永久節税・繰延節税・単なる資金流出の違い|本当に得をする節税を見極める

節税を考えるとき、いちばん分かりやすいのは「今年の税金がどれだけ減るか」でしょう。

ただ、節税の良し悪しは、今年の税額だけでは判断できません。

今期の法人税や所得税が減っても、実際には将来の税金が増えているだけかもしれません。あるいは、税金は減っても、それ以上に現金が出ていっているのかもしれません。制度上は認められる処理であっても、出口の課税、資金繰り、税務調査、金融機関対応、承継への影響まで見渡すと、実行すべきではないと判断されることもあります。

そこで、節税策を評価するときにまず分けておきたいのが、次の3つです。

区分本質判断上の注意点
永久節税将来に税負担を先送りせず、税負担そのものを適法に減らすもの制度要件、実態、他税目・社会保険料への影響を確認する
繰延節税今期の税負担を将来に先送りするもの将来課税、出口、資金繰りへの影響を確認する
単なる資金流出税金は減るが、それ以上に現金が出ていくもの支出自体に事業上・財産管理上の意味があるかを確認する

この区別をしないまま「節税になるかどうか」だけで判断すると、税金は減ったのに手元資金が細る、将来の税負担が膨らむ、税務調査で説明に窮する、といった結果を招きかねません。

本稿では、「本当に得をする節税」と「見かけだけの節税」を見極めるために、永久節税・繰延節税・単なる資金流出の違いを整理していきます。

目次

節税効果は「税額」ではなく「時間」と「資金」で見る

節税効果を判断するときは、少なくとも次の3つに分けて考える必要があります。

見るべき視点確認すべきこと
税額どの税目が、いつ、いくら減るのか
時間税負担が消えるのか、将来に移るだけなのか
資金税金以外の現金支出、資金拘束、借入返済がどう変わるのか

たとえば、ある支出によって今期の利益が減れば、税額は下がります。しかし、その支出がそもそも不要なものであれば、税金を減らすために現金を減らしただけ、ということになります。

一方、設備投資や賃上げのように、事業の成長や人材の確保のために必要な支出であり、その結果として税額控除や特別償却が使えるのであれば、話は変わってきます。この場合は、節税効果だけでなく、投資効果や将来収益まで含めて評価する意味があります。

つまり節税の判断で問うべきは、「税金が減るか」ではありません。

「税金が減った後、会社や個人の資金・信用・将来の選択肢は良くなるのか」。

この視点を持たないと、節税額だけを前面に押し出す提案に流されやすくなります。

永久節税とは何か

永久節税とは、将来に税負担を先送りするのではなく、適法に税負担そのものを減らす効果を持つものを指します。

もっとも、「永久節税」という言葉は実務で広く使われるものの、税額さえ下がれば何でも永久節税というわけではありません。将来の課税で取り戻されないか。他の税目で負担が増えていないか。社会保険料や資金繰りまで含めて見ても、効果が残るか。ここを確認して初めて、永久節税と呼べます。

永久節税に近い性質を持つものとしては、次のようなものが挙げられます。

類型内容注意点
税額控除要件を満たした場合に法人税額等から直接控除されるもの対象範囲、上限、申告要件、証拠資料が重要
所得控除・特別控除課税所得を制度上減らすもの適用要件と資料保存が必要
税率差・所得区分の活用法人・個人、給与・退職所得などの課税構造の違いを使うもの実態が伴わないと否認リスクがある
税制上の特例政策目的に沿った投資、賃上げ、承継等に対する優遇適用時期、届出、継続要件を確認する

たとえば、賃上げ促進税制のような税額控除制度は、一定の要件を満たす場合に、税額控除という形で税負担を直接軽くする性質を持ちます。

ただし、制度の対象期間、対象法人、給与等支給額の範囲、控除上限、申告要件などを確認しないまま、「賃上げすれば税額控除が使える」と単純化することはできません。令和6年度改正の賃上げ促進税制について、法人では令和6年4月1日から令和8年3月31日までの間に開始する各事業年度が対象とされています。あわせて、令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度を対象とする強化措置も設けられています。制度の適用時期は、実行する年度によって必ず確認しておく必要があります。
出典:経済産業省|賃上げ促進税制出典:中小企業庁|中小企業向け「賃上げ促進税制」

永久節税といえるかどうかは、制度名だけで決まるものではありません。

たとえば役員退職金は、法人側では損金算入、個人側では退職所得課税という点で、大きな税務効果を持ち得ます。退職所得控除は勤続年数に応じて計算され、勤続20年以下の場合は原則として40万円×勤続年数、20年超の場合は800万円+70万円×(勤続年数−20年)で計算されます。
出典:国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

しかし、退職金が大きな節税効果を持ち得るからといって、形式的に退職したことにすればよいわけではありません。実際に退職または分掌変更の実態があるか、職務内容・権限・報酬・退任後の関与がどう変わったか、支給額が過大でないか。こうした点を確認する必要があります。

永久節税に見えるものほど、実態と資料が重みを持ちます。

繰延節税とは何か

繰延節税とは、今期の税負担を軽くする一方で、将来の税負担が増える可能性がある節税を指します。

ここで押さえておきたいのは、繰延節税が悪いわけではない、ということです。

資金繰りを平準化できる。投資回収までの時間を確保できる。今期の納税資金を事業投資に回せる。資金需要が大きい時期に、税負担を後ろ倒しにできる。こうした効果があるなら、繰延節税にも十分な意味があります。

問題は、繰延節税を「税金が消えた」と誤解してしまうことです。

繰延節税の典型例が、減価償却や特別償却です。

本来、固定資産は取得時に全額を費用にするのではなく、耐用年数に応じて費用化していきます。一定の制度によって早期に損金算入できる場合、今期の税負担は軽くなります。しかしその分、将来年度に計上できる減価償却費は少なくなります。つまり、同じ取得価額をどの年度で費用化するか、という「時間の問題」になることが多いのです。

中小企業者等の少額減価償却資産の特例では、取得価額30万円未満の減価償却資産が対象となり、適用年度の合計額は原則300万円までとされています。また、適用を受けるには、事業の用に供した事業年度に損金経理を行い、確定申告書等に明細書を添付して申告することが必要です。
出典:国税庁|No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

こうした制度は、資金繰りの面では有効に働くことがあります。必要な資産を取得し、早期に費用化できるのであれば、投資初期の税負担を軽くできます。

一方で、不要な資産を「今期の税金を減らすため」だけに購入するなら、話は別です。その場合は、繰延節税以前に、単なる資金流出になっている可能性があります。

繰延節税で必ず確認すべき「出口」

繰延節税を判断するときは、入口ではなく出口を確認する必要があります。

入口とは、今期の税金が減る場面です。出口とは、将来に課税が生じる場面です。

節税策入口の効果出口で確認すべきこと
減価償却・特別償却今期の損金が増える将来の償却費が減る、売却時の譲渡損益に影響する
保険保険料の一部または全部が損金になる場合がある解約返戻金、満期金、保険金、退職金原資、受取人課税
共済掛金が損金・所得控除になる場合がある解約手当金、将来受取時の課税、資金拘束
不動産減価償却、評価減、借入による相続税評価圧縮借入返済、空室、修繕、売却時課税、相続人の負担
組織再編課税繰延べ、欠損金利用等の可能性適格要件、欠損金制限、時価評価、将来の再編・売却

とりわけ保険は、入口だけを見ると判断を誤りやすい代表例です。

法人契約の定期保険や第三分野保険については、保険金等の受取人や最高解約返戻率などにより、取扱いが分かれます。保険料を期間の経過に応じて損金算入する場合もあれば、役員等への給与とされる場合、相当多額の前払部分を資産計上する場合もあります。保険期間3年以上の定期保険または第三分野保険のうち、最高解約返戻率が50%を超えるものは「相当多額の前払部分の保険料が含まれるもの」として取り扱われ、資産計上期間がある場合には一定額を資産計上し、残額を損金算入することとされています。
出典:国税庁|No.5364 定期保険及び第三分野保険の保険料の取扱い出典:国税庁|No.5364-2 定期保険及び第三分野保険の保険料の取扱い

つまり保険を使った節税は、「保険料が損金になるか」だけでは判断できません。

解約返戻金はいつ、いくら戻るのか。戻ったときに益金になるのか。退職金原資として使うなら、その退職金の損金性や退職の実態を説明できるのか。保障目的と節税目的の、どちらが主なのか。途中解約した場合、資金繰りはどうなるのか。

出口を見ずに実行した保険節税は、後になって税金と資金繰りの両方を圧迫することがあります。

単なる資金流出とは何か

単なる資金流出とは、税金は減るものの、それ以上に現金が出ていき、事業上・財産管理上の効果が乏しい支出を指します。

これは、節税のなかでも最も誤解されやすい領域です。

たとえば、税率を仮に30%として考えてみます。100万円の支出をすると、課税所得が100万円減り、税金は約30万円減るかもしれません。しかし、現金は100万円出ていきます。結果として、手元資金は差し引き70万円減ることになります。

支出額税金の減少額手元資金への影響
100万円約30万円約70万円の減少

この100万円の支出が、将来の売上、採用、設備更新、業務効率化、信用維持に必要なものであれば、経営判断として意味があります。

しかし、事業に必要のないものを「税金が減るから」と購入するのであれば、それは節税ではありません。税金を払う代わりに、不要な支出をしただけです。

単なる資金流出になりやすい支出には、次のようなものがあります。

支出・取引危険な判断
決算前の駆け込み購入使う予定のない備品や設備を買う
過度な交際費事業関連性や効果が薄い支出を増やす
保険・共済保障や資金計画よりも損金性だけで加入する
不動産投資相続税評価減だけを見て借入・建築する
高額な福利厚生従業員施策ではなく、役員や親族の私的利益に近い
車両・会員権等事業利用の実態や必要性を説明できない

「税金が減る支出」と「事業に必要な支出」は、分けて考えなければなりません。

支出そのものに意味があり、その副次的な効果として税金が減るのであれば、有効な判断になり得ます。反対に、支出の目的が税金を減らすことだけであれば、慎重に見直すべきです。

3つの違いを数字で考える

節税策を判断するときは、税額だけでなく、手元資金と将来課税を並べて見ると整理しやすくなります。

区分今期の税金今期の資金将来の税金実務上の評価
永久節税減る原則として悪化しにくい原則として増えない要件を満たせば有効
繰延節税減る一時的に改善することがある増える可能性がある出口管理ができれば有効
単なる資金流出減る支出により悪化する増えない場合もある支出自体に意味がなければ危険

ここで大切なのは、「繰延節税」と「単なる資金流出」は別物だということです。

繰延節税は、納税の時期をずらすことで資金繰りを整える効果があります。必要な投資や制度利用と組み合わされていれば、経営上の意味を持ちます。

一方、単なる資金流出は、税金を減らすために現金を減らしているだけです。税負担は軽くなっても、会社や個人の財務状態はかえって悪くなることがあります。

節税を比較するときは、次の順番で確認してみてください。

  1. 税金はいくら減るのか
  2. 現金はいくら出ていくのか
  3. 将来、課税される可能性はあるのか
  4. 支出や取引に、税金以外の目的があるのか
  5. 実態と資料で説明できるのか
  6. 金融機関、後継者、相続人、税務署に説明できるのか

この順番で見ていくと、「税額だけ見れば魅力的だが、実行すべきでない節税」が浮かび上がってきます。

永久節税に見えて、実は繰延節税であるもの

節税提案のなかには、永久節税のように見えて、実際には繰延節税であるものがあります。

代表的なのは、次のようなものです。

一見すると実際には
今期の税金が大きく減る将来の償却費や損金が減るだけ
保険料が損金になる解約返戻金や保険金受取時に課税される
不動産で相続税評価が下がる借入返済や空室リスクを相続人が負担する
組織再編で課税を避けられる適格要件や欠損金制限を外すと課税される
会社に利益を残せる将来の配当、退職金、株式移転時に課税される

たとえば、設備投資に伴う特別償却は、今期の所得を大きく減らすことがあります。しかし特別償却は減価償却の前倒しであるため、将来年度の償却費はその分だけ少なくなります。資産そのものが事業に必要であれば意味がありますが、「今期の税金を下げるため」だけに購入するのであれば、資金流出の要素が強くなります。

保険も同じです。保険料を支払った時点では損金効果があるように見えても、解約返戻金を受け取れば益金や所得になります。退職金原資として使う場合でも、退職金の支給額、退職の実態、支給時期、議事録、資金計画まで整っていなければ、出口で問題になります。

不動産を使った相続税対策も、相続税評価の圧縮だけを見れば効果があるように映ります。しかし実際には、借入金の返済、空室、修繕、固定資産税、管理負担、相続人間の分割、将来売却時の譲渡所得まで含めて見る必要があります。

見た目の節税額が大きいものほど、出口を確認しなければなりません。

繰延節税を有効に使える場面

繰延節税は、正しく使えば有効です。

とくに、次のような場面では、納税の時期を調整することに意味があります。

場面繰延節税が有効になり得る理由
設備投資を行う時期投資初期の資金負担を軽くできる
成長投資が続く時期手元資金を採用・開発・営業に回せる
一時的に利益が大きい時期税負担の平準化ができる
退職金支給を予定している時期退職金原資と法人・個人の課税を調整できる
事業承継前の整理株価、資金、役員貸付金、退職金を計画的に整理できる
M&A・組織再編前税負担と実行時期をストラクチャー全体で調整できる

ただし、繰延節税を使うには、将来の利益、資金繰り、出口課税を見込んでおく必要があります。

今期の税金が減るからといって、将来の納税資金を準備していなければ、後で資金繰りが苦しくなります。繰延節税を行うなら、将来の課税時期に合わせて資金が残る設計にしておかなければなりません。

繰延節税は、将来を読まずに使うものではないのです。

単なる資金流出を避けるための判断軸

単なる資金流出を避けるには、支出の前に、次の問いを確認しておく必要があります。

確認すべき問い判断の意味
税金がなかったとしても支出するか事業上の必要性があるか
支出により売上・利益・効率・信用が改善するか経営効果があるか
支出後も資金繰りに無理がないか手元資金が残るか
支出内容を税務調査で説明できるか損金性・経費性があるか
私的支出や役員への経済的利益にならないか認定賞与・給与課税リスクがないか
将来の出口が明確か解約、売却、廃棄、承継時に困らないか

なかでも、「税金がなかったとしても支出するか」という問いは重要です。

税金が減るから買う。税金が減るから加入する。税金が減るから建てる。税金が減るから法人を作る。

このような判断は、税務上も経営上も危険です。

税金がなくても必要な投資であり、その結果として税制上のメリットもある。この順番で考えるべきです。

税務調査で問題になるのは「効果」ではなく「事実」

税務調査で確認されるのは、「節税効果があるか」ではありません。

実際に取引があったか。事業に必要な支出だったか。資産は事業の用に供されているか。契約書、請求書、議事録、入出金記録が整っているか。帳簿や申告書と実態が一致しているか。問われるのは、こうした事実です。

たとえば、決算前に資産を購入しても、事業の用に供していなければ、その期の損金処理や償却が認められないことがあります。納品日や使用開始日を後から都合よく変更するような対応は、単なる節税判断の誤りにとどまらず、隠蔽・仮装の問題に発展する可能性があります。

法人税の重加算税に関する事務運営指針では、帳簿書類の破棄・隠匿、帳簿書類の改ざん、虚偽記載、相手方との通謀による虚偽の証ひょう書類の作成、売上その他収入の脱ろう、棚卸資産の除外などが、隠蔽又は仮装に該当する例として示されています。
出典:国税庁|法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)

税務判断を誤った場合でも、そのすべてが重加算税になるわけではありません。しかし、誤りを隠すために資料を作り替える、事実と違う説明をする、名目を後から合わせる、といった対応をとると、問題の性質そのものが変わってしまいます。

誤りに気づいた場合には、早めに事実関係を整理することが大切です。法定申告期限後に申告内容の間違いに気づいた場合や、納める税金が少なすぎた場合などには、修正申告により訂正することになります。税務署からの調査の事前通知を受ける前に自主的に修正申告をした場合には、過少申告加算税がかからないとされています。ただし、延滞税等が生じる場合があります。
出典:国税庁|No.2026 確定申告を間違えたとき

節税策は、実行前に整理しておくほど安全です。

節税提案を受けたときの見極め方

節税提案を受けたときは、すぐに「得か損か」を判断しないことが大切です。

まずは、次の表に分解してみてください。

確認項目質問
税額効果どの税目が、いつ、いくら減るのか
節税の性質永久節税か、繰延節税か、支出型か
資金負担いくら現金が出て、いつ戻るのか
将来課税解約、売却、退職、相続、承継時に課税されるか
実態事業上の必要性、経済合理性があるか
資料契約書、請求書、議事録、入出金記録は残るか
税務調査後から第三者に説明できるか
信用金融機関、後継者、相続人、取引先に説明できるか

とくに、次のような説明がある場合は、慎重に確認したいところです。

「全額損金になります」
「今期の税金を大きく減らせます」
「将来戻ってくるので実質負担はありません」
「相続税評価が大きく下がります」
「みんなやっています」
「契約書だけ作れば大丈夫です」

これらの説明が必ずしも間違っているわけではありません。

しかし、出口、資金、実態、資料、将来課税を説明せずに、税額効果だけを強調する提案は、慎重に検討すべきです。

本当に有効な節税の条件

本当に有効な節税には、共通する条件があります。

条件内容
税法上の根拠がある制度・要件・期限・申告手続を確認している
事業上の目的がある税金を減らす以外の合理的な目的がある
資金繰りを悪化させない支出額、回収時期、納税資金を確認している
将来課税を見込んでいる出口での税負担を確認している
実態と資料が一致している契約、請求、入出金、会計処理がつながっている
継続運用できる制度や仕組みを導入後も管理できる
第三者に説明できる税務署、金融機関、後継者、相続人に説明できる

節税は、単に税金を減らす技術ではありません。

税金、資金、実態、資料、そして将来の意思決定をつなげていく判断です。

専門家に相談すべき節税判断

次のような節税策は、税額だけでなく、複数の税目や将来影響が絡み合うため、実行前に専門家へ相談したほうがよい場面が多いものです。

相談すべき場面理由
法人成り・個人成り税金、社会保険料、消費税、役員報酬、資金管理が絡む
役員報酬・役員退職金法人税、所得税、社会保険、会社法、実態確認が絡む
保険・共済損金性、資産計上、解約返戻金、出口課税が絡む
不動産投資・不動産管理会社所得税、法人税、消費税、相続税、借入返済が絡む
相続・贈与税額軽減だけでなく、争族防止、納税資金、名義財産が絡む
事業承継・株価対策株価、議決権、後継者、相続税、贈与税が絡む
M&A・組織再編税務、会計、法務、欠損金、みなし配当、時価評価が絡む
税務調査で指摘された節税策事実認定、資料提出、修正申告、重加算税リスクが絡む

相談の目的は、「もっと節税できる方法を探すこと」だけではありません。

むしろ、危険な節税を止めること。永久節税・繰延節税・資金流出を分けること。実行前に資料を整えること。将来の出口を確認すること。専門家が関わる価値は、こうした点にあります。

まとめ:節税額ではなく、手元資金と将来で判断する

節税策を検討するときは、まず次の3つに分けてください。

それは、永久節税なのか。繰延節税なのか。単なる資金流出なのか。

永久節税であっても、制度要件や実態が必要です。繰延節税であっても、将来課税と出口管理が欠かせません。支出型の節税であれば、支出そのものに意味があるかを確認する必要があります。

税金が減ること自体は、悪いことではありません。

しかし、税金を減らすために現金を減らす。将来の税負担を見落とす。実態や資料のない処理を行う。金融機関や後継者に説明できない決算を作る。こうした判断は、会社や財産を守る節税とはいえません。

正しい節税とは、税額だけでなく、資金、実態、資料、将来の選択肢まで含めて判断するものです。

重要事項の振り返り

論点押さえるべきポイント
永久節税将来に税負担を先送りせず、税負担そのものを適法に減らすもの
繰延節税今期の税負担を軽くするが、将来の税負担が増える可能性があるもの
単なる資金流出税金は減るが、それ以上に現金が出ていくもの
支出型節税支出そのものに事業上の意味があるかを確認する
減価償却・特別償却多くは費用化の時期を前倒しする効果であり、出口確認が必要
保険・共済損金性だけでなく、解約返戻金、出口課税、保障目的を見る
不動産節税評価減だけでなく、借入返済、空室、管理、承継を見る
役員退職金節税効果が大きい一方、退職の実態、支給額、議事録が重要
税務調査税額効果ではなく、実態・資料・資金の流れが確認される
専門家相談複数税目、資産移転、出口課税、調査リスクが絡む場合は実行前に整理する

節税策の効果とリスクを整理したい方へ

節税策は、実行前に整理しておけば、選択肢を落ち着いて比較できます。

しかし、実行した後に「思っていた節税ではなかった」と気づいても、契約、支出、資産取得、保険加入、法人化、贈与、組織再編などは、簡単には戻せないことがあります。

犬飼公認会計士・税理士事務所では、節税策を「税金が減るか」だけでなく、永久節税・繰延節税・資金流出のどれに当たるか、将来の出口でどのような課税が生じるか、資金繰りや金融機関対応にどのような影響があるか、税務調査で説明できる資料が整うか、という観点から整理します。

決算対策、役員報酬・退職金、法人化、保険、不動産、相続・贈与、事業承継、M&Aなどの節税判断について、現在の数字と資料をもとに一度整理したい方は、お問い合わせページよりご相談ください。

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