グループ法人税制・グループ通算制度――単体申告からグループ経営税務へ視野を広げる

会社が1社だけで事業を行っている間は、法人税務の検討対象は比較的はっきりしています。売上、費用、資産、欠損金、税額控除を、その会社単体の決算と申告のなかで整理していけば、多くの論点は見えてきます。

しかし、子会社、兄弟会社、持株会社、事業会社、SPC、買収会社、承継会社といった存在が関係してくると、法人税務は単体申告だけでは完結しません。

黒字会社と赤字会社が同じグループ内にある場合。グループ内で資産を移転する場合。親会社が子会社を売却する場合。グループ内で寄附、債権放棄、費用負担が行われる場合。あるいは、グループ通算制度を適用している場合。こうした場面では、1社だけの損益や税額を見ているだけでは、正しい判断にたどり着けないことがあります。

第7テーマでは、グループ会社を有する企業が避けて通れない「グループ法人税制」と「グループ通算制度」を整理します。

ここで扱うのは、単なる制度解説ではありません。どの会社に利益・損失・欠損金・税負担・資金負担が残るのか。グループ内取引を、どのように説明できる状態にしておくべきか。M&Aや組織再編、子会社売却、税効果会計、金融機関への説明に、どう影響するのか。そうした経営判断に直結する視点から、論点の全体像を確認していきます。

グループ通算制度は、令和2年度税制改正により連結納税制度を見直して導入され、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用されています。国税庁も、連結納税制度から移行した制度として情報を公表しています。
出典:国税庁|グループ通算制度について

また、国税庁のタックスアンサーでは、通算グループ内の欠損法人の欠損金額を所得法人の所得金額の比で配分する損益通算や、修更正事由が生じた場合の遮断措置など、グループ通算制度の基本的な仕組みが整理されています。
出典:国税庁|No.5900 グループ通算制度の概要

グループ税務で最初に分けるべき2つの制度

グループ会社がある場合に混同しやすいのが、「グループ法人税制」と「グループ通算制度」です。

どちらもグループ会社に関する法人税務ですが、その役割は異なります。

グループ法人税制は、主に完全支配関係にある法人間の取引を対象とする制度です。一定の資産移転、寄附金、受贈益、受取配当、株式取引などについて、単体法人同士の通常の取引とは異なる調整を行います。

たとえば、100%グループ内で資産を移転した場合や、グループ内で経済的利益を供与した場合。「グループ内だから自由に処理してよい」とはなりません。取引価格、契約、会計処理、税務調整、株式簿価への影響まで確認する必要があります。
出典:国税庁|平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例(グループ法人税制関係)

一方、グループ通算制度は、一定の完全支配関係にある企業グループについて、各法人が個別に法人税額の計算・申告を行いながら、損益通算や欠損金通算などの調整を行う制度です。

以前の連結納税制度のように、グループ全体をひとつの納税単位として一体で申告するのではありません。各法人を納税単位としつつ、一定のグループ調整を行う点に特徴があります。財務省も、令和2年度税制改正において、企業グループ内の各法人を納税単位としながら損益通算等の調整を行う仕組みへ移行するものとして説明しています。
出典:財務省|所得税法等の一部を改正する法律案について

この2つを分けて理解することが、第7テーマの出発点です。

グループ法人税制は、グループ内取引の処理に関する横断的なルールです。グループ通算制度は、法人税の申告・税額計算において、グループ内の所得や欠損金等をどのように調整するかという制度です。両者は関係し合いますが、同じものではありません。

このテーマで理解できること

第7テーマを読み進めると、まず、グループ会社があるというだけで、法人税務上の確認範囲がどこまで広がるのかを把握できます。

完全支配関係の有無、親子会社・兄弟会社・持株会社の関係、法人による完全支配か個人による完全支配か、国内法人だけか外国法人が関係するか。こうした違いによって、適用される制度も、確認すべき論点も変わってきます。

次に、グループ法人税制とグループ通算制度の違いを整理できます。

グループ法人税制では、100%グループ内の資産移転、寄附金・受贈益、株式取引、受取配当などが問題になります。グループ通算制度では、損益通算、欠損金、開始・加入・離脱、時価評価、投資簿価修正、地方税、税額控除、税効果会計が問題になります。

さらに、グループ税務がM&A・組織再編・事業承継とどのようにつながるのかも見えてきます。

子会社を買収する。赤字会社をグループに入れる。グループ内で合併する。持株会社化する。子会社株式を売却する。事業承継のために資本関係を整理する。こうした場面では、単体の法人税だけでなく、グループ全体の税負担、欠損金の利用可能性、株式簿価、地方税、会計上の税金費用まで見通す必要があります。

なぜグループ税務は経営判断に直結するのか

グループ税務は、申告書の別表を作成する段階になって初めて考えるものではありません。

グループ内取引をどの会社で行うか。資産をどの会社に持たせるか。赤字会社をどのように扱うか。子会社を売却するか。グループ通算制度を適用するか。通算税効果額を精算するか。

いずれも、税額だけの問題ではありません。資金繰り、決算数値、金融機関への説明、M&A価格、後継者への引継ぎにまで影響します。

たとえば、黒字会社と赤字会社が同じグループにある場合、グループ通算制度によって法人税・地方法人税の負担が変わる可能性があります。しかし、地方税でも同じように損益通算できるとは限りません。

税務上の欠損金が残っていても、制度の開始・加入・離脱によって、切り捨てや利用制限が生じることがあります。子会社株式の売却では、投資簿価修正により、株式譲渡損益の見え方が変わることもあります。

グループ通算制度では、欠損金の通算や損益通算についてプロラタ計算が用いられます。特定欠損金と非特定欠損金の区分、開始・加入・離脱時の時価評価、地方税との違い、税効果会計上の回収可能性。これらを区分して管理する必要があります。

つまり、グループ税務は「節税できるかどうか」だけの問題ではありません。

むしろ重要なのは、どの会社に税負担が残り、どの会社の資金が動き、どの会社の決算に税金費用が表示され、将来のM&Aや再編の選択肢にどのような制約を残すのか。この点にあります。

このテーマで扱う詳細コラムの読み方

第7テーマは、7-1から7-8までの8本の詳細コラムで構成されています。

最初に、グループ会社がある場合の法人税務の全体像を確認します。そのうえで、完全支配関係法人間取引とグループ法人税制を整理し、続いてグループ通算制度の基本構造、損益通算と欠損金、開始・加入・離脱、投資簿価修正、地方税・税額控除、税効果会計・事業計画へと進んでいく流れです。

推奨する読む順番は、7-1、7-2、7-3、7-4、7-5、7-6、7-7、7-8です。

ただし、すでに自社がグループ通算制度を適用している場合は、7-3以降を優先していただいて構いません。子会社売却やM&Aを検討している場合は、7-5と7-6を早めにお読みください。税効果会計や繰延税金資産が問題になっている場合は、6-6や6-7を前提に7-8へ進むと、理解しやすくなります。

7-1. グループ会社がある場合の法人税務の全体像

最初に読んでいただきたい導入記事です。

このコラムでは、会社が複数になると法人税務の視点がどのように変わるのかを整理します。単体申告だけを見ていると、グループ内取引、完全支配関係、親子会社間の資産移転、グループ通算制度、出向・転籍、組織再編、M&Aとの接点を見落としてしまうことがあります。

特に、次のような方に向いています。

  • 子会社や兄弟会社があるものの、申告は各社ごとに処理しているだけで、グループ全体の税務影響を十分に見ていない
  • 持株会社化や事業承継を検討している
  • グループ内の貸付金、費用負担、資産移転、配当、赤字会社の扱いに不安がある

こうした場合は、まず7-1でグループ税務の地図を確認してください。

7-1は、第7テーマ全体の入口にあたります。個別制度の詳細ではなく、「どの論点が自社に関係するか」を見つけるための記事です。

7-2. 完全支配関係法人間取引とグループ法人税制

7-2では、100%グループ内の取引を扱います。

完全支配関係にある法人間では、資産の譲渡、寄附金、受贈益、受取配当、株式取引などについて、通常の第三者間取引とは異なる法人税上の調整が生じることがあります。グループ内だから自由に価格を決めてよい、グループ内だから課税関係は問題にならない。そうした理解は危険です。

このコラムは、次のような会社に向いています。

  • グループ内で資産を動かす予定がある
  • 親会社が子会社を支援している
  • 子会社の債務超過や資金不足をグループ内で補填している
  • グループ内の寄附金・受贈益の扱いに不安がある

7-2では、制度の細かな計算に入る前に、完全支配関係の有無、取引当事者、取引目的、価格、契約、会計処理、税務調整を確認することの重要性を整理します。

7-3. グループ通算制度の基本構造

7-3は、グループ通算制度の入口です。

グループ通算制度は、各法人が個別に申告を行いながら、損益通算や欠損金通算などの調整を行う制度です。旧連結納税制度と異なり個別申告方式が採用され、修正・更正があった場合には、原則として他の通算法人への影響を遮断する仕組みが設けられています。

このコラムでは、通算親法人、通算子法人、個別申告、損益通算、遮断措置、地方税との違いなどを、制度全体の骨格として整理します。

グループ通算制度を適用しているものの、実務は申告ソフトや税理士に任せており、経営者や経理責任者が制度の全体像を把握できていない。あるいは、これから制度の適用を検討している。そうした場合に、最初にお読みいただきたい記事です。

7-3では、計算の詳細よりも、「この制度を適用すると、どの単位で所得・税額・申告・修正が動くのか」を理解することを目的としています。

7-4. グループ通算制度における損益通算と欠損金

7-4では、グループ通算制度の中心となる損益通算と欠損金を扱います。

黒字会社と赤字会社が同じ通算グループにある場合、法人税・地方法人税の負担は、単体納税とは異なる結果になることがあります。

ただし、赤字会社の欠損金が、常に自由に使えるわけではありません。欠損金には特定欠損金と非特定欠損金の区分があり、控除限度や使用可能性の判断が必要になります。

このコラムは、次のような会社に向いています。

  • グループ内に赤字会社がある
  • 買収した会社に欠損金がある
  • 過去の欠損金をどこまで使えるか確認したい
  • 税額予測や資金繰りに、グループ通算制度の影響を織り込みたい

ここで重要なのは、欠損金を「残高」だけで見ないことです。発生年度、発生法人、特定・非特定の区分、控除限度、通算グループ全体の所得、地方税での取扱い。そこまで見て、初めて実務判断に使える数字になります。

7-5. グループ通算制度の開始・加入・離脱

7-5では、グループ通算制度を始める、子会社を加入させる、通算グループから離脱する、という場面を扱います。

制度を開始するときや、子会社が通算グループに加入するときには、時価評価、欠損金の切捨て、みなし事業年度、申請・届出、地方税への影響を確認する必要があります。子会社が離脱する場合にも、離脱時の税務処理、欠損金、株式譲渡、投資簿価修正、M&A契約との関係が問題になります。

このコラムは、次のような会社に向いています。

  • グループ通算制度の適用開始を検討している
  • 買収により子会社を取得する
  • グループ内再編を予定している
  • 子会社売却を検討している

グループ通算制度は、適用後の税額だけを比較して判断するものではありません。開始・加入・離脱という入口と出口で何が起きるのかを把握したうえで、制度選択を行う必要があります。

7-6. 投資簿価修正と通算子法人株式の税務

7-6では、第7テーマのなかでも高度な論点である投資簿価修正を扱います。

投資簿価修正は、通算子法人株式の譲渡や離脱の際に、二重課税・二重控除を防ぐための調整として重要な意味を持ちます。子会社の損益や欠損金を通算グループで利用してきた場合、その後に子会社株式を売却すると、株式譲渡損益の計算だけでは実態を適切に反映できないことがあるためです。

このコラムは、子会社売却、グループ離脱、M&A、持株会社再編、債務超過子会社の整理を検討している会社に向いています。

投資簿価修正は、詳細計算だけを追っても理解しにくい論点です。7-6では、子会社株式の税務上の簿価がグループ通算制度の適用によってどのような影響を受け、M&Aや再編の出口でどのような税務リスクになるのかを整理します。

なお、通算子会社株式の会計上の帳簿価額と税務上の帳簿価額との差額は、税効果会計上の一時差異としても問題になり得ます。

7-7. グループ通算制度と地方税・税額控除

7-7では、法人税だけでは判断できない、地方税・税額控除の論点を扱います。

グループ通算制度を適用していても、住民税や事業税について、法人税と同じように損益通算できるわけではありません。法人税・地方法人税では通算制度の影響を受ける一方、住民税・事業税では別の見方が必要になります。また、研究開発税制や外国税額控除など、グループ単位での調整が必要となる制度もあります。

このコラムは、次のような会社に向いています。

  • 法人税の税額だけを見て、通算制度の効果を判断している
  • 地方税の申告・税額予測に不安がある
  • 税額控除を通算グループでどのように管理すべきか確認したい

税負担を経営判断に使うためには、国税だけでなく、住民税、事業税、外形標準課税、税額控除、別表管理まで確認する必要があります。

グループ通算制度を適用している場合でも、住民税・事業税にはグループ通算制度が適用されません。損益通算や欠損金通算を行わずに地方税額を計算する必要がある点には、特に注意が必要です。

7-8. グループ通算制度と税効果会計・事業計画

7-8では、グループ通算制度と会計・事業計画の接点を扱います。

グループ通算制度を適用している場合、繰延税金資産の回収可能性を、自社単体の将来課税所得だけで判断できない場面があります。通算グループ全体の課税所得、各通算法人の将来所得、特定欠損金・非特定欠損金の区分、法人税・地方法人税と住民税・事業税の違い。これらを踏まえて、税効果会計を検討する必要があります。

ASBJの実務対応報告第42号は、グループ通算制度を適用する場合における法人税・地方法人税、税効果会計の会計処理・開示の取扱いを明らかにすることを目的としています。また、同実務対応報告は通算税効果額の授受を行うことを前提としており、授受を行わない場合の会計処理・開示については取り扱っていないとされています。
出典:企業会計基準委員会|実務対応報告第42号 グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い

このコラムは、次のような会社に向いています。

  • 繰延税金資産の計上額に不安がある
  • 赤字子会社を含むグループである
  • 金融機関や株主に税金費用の説明が必要である
  • 事業計画と税務申告の整合性を高めたい

グループ通算制度の税効果会計では、通算グループ全体の企業分類や、他社の課税所得を含めたスケジューリングが必要になります。法人税・地方法人税と住民税・事業税とでは回収可能額の計算方法が異なるため、税金の種類ごとに検討する必要があります。

読者の状況別に見るおすすめの読み方

グループ会社はあるものの、グループ通算制度は適用していない場合は、7-1と7-2から読み始めるのが適しています。グループ法人税制の基本を理解しておくことで、資産移転、費用負担、寄附金、債権放棄、配当、株式取引の処理を確認しやすくなります。

これからグループ通算制度を検討する場合は、7-1、7-3、7-4、7-5の順にお読みください。制度の全体像、損益通算、欠損金、開始・加入時の不利益を把握したうえで、適用メリットを検討する必要があります。

すでにグループ通算制度を適用している場合は、7-4、7-7、7-8を重点的に確認してください。毎年の税額計算だけでなく、欠損金の管理、地方税、税額控除、通算税効果額、繰延税金資産の回収可能性が、実務上の中心になってきます。

子会社買収、子会社売却、グループ再編を予定している場合は、7-5と7-6を早めにお読みください。開始・加入・離脱、時価評価、欠損金切捨て、投資簿価修正は、実行後に気づいても修正が難しい論点です。

税効果会計や金融機関への説明が課題になっている場合は、6-6、6-7を読んだうえで7-8へ進んでください。税効果会計は、申告書上の税額とは異なり、決算書の税金費用、純資産、利益計画、将来課税所得に関係します。

グループ税務で相談前に整理しておきたい資料

第7テーマの各詳細コラムを読む際には、自社グループの資料を手元に置いて確認すると、理解が一段と深まります。

まず必要になるのは、グループ全体の資本関係を示す組織図です。持株割合、議決権割合、直接保有か間接保有か、法人株主か個人株主か、外国法人が関係しているか。これらを確認できる資料をご用意ください。

次に、各社の決算書、法人税申告書、別表四、別表五(一)、別表七、地方税申告書、税額控除に関する別表を準備します。グループ通算制度を適用している場合には、通算前所得、損益通算、欠損金通算、通算税効果額、各社の申告・納付額を確認できる資料が重要になります。

さらに、グループ内取引の契約書、請求書、精算書、貸付契約、債権放棄通知、役務提供契約、出向契約、資産譲渡契約、取締役会議事録、稟議書も確認の対象です。グループ内取引は、形式的な仕訳だけでは足りません。なぜその取引を行ったのか、誰が負担すべき費用なのか、対価は合理的か。これらを説明できる必要があります。

M&Aや組織再編が関係する場合は、買収契約、株式譲渡契約、合併契約、分割契約、株価算定資料、税務デューデリジェンス資料、欠損金明細、固定資産台帳、含み損益資料も必要になります。

税効果会計まで検討する場合は、事業計画、予算、将来課税所得見込、一時差異一覧、繰延税金資産の回収可能性検討資料を準備してください。

通算税効果額については、授受の有無、計算対象、精算方法、精算時期を、社内規程や契約で明文化しているかどうかも重要です。通算税効果額の授受は任意であり、計算対象・計算方法・精算方法が法令で細かく定められているわけではありません。だからこそ、実務上は社内規程や契約で整理しておくことが望まれます。

専門家に相談すべきタイミング

グループ税務は、決算申告の直前だけでなく、取引や意思決定の「前」に相談すべき論点が多い領域です。

グループ内で資産を移転する前。親会社が子会社に資金支援する前。債権放棄を行う前。赤字会社を買収する前。グループ通算制度の適用を検討する前。子会社を売却する前。合併・分割・持株会社化を行う前。繰延税金資産を大きく計上する前。いずれの場面でも、事前に税務影響を確認しておく必要があります。

特に、次のような場合は、早めのご相談が重要です。

  • グループ内で大きな資産移転を予定している
  • 赤字子会社や債務超過会社がある
  • 欠損金を利用したい
  • 子会社株式を売却する可能性がある
  • グループ通算制度を開始・離脱する可能性がある
  • 金融機関へグループ全体の税負担や繰延税金資産を説明する必要がある
  • M&Aや事業承継の前提として、グループ会社の整理を検討している

これらの場面では、単年度の税額だけでなく、別表管理、資金移動、会計表示、株式簿価、地方税、将来の再編余地までを含めて検討する必要があります。

第7テーマの位置づけ

このシリーズでは、第1テーマから第6テーマまでで、法人税申告の基本構造、益金・損金、資産・負債、税額控除、欠損金、税効果会計を整理してきました。

第7テーマは、その理解を単体法人からグループ法人へと広げる位置づけにあります。

ここから先のテーマでは、出向・転籍、組織再編、M&A、資本等取引、事業承継へと進んでいきます。いずれも、グループ会社の存在や資本関係が前提となることの多い論点です。

そのため、第7テーマを理解しておくと、第8テーマ以降の読み方も変わってきます。出向者給与の負担が寄附金になるのか。合併で欠損金を引き継げるのか。M&Aで対象会社の税務リスクをどう見るのか。自己株式や資本政策が、グループ内でどのように影響するのか。こうした論点を、単発の制度としてではなく、グループ全体の税務判断として捉えられるようになります。

グループ法人税制・グループ通算制度の整理をご相談ください

グループ会社がある場合、法人税務は「各社の申告書を作る」だけでは十分ではありません。

どの会社が利益を出し、どの会社が欠損金を持ち、どの会社が資産を保有し、どの会社に資金を集め、どの会社を売却・再編・承継の対象にするのか。これらの経営判断は、法人税、地方税、税効果会計、M&A、金融機関への説明に連動していきます。

犬飼公認会計士・税理士事務所では、グループ会社を有する企業に対して、グループ法人税制、グループ通算制度、グループ内取引、欠損金、投資簿価修正、地方税、税効果会計までを一体で整理する支援を行っています。

グループ通算制度を適用すべきか。既存のグループ内取引に税務リスクがないか。子会社売却や再編の前に何を確認すべきか。繰延税金資産や通算税効果額を、どのように説明すべきか。こうした論点を整理したい場合は、犬飼公認会計士・税理士事務所HPのお問い合わせページよりご相談ください。

制度の結論だけでなく、判断の前提、資料、会計処理、税務調整、将来の選択肢まで含めて整理しておく。それが、後から説明できるグループ税務の判断につながります。

振り返り:第7テーマで押さえるべき全体像

視点このテーマで理解すること関連する詳細コラム
グループ税務の入口単体申告だけでは見えない資本関係・取引・損益・欠損金の論点を把握する7-1
完全支配関係100%グループ内取引で、資産移転、寄附金、受贈益、株式取引を確認する7-2
グループ通算制度の基本個別申告方式、損益通算、遮断措置、地方税との違いを理解する7-3
損益通算と欠損金黒字会社・赤字会社・特定欠損金・非特定欠損金の関係を整理する7-4
開始・加入・離脱制度適用や子会社加入・離脱時の時価評価、欠損金、みなし事業年度を確認する7-5
投資簿価修正通算子法人株式の売却・離脱時の譲渡損益やM&Aへの影響を確認する7-6
地方税・税額控除法人税だけでなく、住民税、事業税、外形標準、税額控除を分けて見る7-7
税効果会計・事業計画繰延税金資産、通算税効果額、将来課税所得、グループ計画を整理する7-8
相談前整理組織図、申告書、別表、契約書、欠損金資料、事業計画をそろえる7-1〜7-8
経営判断への接続税額だけでなく、資金繰り、M&A、再編、承継、金融機関説明への影響を見る第8テーマ以降へ接続