設備投資を行う前に確認すべき財務判断|投資回収・資金繰り・返済可能性をどう見るか

設備投資は、会社を前へ進めていくうえで欠かせない判断です。

生産能力を高めたい、老朽化した設備を入れ替えたい、人手不足に対応したい、品質を安定させたい、新しい拠点や店舗をつくりたい、あるいはシステムや機械を導入して業務を効率化したい。きっかけはさまざまですが、いずれも会社の将来に向けた前向きな投資だといえます。

ただ、設備投資は一度実行してしまうと、簡単には元へ戻せません。購入代金や工事代金はもちろんですが、その後には借入返済、減価償却費、保守費、固定費、追加人員、運転資金、税金、そして資金繰りへの影響が続いていきます。こうした負担は、実行したあとの経営に長く残るものです。

ですから、設備投資でまず考えるべきなのは、「買えるか」「借りられるか」ではありません。本当に確認したいのは、次のような点です。

  • その投資は、会社のどの課題を解決するためのものか
  • 投資額は、見積金額だけでなく関連費用まで含めて把握できているか
  • 投資によって、売上増加またはコスト削減がどの程度見込めるか
  • 投資額を、何年で回収できるか
  • 借入をした場合、返済の原資はどこから生まれるか
  • 投資後も、手元資金と財務の安全性を保てるか
  • 金融機関に対して、資金の使途と返済の見通しを説明できるか

設備投資は、単なる支出ではありません。会社の将来のキャッシュフローを先取りする、重い意思決定だと考えています。

目次

設備投資は「目的」ごとに財務判断が変わる

ひと口に設備投資といっても、その目的によって、見るべき数字は変わってきます。

実務では、設備投資を大きく増産投資、更新投資、合理化投資といった目的別に整理して考えます。増産投資は生産・販売の能力を増やすための投資、更新投資は老朽化した設備を入れ替えるための投資、合理化投資は効率化やコスト削減を目的とした投資です。いずれも金額が大きく、回収までに長い時間を要するため、原則として長期の資金を充てるべき資金需要として位置づけられます。

この区分は、単なる用語の整理ではありません。金融機関への説明の仕方や、返済原資の考え方にも、そのまま直結してくるものです。

増産投資・出店投資

増産投資や出店投資では、「売上が増えるかどうか」が中心の論点になります。

とはいえ、「売上が増えます」という説明だけでは足りません。実際には、売上の増加に伴って、仕入や人件費、外注費、在庫、売掛金もあわせて増えていくことがあります。売上が増えても、入金よりも先に支払いが膨らめば、資金繰りはかえって苦しくなってしまいます。

ですから増産投資では、追加の売上だけでなく、追加で得られる粗利、追加で発生する固定費、増える運転資金、そして売掛金の回収時期まで、ひととおり確認しておく必要があります。

更新投資

更新投資の場合、「新しい設備でどれだけ売上が増えるか」が、必ずしもはっきりしないこともあります。

それでも、古い設備を使い続けることで、故障リスクや修繕費、品質不良、納期遅延、事故のリスク、生産性の低下といった問題が生じている場合があります。こうしたケースでは、投資によって直接売上が増えるというより、「これ以上の損失や機会損失を防ぐ」ことそのものが投資の目的になります。

更新投資では、投資をしなかった場合に抱えるリスクまで含めて判断することが大切です。

合理化・省力化投資

合理化投資や省力化投資では、「コスト削減の効果」が中心になります。

ただし、人件費が減る、作業時間が短くなる、外注費が減るといった効果も、実際に損益や資金繰りに反映されてはじめて意味を持ちます。作業時間は減ったものの人員配置は変わらなかった、外注費は減ったが保守費が増えた、システム費用がそのまま固定費になった、というケースは少なくありません。

そのため、削減できる費用と、新たに発生する費用とを、同じ前提のもとで比べてみることが欠かせません。

投資額は「見積書の金額」だけで判断しない

設備投資がうまくいかない原因は、投資効果の見誤りだけではありません。必要な資金を少なく見積もってしまうことからも、つまずきは起こります。

設備本体の見積金額だけを見て判断してしまうと、あとから関連費用が次々と積み上がり、当初の想定よりも資金繰りが重くなることがあります。

設備投資にあたって確認しておきたい金額は、少なくとも次のようなものです。

  • 設備本体の取得価額
  • 設置工事費、据付費、運搬費
  • 建物・内装・電気・給排水などの付帯工事
  • 既存設備の撤去費、処分費
  • ソフトウェアやシステムの設定費
  • 導入時の教育・研修費
  • 稼働開始までの試運転費用
  • 導入期間中の売上減少や操業停止の影響
  • 保守費、修繕費、保険料
  • 人員の増加や配置変更に伴う費用
  • 在庫や売掛金の増加による追加運転資金
  • 税金や償却資産申告など、投資後の管理コスト

なかでも気をつけたいのが、設備投資に伴って増える運転資金です。

設備を入れたあと、売上が増える見込みであっても、在庫や売掛金が増えれば、それが現金になるまでには時間がかかります。増産投資や出店投資では、「設備資金」と「増加運転資金」を分けて考えておくことが重要です。

設備そのものは長期の借入でまかなえても、増える運転資金を見落としてしまうと、稼働を始めたあとに資金不足が起きてしまいます。

投資回収は「利益」ではなく「キャッシュ」で見る

設備投資を判断するとき、「この設備を入れれば利益が出るか」という見方は、もちろん大切です。

しかし、借入を返済するのは利益ではなく、現金です。

会計上の利益と、実際の資金繰りは一致しません。利益計画だけでは、売掛金の回収時期、在庫の増減、借入の返済、設備投資の支出までは十分に見えてこないため、あわせて資金計画も必要になります。

設備投資の回収可能性を見るときは、少なくとも次のように考えます。

投資回収期間 = 投資額 ÷ 年間の増加キャッシュフロー

ここでいう「年間の増加キャッシュフロー」は、単純な売上の増加額ではありません。基本的には、設備投資によって増える営業利益に、減価償却費のような現金支出を伴わない費用を足し戻し、必要に応じて運転資金の増加や追加の支出を差し引いて考えます。

金融機関との借入交渉の場面でも、その設備投資が会社の身の丈に合っているか、設備投資単独で見た収支の見込み、資金の使途、回収期間が、いずれも慎重に確認されます。回収期間については、投資額を年間のキャッシュフローで割って把握する考え方が基本になります。

ここで気をつけたいのは、投資回収期間が短ければ必ずよい、長ければ必ず悪い、という単純な話ではないということです。

業種や設備の性質、競争環境、更新の必要性、将来の収益構造によって、判断は変わってきます。とはいえ、投資回収期間を確認しないまま設備投資を進めてしまうのは、資金繰りの面で大きな危険を伴います。

減価償却費は「税金計算」だけでなく、利益計画にも影響する

設備投資を行うと、会計上はいったん固定資産として計上され、その後、減価償却費というかたちで少しずつ費用化されていきます。

設備投資のときには、キャッシュフロー上、投資キャッシュフローとして支出が発生します。一方、減価償却費は損益計算書上の費用ではあるものの、現金の支出そのものは設備を取得した時点で済んでいます。そのため、キャッシュフローを考える際には、利益に足し戻して見ることがあります。つまり設備投資は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフローのそれぞれに、異なるかたちで影響していくのです。

ここで注意したいのは、減価償却費はあくまで税務上の費用配分であり、借入の返済額とは一致しない、という点です。

たとえば、減価償却費は毎年一定程度計上されても、借入の返済はそれより大きいことがあります。逆に、据置期間中は返済が少なくても、据置が終わったとたん、返済の負担が急に重くなることもあります。

設備投資を判断するときは、損益計画だけでは足りません。

「減価償却費を計上しても利益が出るか」 「借入を返済したあとも資金が残るか」 「投資後の手元資金はどの程度残るか」

この3つは、それぞれ分けて確認しておく必要があります。

借入期間は、設備の回収期間と合っているか

設備投資を借入で行う場合、借入期間をどう設計するかが、非常に重要になります。

設備資金は、一般に長く使う設備に対する投資です。そのため、短期の資金でまかなおうとすると、設備が収益を生み始める前に返済が先行してしまい、資金繰りを圧迫することがあります。

中小企業が成長し発展していくためには、適時的確な設備投資と、継続的な財務体質の強化が欠かせません。そして、それを支えるには、長期資金を安定的に調達できることが不可欠だと考えています。日本政策金融公庫の中小企業事業も、長期資金を専門に取り扱い、民間金融を補完する役割を担っています。

出典:日本政策金融公庫|融資業務

借入期間を決めるときは、次のような関係を確認します。

  • 設備が収益を生む期間
  • 投資回収期間
  • 法定耐用年数
  • 実際の使用可能期間
  • 借入の返済期間
  • 据置期間
  • 毎月または毎年の返済額
  • 既存の借入の返済額
  • 投資後の営業キャッシュフロー

法定耐用年数は大切な参考情報ですが、実際の使用可能期間や、経済的な陳腐化のスピードと一致するとは限りません。税務上の耐用年数や減価償却の取扱いは、資産の種類や取得の状況によって異なるため、具体的な設備ごとに、最新の税務情報を確認しておくことが必要です。減価償却費や耐用年数に関する情報は、国税庁からも公表されています。

出典:国税庁|「減価償却費」の計算について

実務では、「税務上の耐用年数の範囲内だから大丈夫」と考えるのではなく、その設備が実際にどれだけ稼働し、どれだけのキャッシュを生むのかを、ていねいに確認することが大切です。

自己資金を使うべきか、借入を使うべきか

設備投資では、「自己資金で買うべきか」「借入を使うべきか」という判断も避けて通れません。

自己資金を使えば、借入返済の負担は増えません。けれども、手元の資金が大きく減れば、運転資金や急な支払いに対する備えは薄くなってしまいます。

一方、借入を使えば、手元資金を残したまま投資ができます。その代わり、将来の返済義務が生じ、財務体質や借入余力にも影響します。

ですから判断の軸は、「借りたくないから自己資金」「自己資金を減らしたくないから全額借入」といった単純なものではありません。

確認したいのは、次のような点です。

  • 投資後に必要な手元資金を確保できるか
  • 既存の借入を含めた返済額に、無理はないか
  • 設備投資後も、通常の運転資金を確保できるか
  • 投資が計画どおりに進まなかった場合に、耐えられるか
  • 金融機関から見た財務の安全性が、大きく悪化しないか
  • 次の投資や追加の資金調達に向けた余地を、残せるか

資金調達で大切なのは、「自己資金か、借入か」を二者択一で考えることではありません。自己資金と借入をどう組み合わせ、投資をしたあとの安全余力をどれだけ残せるか。そこに目を向けることだと考えています。

設備投資は、貸借対照表を重くする

設備投資を行うと、貸借対照表では固定資産が増えます。借入で調達すれば、同時に負債も増えていきます。

その結果、自己資本比率、借入依存度、固定長期適合率、債務償還能力といった指標にも影響します。

貸借対照表を見るときは、固定資産や流動資産、負債と資本の関係を読み解くことが重要で、なかでも固定資産は、ビジネスの基盤として位置づけられます。長期的な安全性を見るための指標としては、固定比率、固定長期適合率、有利子負債比率、自己資本比率などが挙げられます。

設備投資のあとで注意したいのは、次のような状態です。

  • 固定資産は増えたが、利益やキャッシュは増えていない
  • 借入金は増えたが、返済の原資が不明確である
  • 手元資金が減り、運転資金の余裕がなくなっている
  • 設備投資によって、自己資本比率が大きく低下している
  • 返済期間が短く、月次の資金繰りを圧迫している
  • 投資後の効果検証ができていない

設備投資は、会社の成長力を高めてくれる一方で、財務の固定化を進める側面も持っています。

固定資産は、現預金のように、すぐ支払いに回せる資産ではありません。売却して資金化しようとしても、想定どおりの価格で売れるとは限らないのです。

そのため、設備投資をしたあとの会社は、投資前に比べて「資金繰りの柔軟性」が下がってしまうことがあります。

金融機関には「設備投資後の姿」まで説明する

設備投資の資金を金融機関から借りる場合、見積書やカタログを提出するだけでは十分ではありません。

金融機関が知りたいのは、その設備を買うこと自体ではありません。その設備によって会社がどう変わり、どのキャッシュフローから返済していくのか、という点です。

銀行融資の審査では、債務者の評価、融資案件の事情、資金の使途、融資の形態、返済の原資、保全面、他行の状況、資金調達の余力などが確認されます。設備投資についても、「何に使うのか」と「どう返すのか」が、やはり中心の論点になります。

設備投資を説明するときは、少なくとも次のような資料や論点を整理しておきたいところです。

  • 設備投資の目的
  • 見積書、契約書、仕様書
  • 投資前後の生産能力や業務効率
  • 投資前後の損益計画
  • 投資前後の資金繰り表
  • 借入希望額と自己資金の内訳
  • 借入期間と返済方法
  • 投資効果が現れる時期
  • 投資が遅れた場合、売上が未達となった場合の対応
  • 既存の借入を含めた返済予定

金融機関への対応で大切なのは、楽観的な売上計画を見せることではありません。むしろ、投資の効果が出るまでにかかる時間、想定どおりに進まなかった場合の余力、既存事業への影響まで含めて説明できることが重要だと考えています。

税制優遇や補助金は、投資判断の「理由」ではなく「補助材料」

設備投資を検討するとき、中小企業投資促進税制や中小企業経営強化税制、各種の補助金・助成金が関係してくることがあります。

現行の制度として、中小企業投資促進税制では、対象となる設備を取得・製作等した場合に、一定の特別償却または税額控除を選択して適用できるしくみが設けられています。適用期限や対象者、対象設備、税額控除を受けられる法人などは制度ごとに定められているため、最新の情報を確認しておく必要があります。

出典:中小企業庁|中小企業投資促進税制

また、中小企業経営強化税制では、認定を受けた経営力向上計画にもとづいて対象設備を取得・製作等した場合に、即時償却または税額控除を選択して適用できます。ただし、その類型や対象設備、申請の時期、証明書・確認書を取得するタイミングには注意が必要です。

出典:中小企業庁|中小企業経営強化税制

もっとも、税制優遇や補助金は、設備投資そのものの採算性を保証してくれるものではありません。

税額控除があるから投資する。 補助金が出そうだから設備を買う。 即時償却できるから、借入をしても大丈夫だろう。

このような順序で判断してしまうと、投資後の資金繰りが苦しくなることがあります。

補助金は原則として後払いであり、採択、交付決定、実績報告、確定検査、入金まで、相応の時間がかかります。さらに補助金の制度には、後払いであること、事前着手の禁止、二重受給の禁止、記録に残る取引、目的外使用の禁止、財産処分の制限、不正受給のリスクなど、実行を管理するうえでのルールもあります。

税制優遇や補助金は、あくまで投資判断を補う材料です。判断の中心に据えるべきなのは、投資の目的、投資回収、資金繰り、そして返済可能性だと考えています。

設備投資前に確認すべき5つの財務判断

設備投資を行う前には、少なくとも次の5つを確認してください。

1. 投資目的は明確か

まず、その設備投資が何を解決するためのものなのかを確認します。

売上を増やすためなのか。原価を下げるためなのか。人手不足に対応するためなのか。品質を安定させるためなのか。老朽化のリスクを避けるためなのか。既存事業を維持するためなのか。それとも、新しい収益機会をつくるためなのか。

目的があいまいなままの設備投資は、投資効果の検証もあいまいになってしまいます。

2. 投資額は総額で把握できているか

見積書の金額だけでなく、付帯費用、運転資金、導入後のコストまで含めて確認します。

投資額が過小に見積もられていると、融資の実行後に追加の資金が必要になり、資金繰りが後手に回ってしまいます。

3. 投資回収の見通しはあるか

設備投資によって増える利益や、削減できる費用を、できるだけ分解して確認します。

売上の増加を見込む場合は、販売数量、単価、粗利率、稼働率、販売先、回収条件まで確認します。コスト削減を見込む場合は、削減できる費用と、新たに発生する費用とを比べます。

投資回収を説明できない投資は、金融機関にも、社内にも、そして後継者にも、説明しにくくなってしまいます。

4. 資金繰りは投資後も回るか

投資の判断には、損益計画だけでなく、資金繰り表が欠かせません。

月次決算を毎月行うことで、経営者は判断材料となる数字をつかみ、月次予算と照らし合わせながら、次に打つべき手立てを検討できます。融資の申込時には、過去の決算書だけでなく、直近の月次決算書を求められることもあり、精度の高い月次決算書は、金融機関への対応にも影響します。

設備投資のあとは、次のような資金の動きを資金繰り表に反映します。

  • 設備代金の支払時期
  • 自己資金の投入時期
  • 借入の実行時期
  • 据置期間
  • 元金返済の開始時期
  • 利息の支払
  • 補助金の入金予定
  • 売上の入金時期
  • 追加の運転資金
  • 税金の支払

利益が出る計画であっても、入金より支払いが先行すれば、資金繰りは苦しくなります。

5. 財務安全性を損なわないか

最後に、設備投資をしたあとの貸借対照表を確認します。

借入金が増え、固定資産が増え、手元資金が減れば、会社の財務の安全性は変わります。

とくに確認しておきたいのは、投資が計画どおりに進まなかった場合です。

売上が遅れる。稼働率が上がらない。採用が間に合わない。原材料費が上がる。補助金の入金が遅れる。追加の工事が発生する。返済の開始だけが先に来る。

こうした場合でも、資金繰りが耐えられるのかどうかを、あらかじめ確認しておく必要があります。

「投資しないリスク」も数字にする

設備投資では、投資をするリスクだけでなく、投資をしないリスクもあります。

設備の老朽化を放置すれば、故障、品質の低下、納期の遅延、事故、修繕費の増加、従業員の負担増につながることがあります。競合他社が効率化を進めているなかで、自社だけが古い設備のままでは、粗利率や生産性が下がってしまうこともあります。

ただし、投資しないリスクがあるからといって、投資額や返済可能性の検討を省いてよいわけではありません。

投資しないリスクも、できる限り数字に落とし込みます。

  • 修繕費はどの程度増えているか
  • 故障による停止時間はどの程度か
  • 不良率やロス率はどの程度か
  • 作業時間はどの程度増えているか
  • 外注費や残業代はどの程度発生しているか
  • 納期の遅延や機会損失はどの程度か
  • 安全面・品質面で、将来問題になり得るか

投資する場合と、投資しない場合の両方を比べてみて、はじめて設備投資の判断ができるようになります。

設備投資は実行後の検証まで含めて判断する

設備投資は、実行した時点で終わりではありません。

投資のあとには、計画どおりに稼働しているか、売上やコストに効果が出ているか、資金繰りに問題は生じていないかを、きちんと確認していく必要があります。

投資を判断する段階で、あらかじめ検証する項目を決めておくことが大切です。

  • 稼働率
  • 生産数量
  • 作業時間
  • 不良率
  • 粗利率
  • 人件費の削減効果
  • 外注費の削減効果
  • 売上の増加額
  • 追加の運転資金
  • 借入の返済額
  • 投資回収の状況

月次決算をベースに、数字を読める、使える、話せる、見通せる状態になっていくと、金融機関からの評価や、会社の信用力の向上にもつながっていきます。

設備投資の判断は、投資前の意思決定だけでなく、投資後の月次管理まで含めて考えるべきものだと考えています。

設備投資を進める前に、専門家と整理したい論点

設備投資は、経営者の直感や現場の感覚が、とても大切になる領域です。

現場の不便さ、顧客からの要望、従業員の負担、競合との差、将来への危機感は、数字だけでは見えてこないこともあります。

ただ、その直感を実行に移すには、数字でしっかりと補強しておく必要があります。

設備投資を検討しているなら、専門家とともに整理しておきたい論点は、次のようなものです。

  • 投資の目的は、売上増加・コスト削減・更新・リスク回避のどれにあたるか
  • 投資額は、付帯費用や運転資金まで含めて把握できているか
  • 投資効果を、損益計画と資金繰り表に反映できているか
  • 借入期間と返済額は、投資回収期間と合っているか
  • 自己資金と借入のバランスは適切か
  • 設備投資後の貸借対照表は安全か
  • 補助金や税制優遇に依存しすぎていないか
  • 金融機関に、資金の使途と返済の原資を説明できるか
  • 投資後の効果検証を、月次で行えるか

設備投資は、会社を成長させるための重要な手段です。その一方で、資金繰りや財務の安全性を見誤ると、成長のための投資が、かえって会社の負担になってしまいます。

大切なのは、投資を止めることではありません。投資を、数字で説明できる経営判断へと変えていくことです。

設備投資の財務判断に不安がある場合はご相談ください

設備投資を行うべきか。借入をどの程度利用すべきか。返済期間はどのくらいが妥当か。補助金や税制優遇をどう組み合わせるべきか。金融機関にどう説明すべきか。投資後の資金繰りに無理はないか。

こうした判断は、設備の必要性だけでは決められません。月次決算、資金繰り表、事業計画、投資計画、借入の返済予定、税務上の取扱いを、ひとつにつなげて確認していく必要があります。

犬飼公認会計士・税理士事務所では、設備投資を単なる購入の判断や融資の申込としてではなく、会社の成長投資と財務の安全性を両立させるための経営判断として整理する支援を行っています。

設備投資を検討しているものの、資金繰りや借入、投資回収、金融機関への説明に不安があるという場合は、現在の数字と計画をもとに、一度整理してみることをおすすめします。

ご相談は、犬飼公認会計士・税理士事務所HPのお問い合わせページよりご連絡ください。

まとめ

確認項目設備投資前に見るべきポイント
投資目的増産・更新・合理化・省力化・リスク回避のどれに該当するか
投資額本体価格だけでなく、付帯工事・導入費・運転資金・保守費まで含める
投資回収追加利益と減価償却費、運転資金の増加を踏まえて回収可能性を見る
資金繰り設備代金・借入実行・返済開始・補助金入金・売上回収の時期を反映する
借入期間設備の使用期間・投資回収期間・返済原資と整合しているか確認する
自己資金手元資金を減らしすぎず、借入依存も高めすぎないバランスを考える
財務安全性固定資産・借入金・自己資本比率・返済負担への影響を確認する
金融機関説明資金使途・投資効果・返済原資・投資後の資金繰りを説明できる状態にする
税制・補助金投資判断の補助材料として活用し、制度ありきで投資を決めない
投資後管理稼働率・売上・コスト削減・資金繰り・返済状況を月次で検証する
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次