M&Aにおいて買主が考えるべき資本構成は、単に「借入をいくらにするか」「自己資金をいくら入れるか」という話にとどまりません。
本当に問われているのは、買収後の会社がどの程度の負債を抱え、どれだけの自己資本を残し、どれだけの手元資金を確保し、どれだけの追加投資余力を持った状態でスタートを切るのか、ということです。
買収は、クロージングした瞬間に終わるものではありません。買収代金を支払った後も、既存事業は続いていきますし、対象会社の運転資金も必要になります。借入の返済も始まり、金融機関への説明も続きます。むしろ、設備の更新や人材への投資、システムの整備、管理体制の強化といった点まで視野に入れれば、資金需要が本格化するのはむしろ買収の後だ、ということも少なくありません。
だからこそ、M&Aファイナンスにおける資本構成は、「買えるか」ではなく「買った後も耐えられるか」を確かめるための設計図として捉える必要があります。
資本構成とは、貸借対照表の見た目だけではない
資本構成というと、多くの方は自己資本と負債の割合を思い浮かべるのではないでしょうか。
会計上、貸借対照表の純資産の部は、株主資本とそれ以外の項目に区分されます。さらに株主資本は資本金、資本剰余金、利益剰余金に分かれ、純資産そのものは資産と負債の差額として表示されます。
出典:企業会計基準委員会|企業会計基準第5号 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準
会社法に目を向けても、株式会社の資本金の額は、原則として設立や株式発行の際に株主となる者が払い込み、または給付した財産の額とされ、その一部を資本準備金に計上することが認められています。
出典:Japanese Law Translation|会社法
もっとも、M&Aファイナンスで見るべき資本構成は、こうした会計上の純資産や会社法上の資本金だけにとどまりません。実務では、少なくとも次の3つの意味で資本構成を捉えておく必要があります。
ひとつは、貸借対照表上の資本構成です。買収後の有利子負債、自己資本、純資産、のれん、対象会社株式、余剰現預金などがどのように見えるか、という問題です。
次に、資金繰り上の資本構成です。毎月・毎期の返済に耐えられるか、運転資金を維持できるか、追加投資に回せる資金が残るか。こうした点を確かめる視点です。
そして、ガバナンス上の資本構成です。誰が株主になるのか、議決権はどうなるのか、外部株主や投資家にどのような権利を与えるのか、将来の追加調達や売却時にどのような制約が生じるのか、という問題です。
このように、資本構成は「負債と純資産の比率」だけを指すものではありません。買収後の経営自由度、返済負担、説明可能性、支配権、そして将来の選択肢までを左右する、いわば設計事項なのです。
買収後の資本構成は、クロージング直後の姿から考える
M&Aの検討では、どうしても買収価格に意識が向きがちです。しかし、資本構成を考えるうえで最初に見るべきなのは、買収価格そのものではなく、クロージング直後の財務状態です。
たとえば、買収直後に次のような状態になっていないかを確認します。
- 買収代金を支払った結果、買主側の手元資金が過度に薄くなっていないか
- 新規借入と既存借入を合わせた返済負担が、買収後のキャッシュ・フローに見合っているか
- 対象会社の既存借入、リース債務、保証、担保が見落とされていないか
- 買収後の運転資金や設備投資に使える余力が残っているか
- 金融機関に対して、買収目的、資金使途、返済原資を一貫して説明できるか
- 株主構成や外部資本の導入によって、経営判断に過度な制約が生じないか
ここで大切なのは、買収直後の貸借対照表を「静止画」として眺めるだけでは足りない、ということです。借入は将来の返済予定を伴い、自己資金の投入は手元資金の減少を伴い、外部出資は経営権や将来の出口に影響します。
ですから、クロージング直後の資本構成は、その後数年間の資金繰り、返済、投資、金融機関対応までを含めて評価する必要があります。
自己資本は「安全資金」だが、使い切れば安全ではない
自己資金を多く投入すれば、それだけ借入を抑えることができます。借入が少なければ毎期の返済負担は軽くなり、金融機関から見ても財務の安全性は高く映りやすくなります。
ただ、自己資金を使えば使うほど安全になる、というわけではありません。
買収代金に自己資金を使い切ってしまうと、その後の運転資金や追加投資に手が回らなくなります。対象会社の資金繰りに想定外のズレが生じたとき、買主側で支える余力が残っていない、という事態も起こり得ます。買収後に設備の更新や在庫の補充、人材の採用、システムの整備が必要になっても、肝心の資金が残っていなければ、せっかく手に入れた会社を成長させる一手を打てません。
自己資本は、借入を減らすためだけの資金ではありません。買収後の不確実性を受け止めるクッションであり、金融機関に対する信用の土台であり、将来の投資判断の自由度を守る資金でもあります。
ですから、「自己資金をどこまで使うか」という問いは、買収価格を下げるためのものではなく、買収後の会社にどれだけの耐久力を残すか、という問いとして考えるべきだと思います。
借入はリターンを高めるが、自由度を狭める
借入を活用すれば、自己資金だけでは届かない買収にも手が届くようになります。手元資金を温存できるぶん、買収後の運転資金や追加投資にも資金を残しやすくなります。買収が成功し、対象会社が安定したキャッシュ・フローを生み続けるのであれば、借入は有効な資金調達手段だといえます。
一方で、借入には返済期日と利息の支払いが伴います。業績が想定どおりに進まなくても、原則として返済は止まりません。とりわけ買収ファイナンスでは、対象会社グループが生み出すキャッシュ・フローを返済原資とするため、レバレッジが高くなるほどエクイティのクッションは薄くなり、貸付人によるモニタリングや経営上の制約も強まりやすい、という特徴があります。
借入によってROEを高めることは可能です。しかし、有利子負債を増やせば、ROEは事業収益性の変動をより強く受けるようになり、株主にとってのリスクも高まります。ROICとROEの違いを踏まえれば、レバレッジで見かけ上の自己資本利益率を高めることと、事業そのものが資本コストを上回る収益力を持つことは、切り分けて考える必要があります。
借入は「安い資金」と見られがちですが、安いのは表面的な金利だけです。実際には、返済義務、担保、保証、財務制限、追加借入の制約、金融機関への報告義務といった条件が、いくつも付いてきます。
ですから、M&Aにおける借入の判断では、「金利が低いか」だけでなく、「返済しながら事業を伸ばせるか」「下振れしたときにも耐えられるか」「追加投資の余地を残せるか」までを見ておく必要があります。
外部出資は返済不要でも、無料の資金ではない
銀行借入だけでは資金が不足する場合、外部株主、共同投資家、PEファンド、メザニン投資家、種類株式、新株予約権などを検討することがあります。これらは借入と異なり、毎期の元本返済を必ずしも伴いません。その意味では、買収後の資金繰りを安定させる効果があります。
ただし、外部出資や資本性資金は、返済不要だからといって無料というわけではありません。
普通株式であれば、既存株主の持分は希薄化します。議決権割合が変われば、重要な経営判断に必要な同意関係も変わってきます。種類株式であれば、優先配当、残余財産分配、取得請求権、拒否権、情報提供義務といった条件が付くことがあります。新株予約権であれば、将来の株式化による希薄化や支配関係の変動を見込んでおく必要があります。
資本戦略は、会社の成長期や再生時にその将来を左右する重要な戦略です。増資、種類株式、新株予約権などは、資金調達や株主構成の設計に有効に活用できる一方で、設計を誤れば将来の経営自由度に影響します。
外部出資を受けるかどうかは、資金不足を埋めるためだけで判断すべきではありません。その資本が、買収後の成長、ガバナンス、追加投資、将来の出口にどのような意味を持つのかまで含めて判断する必要があります。
資本コストは、金利だけでは測れない
買収後の資本構成を考えるとき、金利は確かに重要です。しかし、金利だけを見て資本構成を判断すると、誤った結論に行き着きやすくなります。
借入には、利息という明示的なコストがあります。外部出資には、配当、株式価値の上昇、出口時のリターン、経営権の一部共有といった形のコストがあります。自己資金にも、他の投資機会に使えなくなるという機会費用があります。
つまり、自己資金は無料ではなく、借入は金利だけのコストではなく、出資も返済不要だから低コスト、というわけではありません。
買収後の会社が見るべきなのは、調達した資本に対して、事業が十分なキャッシュ・フローと投資収益を生み出せるかどうかです。ROICは事業のパフォーマンスに焦点を当てる指標であり、資本構成の影響を含むROEとは意味が異なります。M&A後の資本構成を評価するときは、レバレッジでROEを高める発想だけでなく、事業自体が資本を有効に使えているかを確認する視点が欠かせません。
M&Aでは、買収価格が妥当であっても、資本構成が重すぎれば失敗します。反対に、保守的すぎる資本構成にして自己資金を過度に使えば、成長投資の余力を失います。
資本コストとは、単に計算式で求める数値ではありません。経営者が「この資金を使って、どれだけのリスクを取り、どれだけの将来キャッシュ・フローを生むのか」を説明するための考え方なのです。
買収後の資本構成で見るべき5つの判断軸
買収後の資本構成を検討するときは、自己資本比率や借入倍率だけで判断しないことが大切です。実務では、少なくとも次の5つの軸で確認していきます。
1. 返済原資はどこから出るか
借入で買収する場合、最も重要なのは返済原資です。
ここでいう返済原資は、会計上の利益ではありません。税金、運転資金の増減、設備投資、既存借入の返済、配当の可能性を考慮した後に、実際に返済へ回せるキャッシュ・フローを指します。
対象会社の利益が出ていても、売掛金の回収が遅い、在庫が増える、設備更新が必要、既存借入の返済が重いといった事情があれば、買収借入の返済余力は限られてきます。
資本構成は、返済原資を抜きにして決めることはできません。借入額を先に決めるのではなく、返済に回せるキャッシュ・フローから逆算して、どこまで借入に耐えられるかを確認する必要があります。
2. 手元資金は十分に残るか
買収後に資金繰りが崩れる典型的な原因は、買収代金の支払時点で資金を使いすぎることです。
自己資金を投入しすぎると、買収後に運転資金を吸収できません。借入を抑えたつもりでも、手元資金が不足すれば、結局は追加借入や短期資金に頼ることになります。
手元資金は、単なる余裕資金ではありません。買収後の不確実性、季節変動、取引条件の変化、設備修繕、採用費、統合作業、金融機関からの追加資料対応などに備えるための、経営上の安全資金です。
資本構成を検討するときは、借入を減らすことだけでなく、手元流動性をどれだけ維持するかを同時に考える必要があります。
3. 追加投資の余力は残るか
買収後の会社には、想定以上に資金が必要になることがあります。
対象会社の設備が古い、管理体制が弱い、ITシステムが不足している、人材採用が必要、在庫や営業拠点を増やす必要がある——。こうした投資の必要性は、買収後に初めて明確になることも少なくありません。
資本構成が重すぎると、買収後のキャッシュ・フローが返済に吸収され、必要な投資ができなくなります。すると、買収時に期待したシナジーや成長が実現せず、結果として返済原資も弱くなってしまいます。
M&Aファイナンスでは、「買収代金を払えるか」だけでなく、「買収後に必要な投資を実行できるか」までを見なければなりません。
4. 経営権と株主構成に無理がないか
外部出資を活用する場合、資金調達と経営権は切り離せません。
出資を受ければ、議決権、拒否権、情報提供義務、役員選任、配当方針、将来の売却方針などが論点になります。資金調達の時点では合理的に見える条件でも、買収後の経営判断のたびに制約として意識されることがあります。
とりわけ、買収後に追加投資や追加M&Aを予定している場合、株主構成は将来の資金調達余力にも影響します。既存株主、外部株主、金融機関、対象会社経営陣の利害が複雑になるほど、意思決定のスピードや自由度は変わってきます。
資本構成は、財務の安全性だけでなく、経営判断のしやすさという観点からも確認しておく必要があります。
5. 金融機関に説明できるか
買収後の資本構成は、金融機関に説明できるものでなければなりません。
金融機関は、単に担保があるかどうかだけでなく、債務者の事業内容、業績見通し、案件事情、資金使途、返済原資、保全面、他行状況、資金調達余力までを見ています。
そのため、買収資金の調達では、次のような説明が求められます。
- なぜこの買収を行うのか
- 買収代金は何に基づいているのか
- 必要資金の内訳は何か
- 自己資金と借入のバランスはなぜ妥当なのか
- 対象会社のキャッシュ・フローは返済にどこまで使えるのか
- 買収後の既存事業にどのような影響があるのか
- 下振れした場合にどう対応するのか
- 追加投資や運転資金をどう確保するのか
金融機関に説明できない資本構成は、経営者自身も十分に整理できていない可能性があります。資本構成の検討は、金融機関を納得させるためだけでなく、自社の買収判断そのものを検証するためにも重要なのです。
自己資本比率だけで判断しない
買収後の資本構成を考えるとき、自己資本比率は重要な指標です。純資産が薄くなれば、損失が出たときの耐久力は下がります。金融機関から見ても、自己資本の厚みは財務の安全性を判断する材料になります。
ただし、自己資本比率だけで判断するのは危険です。
自己資本比率が一定の水準に見えても、手元資金が不足していれば資金繰りは苦しくなります。逆に、自己資本比率が低くても、安定したキャッシュ・フローと十分な返済余力があれば、金融機関に説明できる場合もあります。反対に、純資産が厚くても、利益が出ておらずキャッシュ・フローが弱ければ、返済原資としては不十分です。
M&A後の資本構成では、自己資本比率、有利子負債、手元資金、返済年数、営業キャッシュ・フロー、設備投資、運転資金、追加借入余力を組み合わせて見ていく必要があります。
指標は、それ単独で答えを出してくれるものではありません。経営判断のために、複数の角度から無理を見つけ出すための道具なのです。
買収後の資本構成で避けたい典型的な誤り
買収後の資本構成を考えるうえで、特に避けたい誤りがあります。
ひとつは、借入を減らすことだけを優先して、自己資金を使いすぎることです。返済負担は軽くなりますが、買収後の資金繰りや追加投資の余力が失われます。
もうひとつは、自己資金を温存することだけを優先して、借入を過大にすることです。短期的には買収を実行しやすくなりますが、返済負担が重くなり、対象会社の少しの下振れで資金繰りが崩れやすくなります。
さらに、外部出資を「返済不要の便利な資金」とだけ捉えることも危険です。出資は返済義務を軽減する一方で、経営権、株主間契約、将来の出口、追加調達時の条件に影響します。
そして、最も大きな誤りは、買収後の資本構成をクロージング時点だけで考えてしまうことです。
M&Aファイナンスでは、クロージング直後、買収後1年目、返済が進んだ段階、追加投資が必要になる段階、リファイナンスを検討する段階で、望ましい資本構成は変わっていきます。買収ファイナンスの実行後には、リファイナンス、コーポレートファイナンス化、リキャピタリゼーションといった展開もあり得ます。
ですから、資本構成は一度決めて終わりではありません。買収後の実績、資金繰り、金融機関との関係、追加投資の必要性を踏まえて、継続的に見直していくべきものなのです。
分配可能額や自己株式取得も、資本構成に影響する
資本構成を検討するときは、将来の配当、自己株式取得、外部株主の出口も無視できません。
会社法上、剰余金の配当や一定の自己株式取得などによって株主に交付する金銭等の帳簿価額の総額は、効力発生日における分配可能額を超えてはならないとされています。
出典:Japanese Law Translation|会社法
これは、M&A後の資本構成にも関わってきます。
たとえば、外部株主が将来の自己株式取得による退出を想定している場合、会社に十分な分配可能額がなければ、設計どおりに実行できない可能性があります。優先株式の配当や取得条件を設計する際にも、会社法上・会計上・税務上の制約を確認しておく必要があります。
つまり、資本構成は「調達時」だけでなく、「回収時」「退出時」「再編時」にも影響します。M&A後の資本構成を考える際には、将来の出口まで含めた設計が欠かせません。
実務では「最適資本構成」より「耐えられる資本構成」を考える
上場企業のコーポレートファイナンスでは、資本コストを踏まえた最適資本構成という考え方が用いられます。もちろん、この考え方は重要です。
ただ、中小企業や非上場会社のM&Aでは、理論上の最適資本構成をそのまま当てはめるよりも、実務上の「耐えられる資本構成」を考えるほうが有効だと感じています。
耐えられる資本構成とは、次のような条件を満たす状態です。
- 通常シナリオで返済に無理がない
- 下振れシナリオでも資金ショートしにくい
- 買収後の運転資金を確保できる
- 必要な追加投資を実行できる
- 金融機関に返済原資を説明できる
- 株主構成や契約条件が経営判断を過度に縛らない
- 将来のリファイナンスや追加調達の選択肢を残せる
M&Aは、一定のリスクを取らなければ実行できません。過度に保守的であれば、成長の機会を逃します。一方で、資本構成に無理があれば、買収後は返済と資金繰りに追われ、本来の成長戦略に集中できなくなります。
大切なのは、リスクを避けることではありません。どのリスクを取り、どのリスクは取らないのかを、数字で説明できる状態にしておくことです。
買収後の資本構成は、買収判断そのものを映す
買収後の資本構成を丁寧に検討していくと、その買収の前提が見えてきます。
買収価格が高すぎれば、借入が重くなります。返済原資が弱ければ、自己資金を厚くする必要があります。自己資金を使いすぎれば、買収後の投資余力がなくなります。外部出資に頼れば、経営権や将来の出口に制約が生じます。
つまり資本構成は、買収価格、返済計画、資金繰り、株主構成、金融機関への説明、それぞれのあいだに潜む矛盾を映し出すのです。
資本構成を見ても無理のない買収は、金融機関にも、株主にも、社内にも説明しやすくなります。反対に、資本構成を整理してみると無理が見える買収は、価格、条件、調達方法、実行時期を見直すべきサインかもしれません。
M&Aファイナンスにおける資本構成の検討は、単なる財務テクニックではありません。買収を進めるべきか、条件を変えるべきか、いったん立ち止まるべきかを判断するための、中核的な作業なのです。
専門家に相談すべきタイミング
買収後の資本構成は、買収価格が固まった後に考えるものではありません。
むしろ、買収価格を提示する前、金融機関に相談する前、自己資金の投入額を決める前、外部出資を受ける前に整理しておくべきものです。
特に、次のような場合には、早めに専門家を交えて検討されることをおすすめします。
- 自己資金と借入のバランスに迷っている
- 買収後の返済原資を説明できるか不安がある
- 対象会社の既存借入や保証の扱いが整理できていない
- 買収後に追加投資が必要になりそうである
- 外部株主やPEファンドの活用を検討している
- 金融機関向けの説明資料を作る必要がある
- 買収価格は魅力的に見えるが、買収後の資金繰りに不安がある
犬飼公認会計士・税理士事務所では、買収価格、必要資金、返済原資、自己資金、借入、外部資本、買収後の資金繰りを一体で整理し、M&Aを進める前提に無理がないかを検討する支援を行っています。買収後の資本構成について具体的に整理したい場合は、HPのお問い合わせページよりご相談ください。
重要事項の振り返り
| 論点 | 確認すべきこと | 判断上の意味 |
|---|---|---|
| 資本構成の意味 | 自己資本、有利子負債、手元資金、株主構成を一体で見る | 買収後の財務耐久力と経営自由度を判断する |
| 自己資金 | どこまで投入し、どれだけ残すか | 借入抑制と手元流動性のバランスを取る |
| 借入 | 返済原資、返済期間、下振れ耐性を確認する | 調達可能性ではなく返済可能性を検証する |
| 外部出資 | 希薄化、議決権、契約条件、出口を確認する | 返済不要資金の代わりに生じる経営上の制約を把握する |
| 資本コスト | 金利だけでなく、自己資金や出資のコストも考える | 買収後の事業が資本に見合うリターンを生むか確認する |
| 投資余力 | 運転資金、設備投資、人材投資、予備資金を残す | 買収後に成長施策を実行できるか判断する |
| 金融機関説明 | 買収目的、資金使途、返済原資、下振れ対応を整理する | 第三者に説明できる資本構成か確認する |
| 将来の見直し | リファイナンス、追加調達、株主構成の変更を想定する | クロージング後も資本構成を継続管理する |