IPO以外の選択肢|M&A・PE・資金調達との比較で上場の意味を考える

IPOを検討し始めた会社では、いつの間にか「上場するかどうか」が議論の中心になりがちです。

ですが、本来まず問うべきなのは、IPOをするかどうかではないと考えています。

自社は、何を実現するために、資本政策上の大きな意思決定をしようとしているのか。

成長資金を調達したいのか。創業者やVCなど既存株主の出口をつくりたいのか。社会的な信用を高めたいのか。人材採用やストック・オプションの効果を高めたいのか。大企業との事業連携を進めたいのか。経営権を維持したまま成長支援を受けたいのか。あるいは、上場会社として資本市場と継続的に向き合っていきたいのか。

目的が違えば、選ぶべき手段も変わってきます。

IPOは有力な選択肢ですが、唯一の選択肢ではありません。M&A、PEファンドの活用、VC・CVCからの資金調達、借入、資本業務提携、非上場の継続。会社の成長と株主の出口には、複数のルートがあります。

むしろIPOの意味は、こうした選択肢と並べて比較したときに、初めてはっきりと見えてきます。

本稿では、IPO以外の選択肢を、資金調達、創業者・株主の流動化、経営権、成長支援、そして上場後に負う責任という観点から整理していきます。個別スキームの詳細や税務計算には踏み込みません。上場を目的にしてしまうのではなく、自社にとって合理的な成長戦略・資本政策の方向性を考えるための判断軸を、ご一緒に確認していければと思います。

目次

IPOは「会社を売る」手段ではなく、資本市場に会社を開く選択である

IPOとは、未上場会社の株式を不特定多数の一般投資家に開放し、証券取引所が開設する株式市場で自由に売買できるようにすることです。これにより会社は、プライベートカンパニーから、広く一般投資家に資本参加を求めるパブリックカンパニーへと移行します。

東京証券取引所では、東証に初めて上場することを新規上場と位置づけ、他の取引所に上場していない会社が東証に上場することを「IPO(新規株式公開)」あるいは「直接上場」と説明しています。なお、東証にはプライム市場、スタンダード市場、グロース市場、TOKYO PRO Marketという4つの市場があります。

出典:日本取引所グループ|市場構成(新規上場基本情報)

この定義からも分かるとおり、IPOは「会社を売却すること」そのものではありません。

IPOには、会社が新株を発行して資金を調達する公募もあれば、創業者やVCなど既存株主が保有株式を売却する売出しもあります。公募であれば会社に資金が入り、売出しであれば売却した株主に資金が入ります。ですから、IPOを資金調達の手段として考えるときには、会社への資金流入と、既存株主の換金とを分けて整理しておく必要があります。

IPOの本質は、単に上場審査を通過することではありません。自社株式を資本市場の投資家に評価してもらうこと、言い換えれば、投資家に対して「自社株式は魅力ある投資対象である」と説明できるようになることです。内部管理体制や審査対応は必要条件ではありますが、それだけで投資家から選ばれる会社になれるわけではありません。

つまりIPOとは、会社を資本市場に開き、成長ストーリー、数字、リスク、ガバナンス、資本政策を継続的に説明し続けていく、という選択です。

ここを取り違えてしまうと、M&AやPEファンドの活用と比較する以前に、IPOそのものの意味を見誤ってしまいます。

IPO以外の選択肢を考える前に整理すべき5つの目的

IPOと他の選択肢を比較するときは、まず目的を分解しておくことが欠かせません。

実務の場では、「IPOしたい」という一言のなかに、実は異なる目的が混在していることが少なくないからです。

一つ目は、会社の成長資金を調達するという目的です。設備投資、人材採用、研究開発、広告宣伝、M&A、海外展開、システム投資など、事業を拡大していくために必要な資金を得たい、という動機です。

二つ目は、既存株主の流動化です。創業者、VC、エンジェル投資家、役職員株主などが、保有株式の一部を換金する機会を求めている場合がこれにあたります。

三つ目は、信用力の向上です。金融機関、取引先、採用候補者、従業員、事業提携先に対して、会社の透明性や継続性を示したい、という目的です。

四つ目は、組織変革です。属人的な経営から脱却し、月次決算、予実管理、内部統制、取締役会、監査機能、開示体制を整えていきたい、という方向性です。

五つ目は、企業価値の最大化です。市場評価、投資家との対話、資本コスト、ROIC、将来の追加ファイナンスまで視野に入れ、会社をより高い成長ステージへ引き上げたい、という目的です。

これらの目的は互いに関連し合っていますが、決して同じものではありません。

たとえば、既存株主の換金が主目的であれば、M&Aのほうが適している場合があります。経営権を維持しながら成長支援を受けたいのであれば、PEファンドやVC・CVCとの資本提携が選択肢になります。希薄化を避けて設備投資資金を確保したいのであれば、借入のほうが合理的なこともあります。そして、資本市場で継続的に成長を説明していきたいのであれば、IPOが有力になります。

ですから、IPO以外の選択肢を比較する出発点は、「どの手段がよいか」ではなく、「何を実現したいのか」にあります。

選択肢1|M&Aは、株主の出口と事業成長を同時に実現し得るが、経営権が変わる

IPO以外の代表的な選択肢が、M&Aです。

M&Aは、会社や事業を第三者に譲渡し、買い手のグループに入ることで、株主の出口、事業成長、経営資源の補完を同時に図っていく選択肢です。スタートアップやベンチャー企業にとっても、IPOだけでなくM&Aは重要な出口戦略の一つになります。ベンチャーファイナンスの文脈でも、キャピタルゲインは上場だけでなく、M&Aによっても生み出されます。

M&Aの大きな特徴は、既存株主の流動化が比較的はっきりしている点にあります。

株式譲渡によるM&Aであれば、創業者や既存株主は保有株式を買い手に売却し、その対価を受け取ります。IPOの場合、創業者やVCが保有株式をすべて売却することは通常難しく、ロックアップや市場への影響、上場後の経営コミットメントも考慮しなければなりません。これに対してM&Aでは、取引条件次第で、株主の出口を一括して設計しやすい場面があります。

その一方で、M&Aでは経営権が大きく変わることがあります。

買い手が過半数、あるいは100%の株式を取得すれば、会社の意思決定権は買い手側へ移ります。経営陣が一定期間残るケースはありますが、単独で経営方針を決め続けられるとは限りません。買い手のグループ戦略、PMI、予算管理、人事制度、会計方針、内部統制、ブランド、事業ポートフォリオのなかへ組み込まれていくことになります。

そのためM&Aは、次のような会社に適しています。

  • 自社単独では成長に必要な資源が不足している
  • 買い手の顧客基盤、販売網、技術、資金、人材、海外展開力を活用したい
  • 創業者やVCの出口を明確にしたい
  • 後継者問題や株主構成の整理を進めたい
  • 上場会社として独立し続けるよりも、より大きな企業グループ内で成長したほうが企業価値を高められる

反対に、次のような場合には、慎重な検討が必要になります。

  • 創業者が経営権を維持したい
  • 自社ブランドや組織文化の独立性を重視したい
  • 従業員や取引先との関係の変化が大きい
  • 価格だけでなく、買い手の戦略、統合方針、雇用、ガバナンス、情報管理、契約承継、許認可など、論点が複雑である

M&Aでは、価格に加えて、実行可能性、法務・財務・税務上のリスク、契約条件、表明保証、補償、クロージング条件、経営者保証の扱いなども重要になります。法務デュー・ディリジェンスは、取引の実行可否、対価算定への影響、ストラクチャー変更の必要性などを判断するために行われます。

なお、中小企業庁は2024年8月に「中小M&Aガイドライン(第3版)」を策定し、中小M&A市場の健全な環境整備と支援機関の支援の質の向上を図る観点から、手数料、広告・営業、利益相反、最終契約後のリスク、経営者保証の扱い、不適切な譲り受け側の排除などについて、留意事項を拡充しています。

出典:経済産業省|「中小M&Aガイドライン」を改訂しました

M&Aは、IPOより簡単な選択肢ではありません。

ただし、目的が「株主の出口」「事業承継」「買い手の経営資源を活用した成長」にあるのであれば、IPOよりも合理的な道筋になることがあります。

選択肢2|PEファンドは、経営権・株主構成・成長支援を再設計する選択肢である

PEファンドの活用も、IPO以外の重要な選択肢の一つです。

PEファンドは、未上場会社や非公開化を検討する上場会社に投資し、資本構成、ガバナンス、経営戦略、事業ポートフォリオ、管理体制を改善したうえで、一定期間後にIPO、M&A、他ファンドへの売却などによって投資回収を図る投資家です。

PEファンドの特徴は、単なる資金提供者にとどまらず、会社の変革に深く関与する点にあります。具体的には、大規模なリスクマネーの提供、事業成長の推進、ガバナンスの徹底、業界再編の触媒といった機能を担います。活用の場面としては、事業承継、資本再構築、ノンコア事業の切り出し、親会社からの独立、少数株主対策、事業再生、売上成長、ガバナンス強化、資金調達などが挙げられます。

IPOとPEファンドの違いは、資本を提供する主体の性格にあります。

IPOでは、不特定多数の投資家が株主になります。一方PEファンドでは、少数の専門投資家が大きな持分を持ち、経営に関与します。

IPOでは、上場後も開示、IR、株主総会、内部統制、適時開示などを継続的に行わなければなりません。PEファンドの場合、公開市場への開示責任はありませんが、ファンドに対して、詳細な経営報告、予算管理、KPI管理、投資実行、ガバナンス改善が求められます。

IPOでは、経営陣は上場会社の経営者として資本市場と向き合います。PEファンドでは、経営陣はファンドと共同で企業価値の向上に取り組み、将来の出口に向けて会社を再設計していきます。

PEファンドが適しているのは、次のような場面です。

  • 創業者やオーナーの一部持分を流動化したいが、経営陣は続投したい
  • 親会社や大株主から独立し、成長資金と経営支援を得たい
  • IPO前に株主構成やガバナンスを整理したい
  • 事業承継や後継者不在の課題がある
  • 不採算事業の整理や、経営管理体制の刷新が必要である
  • 将来のIPOまたはM&Aを目指す前に、事業基盤を強くしておきたい

ただし、PEファンドにも留意すべき点があります。

ファンドには投資期間があり、最終的には出口が必要になります。経営目標やKPIへの要求水準は高くなり、レバレッジを活用する場合には財務上の制約も生じます。経営陣のインセンティブ設計、取締役会の運営、報告体制、重要事項の承認権限なども変わってきます。

PEファンドは、IPOの代替であると同時に、将来のIPOに向けた準備段階にもなり得ます。

もっとも、ファンドの目的はあくまで投資回収にあります。経営者としては、ファンドが何を期待し、どのような時間軸で企業価値を高めようとしているのかを理解したうえで、検討を進める必要があります。

選択肢3|借入は、希薄化を避けられるが、返済原資を数字で説明できなければならない

借入は、IPOやエクイティファイナンスと異なり、株主構成を変えずに資金を調達できる手段です。

銀行借入、日本政策金融公庫の融資、信用保証協会付き融資、制度融資、ベンチャーデット、資本性ローンなど、会社のステージや資金使途に応じて複数の選択肢があります。

借入のメリットは明確です。

  • 既存株主の持株比率を希薄化させない
  • 経営権を外部株主に渡さずに済む
  • 株式評価や投資契約の交渉を避けられる
  • 設備資金、運転資金、短期の資金繰り、ブリッジ資金などに対応しやすい
  • 事業計画と返済計画が合理的であれば、IPO前でも活用しやすい

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方を対象に、設備資金・運転資金の融資を行う制度です。融資限度額、返済期間、利率、担保・保証人の扱いなどは制度要件や審査によって異なるため、最新の制度内容と個別事情を確認しておく必要があります。

出典:日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金

また、資本性ローンは、スタートアップ、新事業展開、海外展開、事業再生などに取り組む事業者の財務体質の強化や、VC・民間金融機関などからの資金調達の円滑化を支援する制度として位置づけられています。日本政策金融公庫の説明によれば、一定の制度要件のもとで、金融機関の資産査定上は自己資本とみなすことができ、株式ではないため既存株主の持株比率を低下させないという特徴があります。

出典:日本政策金融公庫|挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)

一方で、借入には限界もあります。

当然ながら返済義務があり、利息の負担も生じます。財務制限条項や担保・保証といった論点が出てくることもあります。資金使途や返済原資をきちんと説明できなければ、調達自体が難しくなります。さらに、急成長スタートアップのように赤字が先行し、将来投資が大きい局面では、通常の借入だけでは資金需要に対応しきれない場合もあります。

借入は、将来のキャッシュフローで返済できる資金需要に適した手段です。

これに対して、研究開発、マーケット獲得、人材採用、プロダクト開発など、短期的には利益やキャッシュフローが出にくい成長投資については、エクイティや資本性資金のほうが適していることもあります。

月次決算や資金繰りの精度が低い会社は、借入の検討でも苦労します。月次決算は、毎月の営業成績や財政状態を明らかにし、経営者が数字から会社の現状を把握し、月次予算との比較によって次に打つべき手立てを見出すための仕組みです。金融機関との交渉においても、一定の精度を伴った月次決算書は、重要な説明資料になります。

つまり借入は、「上場しなくても資金調達できる便利な手段」ではありません。

返済できる事業計画と、管理できる数字があって初めて機能する選択肢なのです。

選択肢4|VC・CVC・資本業務提携は、成長資金と外部ネットワークを得る一方で、将来の利害調整が必要になる

VC、CVC、事業会社からの出資も、IPO以外の重要な選択肢です。

VCは、成長性の高い企業に投資し、将来のIPOやM&Aによるキャピタルゲインを期待します。一方、CVCや事業会社は、財務リターンだけでなく、技術、顧客、販売網、共同開発、事業シナジーといった戦略的なリターンを期待することがあります。

スタートアップ投資においては、IPOだけでなくM&Aも出口として想定されます。CVCの文脈では、投資先がIPOまたはM&Aに至ることで株式価値が評価され、投資家が利益を回収できる確率を検討する、という考え方が示されます。

近年は、スタートアップの出口がIPO一辺倒ではなく、M&Aを選ぶ傾向も見られます。事業会社へのM&Aが有力な出口になり得るのであれば、早い段階で事業会社から出資を受け入れておくことは、将来のM&Aの可能性を広げることにもつながります。

資本業務提携やCVC出資のメリットは、資金だけにとどまりません。

  • 大企業の販売網を活用できる
  • 共同開発や技術検証が進みやすくなる
  • 業界知見や信用力を得られる
  • 将来のM&Aや業務提携につながる可能性がある
  • 単独では届かない顧客・市場・技術領域にアクセスできる

その一方で、出資を受ける会社の側には、見落とせない注意点があります。

特定の事業会社との関係が強くなりすぎると、他の取引先や将来の買い手候補から見た中立性が下がることがあります。競合企業との提携やM&Aが難しくなる場合もあります。情報管理や知的財産の扱いが複雑になり、優先交渉権、拒否権、共同売却権、強制売却権、情報提供権といった契約条件が、将来の資本政策やIPO準備に影響することもあります。

投資契約では、情報提供請求権、表明保証、事前同意事項・拒否権、株式の譲渡制限、創業者・従業員のリテンション、Exitに関する権利などが規定されることがあります。これらは投資家保護や戦略リターンの確保のために重要な一方で、会社側にとっては、将来の意思決定やIPO・M&A時の制約にもなり得ます。

VC・CVC・資本業務提携は、IPOを先送りするための手段ではありません。

成長戦略、資本政策、株主構成、投資契約、将来の出口を、一体のものとして設計しておく必要があります。

選択肢5|非上場のまま成長するという選択肢もある

IPOを目指す会社のなかには、そもそも非上場のまま成長するという選択肢を、十分に検討していないケースがあります。

非上場のままでも、利益の再投資、借入、少数株主からの出資、資本業務提携、補助金・助成金、リース、ファクタリング、ベンチャーデットなどを組み合わせて成長できる会社はあります。

非上場を継続するメリットは、上場会社としての開示責任、株主対応、上場維持コスト、そして短期的な市場評価から、一定の距離を置けることです。経営者の意思決定も、上場会社に比べれば柔軟に行いやすい面があります。

ただし、非上場の継続にも制約はあります。

  • 株式の流動性は限定される
  • 大規模なエクイティ調達には限界がある
  • 採用や取引先開拓において、上場会社ほどの信用補完は得にくい場合がある
  • VCなど外部株主がいる場合には、出口の説明が必要になる
  • 経営管理体制が未整備なままでも、会社規模が大きくなれば内部リスクは蓄積していく

非上場であることは、管理体制を整えなくてよい理由にはなりません。

月次決算、資金繰り、KPI、労務管理、契約管理、税務リスク、内部統制、取締役会の運営は、IPOをしない会社にも必要です。IPO準備で求められる体制の多くは、上場審査のためだけのものではなく、会社が成長しても説明可能性を保ち続けるための経営基盤です。

非上場の継続は、「IPOしない」という消極的な判断ではなく、外部資本や公開市場に依存しない成長戦略を選ぶという、積極的な判断であるべきだと考えています。

IPOとM&Aの違い|誰に会社の将来を託すのか

IPOとM&Aの大きな違いは、会社の将来を誰に託すのか、という点にあります。

IPOでは、会社は独立した上場会社として残り、不特定多数の投資家から評価を受けます。経営者は引き続き会社を経営し、投資家に対して業績、成長戦略、リスク、資本政策を説明し続けます。

M&Aでは、買い手企業、あるいは買い手グループのなかで、会社や事業の将来を設計していきます。経営者が続投することはありますが、最終的な支配権は買い手側へ移ることが多くなります。

この違いは、創業者にとって非常に大きな意味を持ちます。

IPOでは、創業者は上場会社の経営者として残ることが期待されます。保有株式の一部を売却できる場合はありますが、上場後のコミットメント、ロックアップ、市場からの評価に向き合い続けることになります。

M&Aでは、創業者は株式を売却して経済的リターンを得やすい一方、経営権、意思決定、企業文化、事業の方向性を買い手と調整していくことになります。買い手との統合がうまくいけば、会社単独では実現できない成長が可能になりますが、統合がうまくいかなければ、組織・人材・顧客基盤を損なってしまうこともあります。

ですからIPOとM&Aを比較する際には、価格だけを見てはいけません。

  • 誰が将来の株主になるのか
  • 誰が経営権を持つのか
  • 会社の独立性を維持するのか
  • 既存株主はどの程度まで流動化できるのか
  • 従業員、取引先、顧客、事業ブランドはどう扱われるのか
  • 創業者は上場後も経営者であり続けたいのか、それとも次の挑戦に進みたいのか

ここまで整理して、ようやくIPOとM&Aは比較できるようになります。

IPOとPEファンドの違い|公開市場か、専門投資家との共同経営か

IPOとPEファンドの違いは、公開市場を選ぶのか、それとも専門投資家との共同経営を選ぶのか、という点にあります。

IPOは、資本市場に会社を開く選択です。投資家は多数にのぼり、上場後は市場価格が日々形成されます。金融商品取引法上の開示制度、取引所規則、適時開示、ガバナンス・コード、内部統制報告制度などに、継続的に対応していく必要があります。

金融商品取引法は、投資性の強い金融商品に対する横断的な投資者保護法制の構築、開示制度の拡充、取引所の自主規制機能の強化、不公正取引などへの厳正な対応を柱として整備されています。

出典:金融庁|金融商品取引法について

PEファンドは、公開市場ではなく、少数の専門投資家が株主として会社に深く関与します。公開市場への継続開示はありませんが、ファンドへの経営報告、取締役会の運営、KPI管理、予算統制、投資実行、ガバナンス改善が強く求められます。

IPOは、幅広い投資家から評価を受ける代わりに、継続的な説明責任を負う選択です。PEファンドは、専門投資家とともに一定期間で企業価値の向上を実現する代わりに、出口戦略と経営改革の圧力を受け入れる選択です。

どちらが優れているか、という話ではありません。

自社がいま必要としているのは、公開市場からの資金と信用なのか。それとも、集中的な資本再構築、ガバナンス強化、経営支援なのか。

この問いによって、選ぶべき道は変わってきます。

IPOと借入の違い|返済義務を負うか、希薄化と株主対応を受け入れるか

IPOと借入は、資金調達という点では似て見えますが、その性質は大きく異なります。

借入は、返済する資金です。これに対してIPOによる公募増資は、返済義務のない自己資本です。

借入は、株主構成を変えません。IPOは、一般投資家を新たな株主として迎えます。

借入では、金融機関に返済可能性を説明します。IPOでは、投資家に成長可能性と企業価値を説明します。

借入は、キャッシュフローで返済できる事業に向いています。IPOは、長期的な成長投資や自己資本の強化に向いています。

この違いを曖昧にしたままにすると、資金調達の判断を誤ります。

利益は出ているが運転資金や設備資金が必要な会社では、借入のほうが合理的なことがあります。一方、赤字が先行し、市場獲得や研究開発に大きく投資する会社では、借入だけでは資金繰りが耐えられない場合があります。

借入で調達できる範囲を超えて成長投資を進めるのであれば、VC、CVC、PE、IPOといったエクイティ性の資金を検討する必要が出てきます。

資本政策とは、会社が事業活動を行っていくうえで必要な資本を、どのように活用していくかという戦略です。成長期には資金需要が旺盛になり、増資、種類株式、新株予約権などが、資本戦略上の重要な役割を担います。

借入を選ぶべきか、エクイティを選ぶべきか。これは、資金使途、返済可能性、希薄化、経営権、将来の企業価値を見渡したうえで判断していくべきものです。

IPOと資本業務提携の違い|市場から評価されるか、特定の相手と組むか

資本業務提携は、特定の事業会社や金融投資家と組む選択肢です。

IPOでは、多数の投資家に向けて、会社全体の成長可能性を説明します。資本業務提携では、特定の相手に対して、事業上の補完関係、技術、顧客、販売網、共同開発、データ、知的財産、将来の提携効果を説明します。

この違いは小さくありません。

IPOは、会社全体を投資対象として見せる必要があります。資本業務提携は、特定の事業シナジーを中心に設計することができます。

IPOでは、投資家の売買によって株主構成が変わっていきます。資本業務提携では、特定株主との関係が長期化し、契約条件が将来の経営判断に影響します。

資本業務提携が適しているのは、次のような場合です。

  • 顧客基盤や販売網を持つ事業会社と組むことで、成長が早まる
  • 技術・プロダクトの社会実装に、大企業のリソースが必要である
  • 共同研究開発、ライセンス、OEM、代理店契約などが成長ドライバーになる
  • 資金だけでなく、事業上の関係を資本で固定化したい

一方で、資本業務提携には、将来のM&A候補、競合先との関係、情報管理、知的財産、関連当事者、利益相反、優先交渉権といった論点が生じます。特定の株主との関係が強くなりすぎると、IPO時に投資家から、独立性や取引条件の合理性を問われることもあります。

資本業務提携は、IPOの前段階として有効に働くこともあります。

ただし、提携先の戦略と自社の中長期戦略がずれてしまった場合、後から修正しにくい制約にもなり得ます。

比較の軸は「資金調達額」だけでは足りない

IPO、M&A、PE、借入、資本業務提携を比較するとき、資金調達額だけで判断してはいけません。

重要になるのは、次の7つの軸です。

1つ目は、資金の流入先です。 会社に資金が入るのか、既存株主に資金が入るのかを分ける必要があります。公募増資や第三者割当増資では会社に資金が入りますが、株式譲渡や売出しでは既存株主に資金が入ります。

2つ目は、経営権です。 経営者が独立して経営を続けるのか、買い手やファンドと共同で経営するのか、それとも経営権を移転するのかを整理します。

3つ目は、株主構成です。 一般投資家が入るのか、VCやCVCが入るのか、PEファンドが支配株主になるのか、事業会社が株主になるのか。これによって、将来の意思決定は大きく変わります。

4つ目は、成長支援です。 資金だけで足りるのか、それとも販路、人材、ガバナンス、M&A、海外展開、技術支援が必要なのかを考えます。

5つ目は、説明責任です。 IPOでは市場全体に説明します。PEではファンドに詳細に説明します。借入では金融機関に返済可能性を説明します。M&Aでは買い手に事業価値とリスクを説明します。

6つ目は、時間軸です。 IPO準備には、複数年にわたる管理体制の整備が必要です。東証も、上場に向けては証券会社や監査法人などの関係者のアドバイスをもとに社内体制の整備を進め、上場申請までに申請直前2期間分の監査証明が必要になる点に留意すべきと説明しています。

出典:日本取引所グループ|上場スケジュール(新規上場基本情報)

7つ目は、将来の出口です。 IPOを目指すのか、M&Aで売却するのか、PEファンドのもとで再成長してからIPOやトレードセールを目指すのか、あるいは非上場のまま長期保有するのかを考える必要があります。

資金調達額だけを見れば魅力的に映る選択肢でも、経営権、契約条件、株主構成、説明責任、将来の出口まで含めて見ていくと、自社には合わない、ということがあります。

「価値」と「価格」を分けて考える

IPO、M&A、PE、資本提携を比較するときには、「価値」と「価格」を分けて考えることが重要です。

価格は、売り手と買い手の交渉によって決まる取引条件です。価値は、会社が将来生み出す経済的便益を、一定の前提に基づいて評価したものです。

企業価値評価の実務では、価格と価値は異なる概念とされます。価値は、評価の目的や当事者の立場、経営権取得の有無などによって変わり得るため、いわば一物多価の性格を持っています。

この違いは、IPOとM&Aの比較において、とりわけ重要になります。

M&Aでは、特定の買い手がシナジーを見込むことで、高い価格を提示する場合があります。IPOでは、多数の投資家が市場環境、成長性、リスク、類似会社評価、需給を踏まえて価格を評価します。PEファンドは、一定期間後の出口価値から逆算して投資価格を判断します。VCは、将来のIPOやM&Aにおけるリターンから逆算します。

つまり、同じ会社であっても、誰が買うか、何を目的に買うか、どの時間軸で見るかによって、評価は変わります。

「IPOならいくらになるのか」 「M&Aならいくらで売れるのか」 「PEならどの条件で投資されるのか」 「VCならどのバリュエーションで調達できるのか」

これらは、単純に横並びで比較できるものではありません。評価の前提そのものが違うからです。

ですから資本政策の検討では、価格の高さだけでなく、資金の流入先、将来の経営権、株主構成、契約条件、成長支援、リスク分担までを合わせて判断していく必要があります。

IPOを選ぶべき場面

IPOを選ぶべきなのは、単に上場できそうな会社ではありません。

自社の成長戦略を、資本市場に対して継続的に説明できる会社です。

具体的には、次のような場合です。

  • 独立した会社として、成長を続けたい
  • 大規模な成長資金を、自己資本として調達したい
  • 一般投資家を株主として迎える覚悟がある
  • 上場後も、成長戦略、KPI、リスク、資本政策を説明し続けられる
  • 月次決算、予実管理、内部統制、ガバナンス、開示体制を整える意思とリソースがある
  • 既存株主の流動化と会社の成長資金調達を、バランスよく設計できる
  • 短期的な株価変動に振り回されず、長期の企業価値を高める経営を行える

IPOは、資本市場から資金と信用を得る代わりに、透明性と説明責任を引き受ける選択です。投資家保護を目的とする金融商品取引法制、取引所規則、開示制度、監査制度、内部統制報告制度のなかで、会社を運営していくことになります。

出典:金融庁|金融商品取引法について

IPOは、会社を強くしていく過程になり得ます。

ただしそれは、上場準備を「審査対応」としてではなく、「資本市場に耐えうる会社づくり」として進める場合に限られます。

M&Aを選ぶべき場面

M&Aを選ぶべきなのは、会社単独で上場会社として成長していくよりも、買い手の経営資源を活用したほうが企業価値を高められる場合です。

たとえば、次のような場合です。

  • 買い手の顧客基盤や販売網を活用すれば、事業成長が大きく加速する
  • 単独では、海外展開、製造、営業、採用、研究開発に限界がある
  • 創業者やVCの株式流動化を、明確に進めたい
  • 後継者問題や株主構成の整理が必要である
  • 上場後の開示責任や市場対応よりも、事業会社グループ内での成長が適している
  • 創業者が、一定期間後に経営から退くことを視野に入れている

M&Aでは、買い手の選定が極めて重要になります。

価格が高い買い手が、必ずしも最適な買い手とは限りません。従業員、顧客、プロダクト、ブランド、技術、事業計画をどう扱うかによって、M&A後の企業価値は大きく変わってきます。

また、M&Aでは売り手側にも準備が必要です。会計、税務、法務、労務、知的財産、契約、許認可、個人情報、関連当事者、資本政策を整理しておかなければ、買い手のデュー・ディリジェンスのなかで、価格調整、補償、条件変更、取引中止につながることがあります。

M&Aは、IPOが失敗したときの代替策ではありません。

最初からM&Aを戦略的な選択肢として設計しておくことで、会社と株主にとって、より良い出口になる場合があります。

PEファンドを選ぶべき場面

PEファンドを選ぶべきなのは、会社をすぐに公開市場へ出すよりも、専門投資家とともに一定期間で企業価値向上に集中したほうがよい場合です。

たとえば、次のような場合です。

  • 売上はあるが、管理体制やガバナンスに課題がある
  • 事業承継や株主構成の整理が必要である
  • 創業者が一部持分を流動化しつつ、経営を続けたい
  • 将来IPOを目指す前に、経営管理体制を磨いておきたい
  • ノンコア事業の切り出しや、親会社からの独立を進めたい
  • M&Aによる成長や、業界再編を進めたい

PEファンドは、経営者にとって心強いパートナーになる一方で、同時に厳しい株主にもなります。

経営会議、取締役会、予算、KPI、投資判断、人材採用、M&A、資金繰り、レバレッジ管理などについて、より高い説明水準が求められます。

ですからPEファンドを選ぶ際には、資金条件だけでなく、ファンドの投資方針、関与スタイル、投資期間、出口戦略、経営陣への期待、インセンティブ設計を、しっかり確認しておく必要があります。

PEファンドは、IPOの代替にも、IPOへの準備段階にもなり得ます。

ただし、いずれにしても「将来の出口」を前提とした選択肢である、という点は忘れてはいけません。

借入・資本性ローンを選ぶべき場面

借入や資本性ローンを選ぶべきなのは、株主構成を変えずに資金需要へ対応したい場合です。

たとえば、次のような場合です。

  • 設備投資や運転資金の回収可能性が明確である
  • 利益またはキャッシュフローで、返済原資を説明できる
  • 株式の希薄化を避けたい
  • 創業者の経営権を維持したい
  • 上場や外部株主の受け入れを急がない
  • エクイティ調達の前に、財務基盤を整えておきたい

ただし、借入は返済義務を伴います。

成長投資が先行し、短期的に赤字や資金流出が続く会社では、通常の借入だけに依存すると、資金繰りが不安定になります。その場合には、エクイティ、資本性ローン、補助金、業務提携、段階的な資金調達を組み合わせていく必要があります。

大切なのは、借入を「株主を増やさずに済む、楽な資金調達」と捉えないことです。

金融機関は、返済可能性を見ています。そのためには、月次決算、資金繰り表、事業計画、KPI、借入後の投資効果、返済原資を、きちんと説明できる必要があります。

資本業務提携・CVCを選ぶべき場面

資本業務提携やCVCを選ぶべきなのは、資金だけでなく、事業上の連携価値が大きい場合です。

たとえば、次のような場合です。

  • 大企業の販売網や顧客基盤を活用したい
  • 共同研究開発や技術検証を進めたい
  • 規制産業や大企業向け市場への参入にあたり、信用補完が必要である
  • 将来のM&A候補との関係を、早期につくっておきたい
  • 業務提携だけではコミットメントが弱く、資本関係を持たせたい

ただし、資本業務提携では、相手先との関係が強くなります。

将来のIPO時には、特定株主との取引条件、関連当事者性、利益相反、独立性、情報管理が論点になることがあります。M&Aを検討する場合にも、既存の資本提携先が、他の買い手候補にとって制約になることがあります。

資本業務提携は、成長を早める武器になります。

同時に、将来の選択肢を狭めてしまう可能性も併せ持ちます。ですから契約条件、情報提供、競業、独占、優先交渉、出口、株式譲渡制限を、将来のIPO・M&A・追加資金調達まで見据えて設計しておく必要があります。

IPO以外の選択肢を比較するときの実務的な順番

IPO、M&A、PE、借入、資本業務提携を比較するときは、次の順番で整理していくと、判断がしやすくなります。

まず、会社の目的を整理します。 成長資金なのか。株主の出口なのか。経営権の維持なのか。事業承継なのか。信用力なのか。組織変革なのか。あるいは、将来の企業価値の最大化なのか。

次に、資金の流れを整理します。 会社に資金が入るのか。既存株主に資金が入るのか。その両方なのか。その資金は返済するものなのか、自己資本なのか。希薄化はどの程度になるのか。

次に、経営権と株主構成を整理します。 創業者はどの程度の議決権を維持するのか。VCや投資家の権利はどう整理されるのか。PEファンドや事業会社が支配株主になるのか。一般投資家を株主として迎えるのか。株式報酬やストック・オプションの余地は残るのか。

次に、管理体制と説明責任を整理します。 IPOなら、監査法人、主幹事証券会社、取引所、投資家への説明が必要です。M&Aなら、買い手のDDに耐える資料とリスク整理が必要です。PEなら、ファンドに対する詳細な経営管理とKPI報告が必要です。借入なら、金融機関に対する返済可能性の説明が必要です。資本業務提携なら、提携先に対する事業シナジーと契約条件の整理が必要です。

最後に、将来の出口を整理します。 IPOを目指すのか。M&Aで売却するのか。PEファンドと数年後の出口を設計するのか。非上場のまま安定成長を目指すのか。あるいは、複数の選択肢を残しておくのか。

この順番で整理していくと、IPOが本当に必要なのか、それとも別の選択肢が合理的なのかが、見えやすくなります。

IPOを目指さない判断も、逃げではない

IPOを目指さないことは、必ずしも後ろ向きな判断ではありません。

むしろ、IPOのメリットと責任を理解したうえで、M&A、PE、借入、資本提携、非上場での成長を選ぶのであれば、それは成熟した経営判断だと言えます。

問題なのは、IPOを目指すこと自体ではありません。IPOを目的化してしまうことです。

「上場すれば会社が成長する」 「上場すれば信用力が高まる」 「上場すれば資金調達できる」 「上場すれば株式を売却できる」 「上場すれば人材が採れる」

これらは、一定の条件が整っていれば成り立ちます。

しかし、成長ストーリーを数字で説明できない会社、月次決算や予実管理が機能していない会社、資本政策が未整理な会社、株主構成や投資契約に将来の制約が多い会社、上場後の開示責任を負う体制がない会社にとっては、IPOはかえって大きな負担になります。

反対に、M&A、PE、借入、資本業務提携を選ぶ場合であっても、管理体制や数字の説明が不要になるわけではありません。買い手、ファンド、金融機関、投資家、提携先、従業員に対して、会社の状態をきちんと説明できることが、やはり重要になります。

IPO以外の選択肢を検討することは、IPOを諦めることではありません。

上場という選択肢の意味を、より正確に理解するためのプロセスなのです。

相談前に整理しておきたい論点

IPOとその代替手段を検討する段階では、結論を急ぐよりも、まず論点を棚卸ししておくことが大切です。

次の点を整理しておくと、専門家との相談が、ぐっと具体的になります。

  • 現在の株主構成はどうなっているか
  • 創業者、VC、役職員、事業会社株主の意向はどうか
  • 既存株主は、いつ、どの程度の流動化を希望しているか
  • 会社として必要な成長資金はいくらか
  • その資金は、何に使い、どのような成果を生むのか
  • 月次決算、予実管理、KPI、資金繰りは、どの程度整っているか
  • 借入で対応できる資金需要か、それともエクイティが必要か
  • M&Aを選ぶ場合、どのような買い手が企業価値を高められるか
  • PEファンドを選ぶ場合、経営陣はどのように関与し続けるか
  • 資本業務提携を選ぶ場合、将来のIPOやM&Aに制約が出ないか
  • IPOを選ぶ場合、上場後の開示責任と管理体制に耐えられるか

犬飼公認会計士・税理士事務所では、IPOを前提ありきで進めるのではなく、M&A、PE、借入、資本業務提携、非上場継続も含めて、成長戦略・資本政策・会計税務・内部管理体制を横断的に整理することを大切にしています。上場を目指すべきか、別の選択肢を比較すべきかを検討している段階でも、まずは自社の目的、株主構成、資金需要、管理体制の現状を整理するところから、お気軽にご相談ください。

この記事の振り返り

選択肢主な目的会社への資金流入既存株主の流動化経営権への影響向いている場面注意点
IPO成長資金、信用力、株式流動性、資本市場対応公募があればあり売出し・市場売却で可能独立経営は維持しやすいが、一般株主への説明責任が発生独立した上場会社として成長を続けたい場合開示責任、監査、内部統制、上場維持コスト、株主対応が必要
M&A株主の出口、事業承継、買い手の経営資源活用取引形態による比較的明確に実現しやすい買い手に支配権が移ることが多い買い手の顧客基盤・技術・資金を活用したほうが成長する場合価格だけでなく、統合方針、雇用、契約、DD、PMIが重要
PEファンド資本再構築、成長支援、ガバナンス強化、将来出口出資形態による一部流動化が可能な場合ありファンドが重要株主・支配株主になる場合ありIPO前に会社を再設計したい、事業承継や株主整理を進めたい場合投資期間、出口、KPI、レバレッジ、経営関与への対応が必要
VC・CVC・資本業務提携成長資金、事業シナジー、ネットワーク獲得あり原則として既存株主の出口ではない少数株主でも、契約上の権利が影響する成長資金と事業連携を同時に得たい場合拒否権、情報提供、優先交渉、将来のIPO・M&Aへの制約に注意
借入設備資金、運転資金、短中期の資金需要ありなし原則として経営権・株主構成に影響しない返済原資を説明でき、希薄化を避けたい場合返済義務、利息、担保・保証、資金繰り管理が必要
資本性ローン財務体質強化、エクイティと借入の中間的資金ありなし株主構成に影響しない希薄化を抑えつつ財務基盤を補強したい場合制度要件、事業計画、特約、審査、最新制度の確認が必要
非上場継続独立経営、柔軟な意思決定、公開市場対応の回避自社調達次第限定的維持しやすい公開市場に依存せず安定成長できる場合株式流動性、大規模資金調達、信用補完に限界がある
判断軸目的、資金流入先、経営権、株主構成、説明責任、時間軸、出口会社ごとに異なる会社ごとに異なる会社ごとに異なるIPOありきではなく、経営目的から選択する個別事情を踏まえた資本政策・会計税務・法務の検討が必要
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