質問応答記録書と供述リスク|税務調査で話した内容が不利に使われないために

税務調査では、帳簿や請求書、契約書、領収書、通帳、メール、社内資料といった、さまざまな資料が確認されます。

ただ、資料を見るだけでは事実関係がはっきりしないことも少なくありません。そうした場合、調査官は代表者や経理担当者、現場の担当者、相続人、取引先の関係者などに直接質問をしていきます。

そして、その質問と回答のやり取りが、後日「質問応答記録書」という書面にまとめられることがあります。

ここで気をつけていただきたいのは、質問応答記録書が、その場の雑談を書き留めた程度のメモではない、ということです。

税務調査で話した内容は、取引の実態や意思決定の経緯、税額を減らそうとした意図、資料をいつどのように作成したのか、隠蔽や仮装がなかったか、といった判断の材料として扱われることがあります。とりわけ重加算税が問題になる場面では、この書面に何が書かれているかが、結果を大きく左右しかねません。

節税策そのものは適法な制度の利用であっても、調査での説明が不正確だったり、手元の資料と食い違っていたり、あるいは「税金を減らすためだけに形だけ整えた」と受け取られかねない言い回しになってしまうと、処理の安全性は一気に揺らいでしまいます。

本稿では、質問応答記録書がどのような性格を持つ書面なのか、読み上げ・閲読・署名にどんな意味があるのか、供述に潜むリスク、税理士立会いの重要性、そして節税判断との関わりについて整理していきます。

目次

質問応答記録書とは何か

質問応答記録書とは、税務調査の場で調査担当者が納税者などに質問し、その回答の要旨を問答形式などで記録した書面のことです。

国税庁の説明資料によれば、調査で聴き取った事項の正確性を期すため、課税要件を満たしているかを確認するうえで重要と認められる事項について、問答形式などで質問応答記録書を作成することがあるとされています。あわせて、作成した場合には納税者などに内容を確認してもらい、追加や削除の申立てがあれば、その内容を書き加えるなどして修正しているとも説明されています。
出典:内閣府掲載資料・国税庁|国税庁の税務調査の概要

ここでいう「課税要件」とは、税金を課すために必要となる事実関係を指します。

たとえば法人税であれば、その支出が本当に事業のために必要な費用だったのか。消費税であれば、その取引が課税仕入れに当たるのか。相続税であれば、その財産が本当に被相続人のものではなかったのか。役員退職給与であれば、実質的に退職といえる状態だったのか。

こうした点は、契約書や会計処理だけでは判断しきれないことがあります。そのようなとき、調査官は関係者から事情を聴き取り、供述の内容を記録に残そうとするわけです。

質問応答記録書は「記憶」ではなく「証拠」に近い

税務調査の場では、調査官の質問に対して、つい深く考えないまま答えてしまうことがあります。

「たしか、そうだったと思います」

「税金を減らすためだったと思います」

「顧問税理士に言われたので、詳しくは分かりません」

「実際には、あまり業務はしていなかったと思います」

「資料は、後から作ったものかもしれません」

本人としては軽い説明のつもりでも、こうした言葉が質問応答記録書に記載されると、後になって事実認定の材料として使われることになります。

もっとも、質問応答記録書に書かれた内容が、いつも動かしがたい真実として扱われるわけではありません。裁決例でも、記載内容や署名の有無、他の証拠との整合性などが総合的に検討されています。たとえば、令和5年5月18日の国税不服審判所の裁決では、調査担当職員が質問検査の際の質問と応答の要旨を記録した質問応答記録書を作成し、納税者に読み上げと閲読をさせたうえで、納税者が問答の末尾および各頁に署名した事実が認定されています。
出典:国税不服審判所|令和5年5月18日裁決

とはいえ実務では、署名された質問応答記録書があると、少なくとも「その時点で本人が確認した供述」として扱われやすくなるのが実情です。

だからこそ、この書面は単なる会話の延長ではなく、税務調査における重要な証拠書類として捉えておく必要があります。

なぜ質問応答記録書が作成されるのか

質問応答記録書が作成されやすいのは、調査官が「資料だけでは判断しきれないが、本人の説明を記録しておきたい」と考える場面です。

特に、次のような論点では注意が必要です。

論点質問されやすい内容
決算前の費用計上なぜ期末に支出したのか、実際に役務提供や納品があったのか
外注費・業務委託費誰が、いつ、どの業務を行ったのか、成果物は何か
交際費・福利厚生費誰のための支出か、事業目的か、私的利用はないか
役員給与・役員退職給与実際の職務内容、退任後の関与、報酬決定の経緯
家族・親族への支出業務実態、給与水準、私的支出との区別
不動産・同族会社取引価格決定の根拠、管理実態、資金の流れ
相続・贈与贈与の意思、財産管理、通帳・印鑑の管理状況
消費税取引実態、請求書・インボイス、課税区分、用途区分
海外取引価格設定、役務提供の内容、契約と実態の一致
売上除外・簿外資金売上管理、現金管理、資金の使途、帳簿未記載の理由

税務調査では、契約書や請求書よりも上流で作られる原始資料が重視されます。実際の業務の過程で自然に生まれた資料は、取引の実態を示すものとして扱われやすく、帳簿や請求書との整合性が確認されていきます。

質問応答記録書は、こうした資料の確認だけでは埋まらない「人の認識」「意思決定の経緯」「実態の説明」を記録するために使われるのです。

供述リスクの本質は「嘘をつかないこと」だけではない

税務調査における供述リスクというと、「虚偽の説明さえしなければよい」と考えてしまいがちです。

もちろん、虚偽の説明をしてはいけません。質問検査権に基づく調査では、正当な理由なく資料の提示や提出を拒んだり、虚偽の記載をした帳簿書類などを提示・提出したりした場合には、罰則が問題となることがあります。国税庁のFAQでも、税務当局は罰則があることをもって強権的に権限を行使する考えはなく、必要とされる趣旨を説明し、納税者の理解と協力のもとで調査を行うと説明されています。
出典:国税庁|税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)

ただ、実務で問題になる供述リスクは、嘘に限った話ではありません。

むしろ多いのは、次のようなリスクです。

供述リスク内容
記憶違い時期、金額、相手方、経緯を誤って話してしまう
推測回答資料を確認せず、「たぶん」「普通は」で答える
表現の誤解「節税目的」「適当に」「後から整えた」などの言葉が独り歩きする
事実と評価の混同事実ではなく、自分の感想や解釈を事実のように話す
資料との矛盾帳簿、契約書、メール、入出金記録と説明が合わない
他者説明との矛盾代表者、経理担当者、現場担当者、税理士の説明が食い違う
誘導的な質問への即答質問の前提を確認せず、そのまま認めた形になる
訂正不足読み上げ時に違和感があっても訂正を求めない

税務調査で大切なのは、調査官に迎合することでも、対立することでもありません。

事実を正確に、そして手元の資料と整合する形で説明することです。

質問応答記録書に署名する前に確認すべきこと

質問応答記録書が作成されると、調査官から内容の確認や読み上げ、閲読、そして署名を求められることがあります。

この場面で最も避けたいのは、「だいたい合っているから」「早く終わらせたいから」といった理由で、十分に確認しないまま署名してしまうことです。

確認すべきポイントは、次のとおりです。

確認項目確認すべき内容
回答者誰の発言として記録されているか
質問の前提調査官の質問自体に誤った前提がないか
日付・時期取引日、意思決定日、資料作成日が正しいか
金額概算なのか、確定額なのか、資料と整合しているか
相手方取引先、親族、役員、従業員の関係が正しいか
目的事業目的、資金目的、節税目的の表現が正確か
認識「知っていた」「分かっていた」といった記載が事実と合うか
意図「税金を減らすため」「隠すため」などの表現が過剰でないか
資料との整合契約書、請求書、議事録、メール、通帳と矛盾しないか
留保表現記憶が曖昧な部分が断定表現になっていないか
訂正・追加足りない説明、誤解を招く表現を修正・追加したか

国税庁の説明資料でも、質問応答記録書を作成した場合には、納税者などに内容の確認を求め、追加や削除の申立てがあれば、その内容を書き加えるなどして修正しているとされています。つまり、違和感を覚えたときは、その場で訂正や追加を求めることが、実務上とても大切になります。
出典:内閣府掲載資料・国税庁|国税庁の税務調査の概要

「税金を減らすため」という一言の危うさ

本シリーズは、節税を否定するものではありません。

税法上認められた制度を適切に使い、資金繰りや将来の投資、承継、相続に備えることは、経営における重要な判断です。

しかし、税務調査の場で「税金を減らすためにやりました」とだけ説明してしまうと、その言葉が思わぬ形で不利に働くことがあります。

というのも、調査官が確かめたいのは、単なる動機ではなく、その取引に事業としての実態、経済合理性、資料との整合性があるかどうかだからです。

同じ「税金を減らすため」でも、その中身は大きく違ってきます。

説明の仕方税務上の受け止められ方
税金を減らすためだけに形式を整えた実態のない節税、租税回避、否認リスク
制度趣旨に沿って、設備投資や賃上げを行った制度活用型の節税
退職金原資を計画的に準備した資金需要に基づく税務設計
法人化により事業拡大、信用、資金管理を整えた経営判断としての法人化
相続税だけでなく納税資金や遺産分割を考えた承継全体を見据えた対策

質問応答記録書では、話した言葉が短く整理されて残ります。

だからこそ「なぜ行ったのか」を説明する際には、税額の効果だけでなく、事業目的、資金繰り、将来計画、実行の過程、資料の整備までを一体で語れる状態にしておくことが欠かせません。

重加算税との関係

質問応答記録書が特に大きな意味を持つのは、重加算税が争点になる場面です。

法人税の重加算税に関する国税庁の事務運営指針では、国税通則法第68条にいう「課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し」た場合として、二重帳簿の作成、帳簿書類の破棄・隠匿、帳簿書類の改ざんや虚偽記載、相手方と通謀した虚偽の証ひょう書類の作成、帳簿書類に記録せず売上げその他の収入を脱漏することなどが例示されています。
出典:国税庁|法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)

一方で同じ指針では、相手方との通謀や証ひょう書類等の破棄・隠匿・改ざんによるものなどでない場合について、一定の売上計上の繰延べや経費の繰上計上などが、帳簿書類の隠匿・虚偽記載等に該当しない場合として整理されています。
出典:国税庁|法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)

この区別は、きわめて重要です。

単なる誤り、判断ミス、資料不足、処理時期の誤りと、隠蔽・仮装とは、決して同じものではありません。

しかし質問応答記録書に、「分かっていてやった」「税金を少なくするために売上を入れなかった」「領収書を分けてもらった」「実際とは違う内容で請求書を作った」といった趣旨の記載が残ってしまうと、重加算税の判断に大きく響いてきます。

相続税・贈与税でも事情は同じです。国税庁の相続税・贈与税に関する重加算税の事務運営指針では、相続人などが虚偽の答弁を行ったことや、関係者に虚偽の答弁を行わせたことなども、他の事実関係とあわせて不正事実の判断に関わり得るものとして整理されています。
出典:国税庁|相続税及び贈与税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)

質問応答記録書は、まさにこの「答弁」の内容を記録する書面です。

だからこそ、重加算税が問題になり得る調査では、供述の内容を慎重に管理していく必要があります。

署名を求められたときの基本姿勢

質問応答記録書への署名を求められたとき、最初に考えるべきなのは、「署名するか、しないか」ではありません。

まず確かめるべきは、内容が正しいかどうかです。

内容が正確で、資料とも整合し、必要な補足もきちんと記載されているのであれば、署名に進むという判断もあり得ます。

反対に、内容が不正確だったり、断定的すぎたり、誘導的だったり、あるいは重要な前提が抜け落ちている場合には、そのまま署名すべきではありません。

実務では、おおむね次の順番で対応します。

  1. その場で全文を確認する
  2. 読み上げだけでなく、自分でも閲読する
  3. 記憶が曖昧な部分は、断定表現にしないよう求める
  4. 資料確認が必要な部分は、その旨を記載してもらう
  5. 誤った表現は訂正を求める
  6. 補足すべき事実は追加記載を求める
  7. 税理士が立ち会っている場合は、署名前に確認を受ける
  8. 十分に納得できない場合は、署名の可否を慎重に判断する

署名するかどうかは、税務調査への協力姿勢とは切り離して考える必要があります。

税務調査に協力することと、不正確な書面に署名することは、まったく別のことだからです。

税理士立会いが重要になる場面

質問応答記録書が作成される場面では、税理士の立会いが特に大きな意味を持ちます。

というのも、調査官の質問が単なる事実確認なのか、それとも課税要件を満たす供述を引き出すための質問なのかを、一般の納税者が見極めるのは容易ではないからです。

たとえば、次のような質問には注意が必要です。

質問の例注意点
なぜこの支出をしたのですか事業目的と税額効果を分けて説明する必要がある
税金を減らすためだったのですか「税額効果だけが目的」と誤解されないようにする
実際には仕事をしていなかったのではないですか業務内容、成果物、関与実態を資料で確認する
後から書類を作ったのではないですか作成日、作成目的、原始資料との関係を整理する
売上を入れないことは分かっていたのですか認識、時期、担当者、処理経緯を正確に分ける
これは私的支出だと分かっていましたか事業利用と私的利用の区別を資料に基づき説明する

税理士は、納税者に代わって虚偽の説明をする立場ではありません。

そのうえで、納税者の説明が誤解されないように整理し、質問の前提が誤っていれば確認を求め、資料の確認が必要な場合には即答を避けるよう助言する。こうした役割を担っています。

特に、次のような調査では質問応答記録書の作成が想定されるため、早い段階で専門家が関与しておくべきです。

調査の種類・論点立会いが重要な理由
売上除外が疑われる調査認識、現金管理、帳簿未記載の理由が重加算税に直結しやすい
役員給与・認定賞与私的支出、経済的利益、損金算入制限が絡む
役員退職給与実質退職、退任後の関与、職務内容が問われる
外注費・業務委託費架空外注、給与認定、反面調査と結びつきやすい
相続税調査名義財産、贈与の成立、財産管理の説明が重要
消費税還付・仕入税額控除取引実態、請求書、帳簿、用途区分が問われる
海外取引契約、価格設定、役務提供、メール等との整合が問われる

質問応答記録書を作らせないことが目的ではない

質問応答記録書は危険だから、すべて拒否すべきだ――という話ではありません。

大切なのは、正確な事実を、正確な表現で残すことです。

実際に不適切な処理があり、事実関係も明らかで、納税者側としても認めるべき内容であれば、それを整理して記録に残すことが、かえって早期の解決につながる場合もあります。

その一方で、資料の確認が不十分なまま、調査官の見立てと納税者側の認識が一致しておらず、法的な評価も整理されていない段階で、調査官のストーリーに沿った質問応答記録書が作られてしまうと、後から争うことが難しくなってしまいます。

つまり、問題は「作成されること」そのものではありません。

不正確な内容、誤解を招く表現、資料と矛盾する説明、判断が分かれる論点について、十分に整理しないまま署名してしまうこと。そこにこそ問題があるのです。

調査前に準備すべきこと

質問応答記録書のリスクは、調査当日になってはじめて手を打つ性質のものではありません。

節税策を実行する段階から、後できちんと説明できるようにしておくことが大切です。

準備すべきこと内容
取引目的の整理税額効果だけでなく、事業目的・資金目的を明確にする
意思決定資料の保存稟議書、議事録、検討メモ、専門家との相談記録を残す
原始資料の保存作業日報、メール、見積比較、納品記録、入出金記録を残す
関係者説明の統一代表者、経理、現場、税理士で事実関係を共有する
資金の流れの確認誰に、いつ、いくら、何の対価として支払ったかを整理する
税務上の論点整理損金性、時価、消費税、源泉税、重加算税リスクを確認する
将来影響の整理出口課税、承継、金融機関対応、相続への影響を確認する

税務調査で説明に困る処理は、その多くが、実行前の段階で論点の整理が足りていません。

節税策を安全に実行するには、「実行した後でどう説明するか」ではなく、「説明できる状態で実行するか」を考えておくべきなのです。

調査当日にしてはいけないこと

税務調査の当日には、次のような対応は避けるべきです。

避けるべき対応理由
資料を見ずに記憶だけで答える後から資料と矛盾する可能性がある
分からないことを推測で答える推測が事実として記録される可能性がある
調査官の言葉をそのまま認める質問の前提が誤っている場合がある
早く終わらせるために署名する不利な記録が残る可能性がある
税理士不在で重要論点に答える法的評価を誤る可能性がある
感情的に反論する事実整理から外れ、調査がこじれやすい
虚偽説明をする重加算税や信頼低下につながる
後付け資料を作る隠蔽・仮装と見られる可能性がある

「今すぐ答えなければならない」と思い込む必要はありません。

資料を確認しなければ正確に答えられないことは、正直にその旨を伝え、確認したうえで回答すればよいのです。

署名後にできること

すでに質問応答記録書に署名してしまった場合でも、それですべてが決まってしまうわけではありません。

ただし、対応は早いに越したことはありません。

まずは記載内容を思い出し、調査当日の状況をメモに残しておきます。誰が同席していたか、どのような質問があったか、どの資料を見ながら答えたか、訂正を求めたか、読み上げや閲読はどのように行われたか――こうした点を整理しておきます。

次に、記載内容と矛盾する資料、補足すべき資料、誤解を解くための資料を確認します。

そのうえで、税理士とともに次の対応を検討していきます。

対応内容
調査官への補足説明記録内容に誤解がある場合、早期に補足する
追加資料の提出供述と資料の整合性を整理する
意見書の作成法的評価や事実認定について納税者側の見解を示す
重加算税への反論整理隠蔽・仮装ではなく誤り・資料不足であることを整理する
修正申告の判断認めるべき部分と争うべき部分を分ける
不服申立ての検討更正処分等が行われた場合の対応を検討する

大切なのは、質問応答記録書を放置しないことです。

署名した以上は、その記録を前提として、どこが正確で、どこが不正確なのか、どの資料で補足できるのかを整理していく必要があります。

節税判断における質問応答記録書の意味

節税策は、実行した時点では適法に見えても、税務調査で説明できなければ危うい立場に置かれます。

特に、次のような節税策は、後から質問応答記録書で説明を求められる可能性があります。

節税策説明すべき核心
決算前の費用計上本当に債務が確定し、役務提供が完了していたか
役員報酬の変更改定理由、時期、会社法手続、支給実態
役員退職金実質退職、退任後の関与、支給額の合理性
交際費・福利厚生費事業関連性、相手方、私的支出との区別
外注費業務実態、成果物、外注先の独立性
保険・共済保障目的、資金需要、出口課税の理解
不動産管理会社管理実態、手数料水準、資金の流れ
生前贈与贈与意思、受諾、管理、収益帰属
事業承継対策株価対策の事業目的、資本政策との整合
海外子会社取引価格設定、機能・リスク、文書化資料

質問応答記録書で説明できない節税策は、実行前の設計そのものに問題を抱えている可能性があります。

本当に有効な節税とは、制度をただ使うことではありません。制度の趣旨、取引の実態、資金の移動、証拠資料、将来への影響――これらが一貫して整合している節税こそが、本当の意味で有効な節税なのです。

まとめ|質問応答記録書は「話した内容を残すだけ」の書類ではない

質問応答記録書は、税務調査で聴取された内容を記録する書面です。

しかし、その実務上の意味は、単なる会話メモにとどまるものではありません。

課税要件の認定、否認理由の整理、重加算税の判断、調査結果の説明、修正申告の勧奨、さらには不服申立てや裁判における証拠関係にまで影響し得る、重要な書面なのです。

最後に、この記事の要点を整理しておきます。

重要事項振り返り
質問応答記録書の性格税務調査での質問と回答の要旨を記録する行政文書
作成される場面課税要件の充足性を確認する上で重要な事項がある場合
供述リスク記憶違い、推測回答、断定表現、資料との矛盾が不利に働く
読み上げ・閲読署名前に内容を確認し、誤りや不足があれば訂正・追加を求める
署名の意味内容確認済みの供述として扱われやすくなるため慎重に判断する
重加算税との関係隠蔽・仮装の認定に供述内容が影響することがある
税理士立会い質問の趣旨、前提、法的評価を整理するうえで重要
即答を避けるべき場面資料確認が必要な事実、記憶が曖昧な事項、法的評価が絡む事項
節税判断への示唆税務調査で説明できない節税は、実行前の設計に問題がある可能性がある
実務上の基本姿勢嘘をつかず、推測で答えず、資料と整合する事実を正確に説明する

質問応答記録書や税務調査対応に不安がある方へ

税務調査で質問応答記録書の作成を求められたとき、その場の判断だけで対応するのは危険です。

特に、役員給与・役員退職給与、外注費、交際費、消費税、保険、不動産、相続・贈与、事業承継、M&A、海外取引が絡む場合には、供述の内容が税務否認や重加算税の判断に影響することがあります。

犬飼公認会計士・税理士事務所では、単なる申告処理にとどまらず、税務調査で問われる事実関係、証拠資料、資金の流れ、供述リスク、重加算税リスクを整理し、「説明できる処理」として守れるかどうかを検討する支援を行っています。

税務調査での説明内容に不安がある方、質問応答記録書への対応を慎重に整理しておきたい方、そして節税策が調査でどう見られるのかを事前に確認しておきたい方は、犬飼公認会計士・税理士事務所HPのお問い合わせページよりご相談ください。

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