について」

また、資産を売却する場合には、その資産譲渡が消費税の課税取引となるのか、土地などの非課税取引に該当するのか、事業廃止に伴う棚卸資産や固定資産の処理に問題がないかも確認する必要があります。免税事業者、簡易課税、課税期間の特例、適格請求書発行事業者の登録など、法人税とは別の手続論点が残ることもあります。

地方税についても、法人住民税、法人事業税、外形標準課税、均等割の取扱いを確認しておく必要があります。特に資本金等の額が大きい法人や、清算中に債務免除益・資産譲渡益が生じる法人では、法人税だけを見ていると、地方税の負担を見落としてしまうことがあります。清算中の法人については、外形標準課税上の付加価値割・資本割に関して、特例的な整理が設けられている点にも留意が必要です。

さらに、役員退職金、従業員給与、賞与、残余財産分配に係るみなし配当、非居住者株主への支払などがある場合には、源泉所得税の確認も欠かせません。清算手続では、最後の支払を終えたあとに会社を閉じるため、源泉徴収漏れが後から発覚すると、納税資金や関係者間の負担調整が難しくなります。

解散・清算では「税金を払えるか」という資金繰り判断が重要になる

解散・清算の税務で見落とされやすいのは、税額計算そのものよりも、むしろ納税資金の確保です。

清算手続では、資産の換価、債務の弁済、役員・従業員への支払、専門家費用、登記費用、租税公課などが同時に発生します。そこへ、法人税、消費税、地方税、源泉所得税が加わります。

特に危ういのは、資産売却や債務免除によって税務上の所得が生じる一方で、現金が十分に残らないケースです。たとえば、不動産の売却代金を金融機関への返済に充てたあとで、法人税や消費税の納付資金が不足する、といった事態です。オーナー借入金を返済したあとに、会社側で納税資金が足りなくなることもあります。

清算人が税金の発生を認識しながら、納税よりも特定の債権者や役員への支払を優先した場合には、税務だけでなく、債権者対応や責任問題へ発展する可能性があります。実務上も、清算人が解散事業年度の法人税等の発生を認識しながら、自らの貸付金回収や退職給与の支給を行う場面については、詐害行為取消権などの問題が指摘されています。

したがって、解散・清算を検討する段階では、次の順番で資金繰りを確認しておく必要があります。

確認項目実務上の意味
換価できる資産現金化できる金額と時期を把握する
弁済すべき債務金融機関、役員、取引先、租税債務を整理する
税務上の所得資産譲渡益、債務免除益、貸倒損失、清算費用を確認する
納税資金法人税、消費税、地方税、源泉税を支払えるか確認する
残余財産株主へ分配できる財産があるか判断する

清算では、利益計算よりも資金の出口管理が重要になります。納税資金を確保しないまま分配や返済を進めてしまうと、後から是正することは難しくなります。

解散時点で整理すべき資料

解散・清算の法人税務では、申告書を作る段階になってから資料を集めるのでは遅い、ということがあります。解散を検討する段階で、少なくとも次の資料は整理しておきたいところです。

資料確認する目的
直近の決算書・総勘定元帳資産負債、損益、税務調整の全体把握
過年度の法人税申告書・別表繰越欠損金、利益積立金額、資本金等の額の確認
固定資産台帳売却・除却・現物分配・消費税の確認
棚卸資産明細廃棄、売却、評価、消費税の確認
売掛金・貸付金・未収入金明細回収可能性、貸倒、債権放棄の検討
借入金・未払金・保証債務明細弁済順位、債務免除、納税資金の確認
株主名簿残余財産分配、みなし配当、株主課税の確認
役員・従業員への未払債務退職金、給与、源泉所得税の確認
保険契約・解約返戻金資料解約益、受取保険金、役員退職金原資の確認
契約書・担保資料債権債務、違約金、保証、資産処分の確認

これらの資料を確認する理由は、税額計算のためだけではありません。会社を閉じるという意思決定について、株主、金融機関、債権者、役員、従業員、そして税務署に対して、きちんと説明できる状態を整えておくためです。

特に、解散の時点で債務超過が見込まれる場合には、時価ベースの実態貸借対照表が重要になります。期限切れ欠損金の損金算入制度を検討する際、国税庁は、残余財産がないと見込まれることを説明する書類として、清算中に終了する各事業年度終了時の実態貸借対照表が該当すると説明しています。
出典:国税庁|「平成22年6月30日付課法2-1ほか1課共同『法人税基本通達等の一部改正について』の趣旨説明」

解散・清算前に専門家へ相談すべき典型的な場面

解散・清算は、すべての会社で同じ流れをたどるわけではありません。会社の資産、負債、株主構成、欠損金、債権者、グループ関係、消費税の状況によって、税務判断は大きく変わってきます。

特に、次のような場合には、解散決議や資産処分を行う前に、税務上の整理が必要です。

相談すべき場面主な税務論点
役員借入金・オーナー貸付金が多額に残っている債務免除益、DES、みなし贈与、株価影響
債務超過で清算を予定している期限切れ欠損金、実態貸借対照表、債務免除益
不動産や有価証券など含み益資産がある譲渡益、消費税、時価、残余財産分配
完全子会社を解散する未処理欠損金の引継ぎ、株式譲渡損益不計上
株主が複数いる残余財産分配、みなし配当、源泉所得税
役員退職金を支給する損金算入、支給時期、相当額、納税資金
税務調査未了・過年度誤りがある修正申告、更正の請求、附帯税、重加算税
消費税の課税事業者である資産売却、課税期間、最終申告、インボイス登録
粉飾決算・仮装経理を修正したい修正経理、減額更正、還付制限、調査対応

これらの論点は、清算が進んでからでは、選べる選択肢が限られてしまいます。たとえば、資産を売却したあとで税負担が判明しても、売却条件を変更することはできません。役員借入金を放棄したあとに株主側の贈与税リスクが見つかっても、すでに生じた課税関係を消すことは困難です。残余財産を分配したあとで源泉徴収漏れが判明すれば、会社に残る現金がなく、誰が負担するのかが問題になります。

だからこそ、解散・清算では「申告時に正しく処理する」だけでは不十分なのです。解散を決める前、資産を処分する前、債務免除を受ける前、残余財産を分配する前に、税務上の影響を確認しておくことが重要になります。

解散・清算の法人税務は、会社の最後の説明責任である

法人税務は、会社が動いている間だけのものではありません。会社を閉じるときにも、法人税務は、会社の意思決定を支える重要な基盤になります。

解散・清算では、通常の申告とは異なり、次のような判断が求められます。

判断事項なぜ重要か
解散日をいつにするか事業年度、申告期限、損益帰属に影響する
清算中にどの資産をどう処分するか譲渡損益、消費税、資金繰りに影響する
債務免除を受けるか債務免除益、欠損金、株主課税に影響する
役員退職金を支給するか損金算入、源泉税、納税資金に影響する
残余財産をいつ確定させるか最終申告期限、株主課税、分配実務に影響する
期限切れ欠損金を使えるか債務超過・実態貸借対照表・添付書類が必要になる
株主に何を分配するかみなし配当、譲渡損益、源泉徴収に影響する

会社を閉じるという判断は、単なる事務手続ではありません。税務、会計、会社法、資金繰り、債権者対応、株主対応が重なり合う、一つの経営判断です。

特に中小・中堅企業では、会社とオーナー個人、役員、家族、グループ会社、金融機関との関係が密接であるため、会社側だけを見て判断すると、別のところで課税や説明の問題が生じることがあります。

解散・清算の法人税務で大切なのは、「会社を閉じること」そのものではなく、「会社をどのような数字と資料で閉じるか」です。後から説明できる清算を行うためには、事前に税務論点を洗い出し、資産・負債・欠損金・株主関係・申告期限を整理しておく必要があります。

解散・清算を検討している場合のご相談について

犬飼公認会計士・税理士事務所では、会社の解散・清算、債務超過会社の整理、役員借入金・債務免除・残余財産分配・期限切れ欠損金の検討など、会社の出口局面に関する税務判断について、会計・税務・資料整理・資金繰りの観点から支援しています。

解散を決議したあとではなく、資産処分、債務整理、役員退職金の支給、残余財産分配の前に論点を整理しておくことで、税務上の不確実性を減らし、株主・金融機関・債権者に説明できる清算手続へと近づけることができます。

会社の解散・清算を検討している場合や、清算中の申告、債務免除益、期限切れ欠損金、残余財産分配の取扱いに不安がある場合は、お問い合わせページよりご相談ください。

この記事の振り返り

重要論点押さえるべきポイント
解散と清算の違い解散は通常事業を終了する原因、清算は資産換価・債務弁済・残余財産分配の手続
解散後の申告義務解散しても申告義務は終わらず、清算中も法人税申告が必要
みなし事業年度解散日や残余財産確定日で事業年度が区切られる
清算事務年度株式会社の清算中の事業年度は、原則として会社法上の清算事務年度を基準に考える
残余財産確定最終申告期限、株主課税、分配実務の基準日となる
最終申告期限残余財産確定日の翌日から原則1か月以内で、通常より短い
清算中の所得資産譲渡益や債務免除益により課税所得が発生することがある
期限切れ欠損金残余財産がないと見込まれる場合、一定の損金算入制度を検討する
消費税・地方税法人税だけでなく、消費税・地方税・源泉所得税も同時に確認する
専門家相談のタイミング解散決議後ではなく、資産処分・債務免除・分配前に論点整理することが重要
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