同じ会社や事業を取得する案件であっても、株式譲渡、事業譲渡、会社分割、合併のいずれを採用するかによって、買主が引き継ぐ資産・負債、税務リスク、契約、許認可、従業員、そして買収後の会計処理までが変わってきます。
だからこそ、財務・税務DDで発見された事項は、ストラクチャーから切り離して評価することができません。
たとえば対象会社に過年度の税務リスクがあるとしても、株式譲渡で法人ごと取得する場合と、必要な事業だけを取得する場合とでは、買主への影響はまったく異なります。また、重要契約や許認可が対象会社に帰属している場合には、リスクの切り離しを優先して事業譲渡を選んだ結果、事業継続に必要な権利を円滑に移転できないという事態も起こり得ます。
M&Aは、取引先の存続やサプライチェーンの維持といった事業上の必要性から、検討が急速に具体化することがあります。買収の必要性が高い局面ほど、取引を成立させる方向へ意識が傾きやすいものです。そうしたときほど、何を、どの法人で、どの法的形式により取得するのかを、冷静に検証しておく必要があります。
第8テーマでは、財務・税務DDの発見事項を税務・法務・会計と結び付けながら、取引ストラクチャーへ反映するための論点地図をお示しします。
扱うのは、単なるスキーム比較ではありません。「どのストラクチャーなら税金が少ないか」にとどまらず、次の問いに答えられる状態を目指します。
- 買主は何を承継し、何を承継しないのか
- DDで見つかったリスクをストラクチャーによって切り離せるか
- 切り離すことで、別の税務・法務コストが生じないか
- クロージング前に何を解消しなければならないか
- 買収後に会計・税務・管理を適切に運営できるか
ストラクチャーは、契約締結のための技術的な選択ではありません。DD結果を最終的な実行判断へ変えるための、重要なリスク配分手段です。
なぜストラクチャーとDDを分けて考えてはいけないのか
M&Aの初期段階では、株式譲渡、事業譲渡、会社分割など、一定のストラクチャーを仮置きして検討を進めるのが一般的です。
しかし、その仮置きしたストラクチャーを、前提のまま固定してはいけません。
財務・税務DDによって、簿外債務、多額の税務リスク、不要資産、回収不能債権、関連当事者取引、経営者保証などが見つかったのであれば、対象会社を法人ごと取得することが本当に適切なのかを見直す必要があります。もっとも、事業譲渡や会社分割へ変更すれば、契約移転、許認可、従業員承継、消費税、登記関連税、システム移行といった別の論点が生じます。
財務DDの発見事項は、価格だけでなく、ストック・ディールとアセット・ディールの選択、さらには最終的なストラクチャー決定にも影響します。複数の候補がある場合には、税務、法務、会計、時間、コスト、買収後運営を総合して比較しなければなりません。
法務DDで許認可の承継困難性が判明したり、金額を確定しにくい偶発債務が見つかったりして、当初予定していたストラクチャーを変更することもあります。DDは、既に決めた買い方の安全性を確認するだけの作業ではありません。その買い方自体が適切かどうかを検証するプロセスです。
会社法は、株式、事業、権利義務を移転・承継する方法ごとに、異なる制度と手続を定めています。法的形式が異なれば、株主、債権者、契約相手、従業員その他の利害関係者への影響も変わります。会計・税務だけでストラクチャーを決定することはできないのです。
出典:e-Gov法令検索|会社法
このテーマの中心命題
ストラクチャーは、DDの前に確定するものでも、DD終了後に税務担当者だけで決めるものでもありません。
仮説として置いたストラクチャーをDDで検証し、発見事項に応じて修正し、その修正後のストラクチャーに必要な追加DDを行う。この往復が欠かせません。
第8テーマの論点地図
第8テーマは、5つの詳細コラムで構成されています。
各記事の役割は独立していますが、前の記事で整理した前提を次の記事へ引き継ぐ設計です。基本的には、8-1から8-5まで順番にお読みいただくことで、ストラクチャーの比較から買収後の影響までを一続きで理解できます。
何を取得し、どのリスクを承継するか
最初の論点は、取得対象の単位です。
株式を取得するのか、それとも特定の事業を取得するのか。対象会社の法人格を残すのか、権利義務の一部または全部を別法人へ移すのか。
この違いは、財務DDで確認すべき貸借対照表の範囲、税務DDで調査すべき過年度、法務DDで精査すべき契約・許認可、労務DDで確認すべき従業員承継の範囲を、それぞれ左右します。
「株式譲渡は簡単」「事業譲渡なら安全」といった一般論では判断できません。重要なのは、買主が必要としている経営資源と、承継したくないリスクを具体的に特定することです。
この全体比較を扱うのが、8-1です。
税務上の簿価・時価・税務属性をどう見るか
合併や会社分割等を利用する場合には、組織再編税制との接続が必要になります。
適格組織再編成に該当するか、非適格組織再編成となるかによって、資産・負債の税務上の移転価額や譲渡損益の取扱いが変わります。さらに、繰越欠損金、含み損、特定資産譲渡等損失といった税務属性については、引継ぎや利用に制限が設けられている場合があります。
ここで注意していただきたいのは、税制適格性を満たせば、それだけでストラクチャーが適切になるわけではない、という点です。
税務上は課税を繰り延べられたとしても、法務手続、契約承継、会計処理、買収後管理の負担が大きければ、取引全体として合理的とは限りません。反対に、非適格となる可能性があるからといって直ちに採用できないわけでもなく、発生する税負担と他のメリットとを比較する必要があります。
組織再編税制は、再編前後で移転資産に対する支配が継続する場合等に、一定の要件の下で課税関係を継続させる仕組みです。要件判定にとどまらず、取引目的、当事者間の支配関係、対価、事業継続、従業者、資産・負債の範囲などを、事実に即して確認しなければなりません。
出典:国税庁|組織再編税制における「移転資産に対する支配の継続性」及び「株主の投資の継続性」
出典:e-Gov法令検索|法人税法
この税務上の制約をDDと結び付けるのが、8-2です。
リスクを切り離すために新たなコストを負わないか
必要な資産や事業だけを取得すれば、対象会社の過年度リスクを一定程度切り離しやすくなります。
一方で、資産や事業を個別に取得するストラクチャーでは、取得対象を特定し、移転手続を行い、買主側で事業を稼働させなければなりません。
問題になるのは、消費税、登録免許税、不動産取得税などの税務コストだけではありません。契約相手の同意、許認可の再取得・変更、従業員の承継、取引先への説明、システムや口座の切替えも、実務では避けて通れない論点です。
会社分割には労働契約承継法に基づく手続があり、事業譲渡・合併についても厚生労働省の指針が設けられています。従業員承継は、財務上の人件費移転だけで判断できる論点ではありません。
出典:厚生労働省|企業組織の再編(会社分割等)に伴う労使関係(労働契約の承継等)について
リスクの切り離しによって生じる取引時・移行時のコストを扱うのが、8-3です。
オーナーと会社の境界をどこまで整理するか
中小・オーナー企業では、会社と経営者個人との関係が、決算書だけでは分かりにくい形で残っていることがあります。
代表例は、経営者保証、役員借入金・役員貸付金、個人所有不動産の賃貸、個人名義の契約、関連会社との債権債務、役員退職慰労金です。
これらは、単なる残高確認では済みません。
- 経営者保証を誰が、いつ、どの手続で解除・移行するのか
- 役員借入金を返済するのか、引き継ぐのか、買収価格で調整するのか
- 個人所有資産を買収後も使うのであれば、どの条件で契約を継続するのか
- 役員退職慰労金を誰が負担し、価格や正常収益力へどう反映するのか
このような論点は、売主と対象会社の資金関係、クロージング時の資金移動、最終契約、税務処理を横断して整理する必要があります。
特に経営者保証については、解除がM&A成立後に先送りされると、不確実性が残ります。中小企業庁は、M&A成立前の金融機関への相談、譲り受け側の財務状況の確認、必要に応じた借換え、最終契約での義務付け等を整理した参考資料を公表しています。
出典:中小企業庁|中小M&A時の経営者保証の取扱いについて
中小M&A特有の人的・資金的関係を扱うのが、8-4です。
クロージング後に会計・税務・管理を回せるか
ストラクチャーの影響は、クロージングで終わりません。
株式譲渡で子会社として残す場合と、事業譲渡で買主法人へ直接取り込む場合とでは、買収後の申告単位、会計処理、資金管理、月次決算、内部管理の設計が異なってきます。
買収後には、企業結合会計、事業分離会計、のれん、PPA、税効果、連結決算、会計方針の統一などが問題になることがあります。ただし、このテーマではPPAの評価手法やPMIの具体的な実行計画までは深掘りしません。DD段階で何を把握し、どのような買収後負担を想定すべきかという接点に、対象を限定します。
企業結合と事業分離では、適用される会計処理の枠組みが異なります。法的形式だけでなく、取得、共通支配下の取引、事業分離等の会計上の判定を踏まえ、買収後の財務諸表への影響を見通しておく必要があります。
出典:企業会計基準委員会|企業会計基準第21号 企業結合に関する会計基準
出典:企業会計基準委員会|企業会計基準第7号 事業分離等に関する会計基準
買収後の制度会計、管理会計、税務、財務機能は、対象会社を継続的にコントロールするための基盤となります。DDで把握した管理体制の弱さを、クロージング後に誰が、いつまでに、どの管理単位で整えるのか。そこまで見通しておくことが求められます。
この買収後への接続を扱うのが、8-5です。
8-1. 株式譲渡・事業譲渡・会社分割でDDの焦点はどう変わるか
8-1は、第8テーマ全体の入口にあたります。
株式譲渡、事業譲渡、会社分割について、何が承継されるのか、どのようなリスクが残るのか、財務・税務・法務DDの焦点がどこへ移るのかを比較します。
このコラムは、スキームをまだ確定していない方だけでなく、「株式譲渡で進めることはほぼ決まっている」とお考えの方にも重要です。DDで重大なリスクが見つかったときに、事業譲渡や会社分割へ変更する余地があるのかを判断するには、各ストラクチャーの違いを先に理解しておく必要があるからです。
なお、各スキームの会社法手続を網羅的に解説することはしません。取得対象、承継リスク、契約・税務への影響という、DD上の比較軸を整理します。
8-2. 組織再編税制とDD上の確認ポイント
8-2では、合併や会社分割等を利用する場合の組織再編税制を扱います。
中心となるのは、適格・非適格という名称の説明ではありません。
- 適格要件を満たす前提となる事実が、契約書、株主構成、支配関係、対価、従業者、事業継続、資産・負債の内容と整合しているか
- 繰越欠損金や含み損を買収価値として見込む場合、その利用可能性に制限がないか
- 想定した税務処理が否認された場合、誰がどのリスクを負うのか
こうした事項を、DDでどのように確認し、価格、ストラクチャー、表明保証、補償、前提条件へ反映していくかを整理します。
税務属性を価値として見込んでいる案件、買収後の合併・会社分割を予定している案件、対象会社に多額の繰越欠損金や含み損資産がある案件では、優先してお読みいただきたいコラムです。
8-3. 資産買収・事業譲渡で見落としやすい税務・法務コスト
8-3は、「必要な事業だけを買えばリスクを限定できる」という判断の裏側を確認するコラムです。
資産買収・事業譲渡では、取得対象を選択しやすい一方で、資産、契約、許認可、従業員等を移転し、買主側で事業を開始するための実務負担が生じます。
消費税、登録免許税、不動産取得税などの税負担だけではありません。取引先の同意、名義変更、許認可、労働契約、在庫・債権債務の切分け、クロージング前後の収益・費用の帰属も、実行判断に影響します。
カーブアウト、一部事業の取得、過年度リスクの大きい会社、特定資産のみを取得する案件を検討されている方に適した内容です。
8-4. 経営者保証・関連当事者債権債務・役員退職慰労金
8-4では、中小・オーナー企業のM&Aにおいて、法人と経営者個人との関係をどこまで整理すべきかを扱います。
経営者保証、役員借入金、役員貸付金、関連会社との債権債務、個人所有資産、役員退職慰労金は、それぞれ独立した論点に見えます。しかし実務上は、売主の手取り、買収価格、ネットデット、正常収益力、クロージング時の資金移動、金融機関の同意、最終契約の条件として、相互に関係し合います。
残高が決算書に載っているからといって、把握できているとは限りません。契約書、返済実績、資金の流れ、税務処理、金融機関との合意、クロージング前後の実行手順まで確認する必要があります。
オーナー企業、経営者保証付き借入がある会社、役員退職慰労金を売却条件に含める案件では、早い段階でお読みいただきたいコラムです。
8-5. ストラクチャーが買収後税務・会計・管理に与える影響
8-5は、第8テーマの締めくくりです。
ストラクチャーを、クロージングまでの手続としてではなく、買収後の税務・会計・管理を規定する設計として捉え直します。
- 株式譲渡後に対象会社を独立法人として残すのか
- 事業譲渡によって買主の既存事業へ直接取り込むのか
- 会社分割後の事業を単独で管理できるのか
- 取得後に合併やグループ内再編を行うのか
この違いによって、税務申告、月次決算、資金管理、連結報告、会計方針、PPA・のれんへの接点、内部管理体制の整備負担が変わります。
ストラクチャーを確定する前にクロージング後の運営像を確認しておきたい方、DD発見事項を買収後課題へつなげたい方に適したコラムです。
推奨する読む順番
第8テーマは、原則として次の順番でお読みいただくことを推奨します。
8-1 → 8-2 → 8-3 → 8-4 → 8-5
8-1で取得対象と承継リスクの違いを把握し、8-2で組織再編税制上の制約を確認します。その後、8-3で資産・事業を選択取得する場合のコスト、8-4でオーナー企業特有のクロージング前整理を押さえ、8-5で買収後の税務・会計・管理へ接続していきます。
ただし、案件の状況によっては、途中からお読みいただいても構いません。
- スキームが固まっていない場合は、8-1から始めてください
- 適格合併、会社分割、欠損金の利用を検討している場合は、8-1の後に8-2を優先します
- 特定事業だけを取得する場合は、8-1と8-3を続けて読むと論点を整理しやすくなります
- 中小・オーナー企業の株式譲渡では、8-1、8-4、8-5の順に読むことで、法人ごと取得するリスクと買収後の整理がつながります
- 既に最終契約交渉に近い段階であれば、該当する個別記事に加えて8-5まで確認し、買収後に残る課題を見落としていないかを点検してください
DD発見事項をストラクチャー判断に変える5つの問い
第8テーマをお読みいただく際は、個別制度を覚えることよりも、次の5つの問いを実際の案件へ当てはめてみることが重要です。
1. 本当に取得したいものは何か
会社の法人格、顧客基盤、従業員、設備、許認可、契約、ブランド、ノウハウのうち、買収目的の達成に不可欠なものを特定します。
必要な経営資源が不明確なままでは、不要なリスクまで取得してしまうことも、必要な権利を取得対象から漏らしてしまうこともあります。
2. そのリスクは、どの主体に残るのか
対象会社に残るのか、売主に残るのか、買主へ移るのかを確認します。
株式譲渡契約で売主に補償義務を課したとしても、税務債務や第三者に対する債務が対象会社から消えるわけではありません。契約上のリスク配分と、法的な債務の帰属は、分けて考える必要があります。
3. クロージングまでに移転・同意・解除できるのか
契約、許認可、担保、保証、従業員、銀行口座、関連当事者取引などについて、必要な手続と所要期間を確認します。
「クロージング後に対応する」とした事項が、買収初日からの事業継続を妨げないかどうかを見極めます。
4. 税務・会計・キャッシュへの影響はどこに出るのか
課税が生じる主体、税務上の資産・負債の引継価額、繰越欠損金等の税務属性、買収後の減価償却、のれん、PPA、税効果を確認します。
税金が少ないかどうかだけでは足りません。いつ、誰に、どの程度のキャッシュ流出が生じ、買収後の損益にどう残るのかまで見ておく必要があります。
5. 買収後に管理できる形になっているか
月次決算、資金管理、税務申告、債権債務管理、関連当事者管理、連結報告を、誰が、どのシステムで、いつから行うのかを確認します。
法的に実行できるストラクチャーであっても、買収後に数字を把握できず、資金を管理できないのであれば、経営判断としては不十分です。
ストラクチャーに関する発見事項はどう処理するか
第8テーマで把握した論点は、最終的に次のいずれかへ振り分けていきます。
- そのまま受け入れてよいリスクなのか
- 買収価格や対価条件で調整すべき事項なのか
- 表明保証、補償、誓約事項、前提条件で手当てすべき事項なのか
- クロージング前に解消しなければならない事項なのか
- 買収後の管理課題として引き継げる事項なのか
- ストラクチャーの変更、さらには撤退を検討すべき事項なのか
ここで重要なのは、ストラクチャー変更を「案件の失敗」と捉えないことです。
当初想定した株式譲渡から事業譲渡へ変更することも、事業譲渡から会社分割へ変更することも、DDによって取引目的とリスクが明確になった結果であれば、それは合理的な判断です。
むしろ、既に交渉が進んでいるという理由だけで、DD発見事項を既定のストラクチャーへ無理に押し込む方が危険だといえます。
このテーマで扱わない範囲
第8テーマは、財務・税務DDとストラクチャーの接点に焦点を当てています。
DCF法、マルチプル法、資本コストといったバリュエーション手法の詳細は、別ジャンルで扱います。PPAにおける無形資産評価、取得原価配分、のれんの詳細な会計処理も、専門ジャンルへ委ねます。
買収後の100日計画、人事・組織統合、シナジー実現など、PMIの具体的な実行設計も、本テーマの中心ではありません。ここでは、ストラクチャーとDDの結果が、買収後の税務・会計・管理にどのような課題を残すのか、その範囲までを扱います。
また、個別契約のドラフト、許認可の承継可否、会社法上の詳細な手続については、案件ごとに弁護士その他の専門家による確認が必要です。税制適格要件や税額計算についても、取引当事者、支配関係、対価、実行日、対象資産等によって結論が変わります。実行時点の法令と具体的な事実に基づいて判断してください。
制度の最新性に関する留意
本テーマの法令・制度に関する記述は、2026年7月10日時点で公表されている情報を前提としています。
税務は毎年度の改正により、適用要件、期限、届出、関連する特例が変更される可能性があります。実行の際には、国税庁・財務省が公表する最新の法人税関係法令の改正内容をご確認ください。
出典:国税庁|令和8年度法人税関係法令の改正の概要
また、2026年3月には「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」が取りまとめられ、株式対価M&A等を含む会社法制の見直し議論が進められています。中間試案は現行法そのものではありませんが、今後の改正動向には留意が必要です。
出典:法務省|会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案
ストラクチャーを確定する前に整理しておきたい方へ
M&Aのストラクチャーは、売主の希望、税務上の有利不利、手続の簡便さだけで決められるものではありません。
対象会社にどのリスクがあり、何を取得目的としているのか。そのリスクを価格で調整できるのか、契約で手当てできるのか、それともストラクチャーによって切り離すべきなのか。ストラクチャーを変更した場合、契約、許認可、従業員、税務、会計、買収後管理にどのような影響が生じるのか。
これらを、財務・税務DD、法務DD、取引条件、買収後運営の間で一貫させる必要があります。
犬飼公認会計士・税理士事務所では、検討中のストラクチャー、財務・税務DDの主要発見事項、想定する買収後運営を踏まえ、どの論点を価格、契約、クロージング前対応、買収後管理へ振り分けるべきかを整理しています。
基本合意の前後、DDのスコープ設計時、重大な税務・財務リスクが見つかった時点、最終契約条件を固める前は、いずれもストラクチャーを見直しやすい重要なタイミングです。
現在想定しているスキーム、対象会社の概要、懸念されている財務・税務論点を整理いただいたうえで、お問い合わせページよりご相談ください。
第8テーマの振り返り
| 現在の課題 | 次に読む詳細コラム | 読後に整理できること |
|---|---|---|
| 株式譲渡、事業譲渡、会社分割のどれを選ぶべきか分からない | 8-1 | 取得対象、承継リスク、DD範囲の違い |
| 適格・非適格や繰越欠損金が買収判断へどう影響するか知りたい | 8-2 | 組織再編税制上の制約と契約・価格への接続 |
| 必要な事業だけを買う場合の負担を把握したい | 8-3 | 税務コスト、契約移転、許認可、従業員承継の接点 |
| 経営者保証や役員・関連会社との資金関係を整理したい | 8-4 | クロージング前に解消・調整すべき人的・資金的関係 |
| スキーム選択が買収後に何を残すか確認したい | 8-5 | 申告体制、会計処理、PPAへの接点、管理統合への影響 |
| DDの発見事項を最終判断へ変えたい | 8-1から8-5を順に読む | 受容、価格調整、契約対応、事前解消、買収後対応、ストラクチャー変更の切分け |