株式報酬の測定・権利確定条件・条件変更|IFRS第2号における付与日公正価値と費用認識の実務判断

株式報酬の会計処理は、「株式を渡すのか、現金を支払うのか」という分類判断から始まります。ただ、実務で決算数値を大きく動かすのは、その入口ではありません。その後に続く測定と費用認識のほうです。

同じストック・オプション、RSU、譲渡制限付株式、パフォーマンス・シェアであっても、認識される費用の時期と金額は一様ではありません。付与日がいつか、勤務条件があるか、業績条件は市場条件か非市場条件か、権利確定期間をどう見積るか。さらに、退職・解雇・M&A・上場・条件変更をどう扱うかによっても、結果は変わってきます。

IFRS第2号は、企業が株式に基づく報酬取引を行った場合に、その影響を純損益および財政状態へ反映するよう求めています。とりわけ従業員へ株式オプションを付与する取引では、従業員サービスの対価として報酬費用を認識することが求められます。
出典:IFRS Foundation|International Financial Reporting Standard 2 Share-based Payment

本記事では、前回の「17-4. IFRS第2号における株式に基づく報酬の分類」を前提に、株式報酬の測定、権利確定条件、費用認識期間、条件変更、取消し・清算を、実務判断として説明できる形に整理していきます。

目次

この記事で扱う範囲

本記事の中心は、株式報酬費用を「いくら、いつ、どの根拠で」認識するか、という一点にあります。

項目本記事で扱う内容
測定の基本構造持分決済型と現金決済型における測定基礎の違い
付与日取引当事者が報酬条件について合意した日、承認条件がある場合の判断
権利確定条件勤務条件、業績条件、株式市場条件、非市場業績条件、権利確定条件以外の条件
費用認識期間権利確定期間、サービス提供開始日、段階的権利確定、退職・解雇条件
公正価値測定株式・ストックオプションの評価、評価モデル、主要インプット
条件変更行使価格の引下げ、付与数の増加、権利確定期間の短縮・延長、業績条件変更
取消し・清算途中取消し、現金清算、代替報酬の付与、失効との区分
監査対応契約条件、評価資料、見積り、内部統制、開示資料化

なお、持分決済型・現金決済型・現金選択権付き取引の分類そのものは、前回記事の中心論点でした。本記事では、分類を終えたあとに、どう測定し、勤務条件や業績条件をどのように財務報告へ反映するかへ焦点を移します。

株式報酬の測定は「評価モデル」ではなく「条件整理」から始まる

株式報酬の測定というと、どうしても評価技法の話に流れがちです。ブラック・ショールズ・モデル、二項モデル、モンテカルロ・シミュレーション、ボラティリティ、期待残存期間、配当利回り、無リスク利子率――。

評価モデルが重要であることは、間違いありません。ただ、監査やレビューの場で最初に問われるのは、数式そのものではないのです。多くの場合、それより先に問われるのは、次のような事項です。

検討事項実務上の意味
付与日はいつかどの日の公正価値を使うかが決まる
従業員はいつからサービスを提供しているか費用認識を開始する時点が決まる
権利確定条件は何か公正価値に反映する条件か、数量見積りで反映する条件かが決まる
市場条件か非市場条件か失敗した場合に費用を戻すかどうかが変わる
権利確定期間は固定か変動か費用配分期間が変わる
途中退職時の取扱いは何か失効、権利確定、条件変更、取消しの区分が変わる
条件変更は従業員に有利か不利か増分公正価値を追加認識するかが変わる
取消し・清算か、単なる失効か即時費用認識や追加費用の有無が変わる

IFRS第2号を実務の視点から眺めても、権利確定条件、付与日、測定、条件変更、取消し・清算は、それぞれ独立した章として整理されるほど重みを持ちます。とりわけ条件変更・取消し・清算は、通常の付与時測定とは別の判断を要します。

こうして見ると、株式報酬の測定は、評価専門家にモデル計算を依頼する前段で決まる部分が大きいと分かります。まず必要なのは、契約条件を会計上の条件分類へ翻訳する作業です。

持分決済型と現金決済型で測定の発想が異なる

株式報酬の測定は、前回記事で整理した分類によって、その発想が大きく変わります。

分類測定の基本事後再測定損益への影響
持分決済型原則として付与日公正価値を基礎に測定原則として公正価値の再測定はしない権利確定期間にわたり費用認識
現金決済型負債の公正価値を基礎に測定決済まで各報告日および決済日に再測定公正価値変動を純損益に認識
現金決済型から持分決済型への変更変更日時点で負債を再測定し、資本へ振替変更後は持分決済型として処理差額を純損益に認識する場合がある
現金選択権付き選択権の所在と義務に応じて負債部分・資本部分を検討負債部分は再測定条件により損益変動が生じる

現金決済型の株式報酬では、企業が負債を負います。そのためIFRS第2号は、各報告期間末および決済日に負債を公正価値で測定し、その変動を純損益へ認識するよう求めています。
出典:IFRS Foundation|International Financial Reporting Standard 2 Share-based Payment

一方、持分決済型では、従業員サービスそのものを直接測定することが通常は難しいため、付与した資本性金融商品の付与日公正価値を基礎に測定します。ここで固定されるのは公正価値の単価であって、費用認識額の全体ではありません。勤務条件や非市場業績条件がある場合には、最終的に権利確定すると見込まれる報酬数を見積り、その見積りの変更に応じて累積費用を調整していきます。

IFRS第2号の「公正価値」はIFRS第13号の公正価値と同じではない

「公正価値測定」という言葉を聞くと、IFRS第13号を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし株式報酬では、ここに注意が要ります。

IFRS第2号は「公正価値」という用語を用いるものの、株式に基づく報酬取引は、IFRS第13号の公正価値測定の範囲から除外されているのです。実務上も、IFRS第2号の公正価値と本源的価値、ストック・オプション評価における測定基礎、IFRS第13号の適用外となった背景は、株式報酬に固有の測定論点として扱われます。

したがって、株式報酬の評価資料に「IFRS第13号に基づく公正価値」とだけ記しても、それで足りるわけではありません。IFRS第2号に従った測定であること、そして株式報酬に固有の条件をどう反映したかを、明確に示す必要があります。

ストック・オプションでは、とりわけ次のインプットが監査上の重点になります。

インプット監査・レビュー上の確認ポイント
株価付与日株価、非上場会社の場合の株式価値評価
行使価格契約上の行使価格、条件変更後の行使価格
予想ボラティリティ過去株価、類似上場会社、期間整合性
予想残存期間行使行動、退職行動、権利行使制限
配当利回り配当方針、過去実績、資本政策
無リスク利子率期間に対応する国債利回り等
市場条件株価目標、TSR条件、指数連動条件
非流動性・譲渡制限権利確定前後の制限、保有義務、売却制限

評価モデルをどれにするか、という選択以上に問われるのは、その先です。インプットの根拠、条件の反映方法、評価日と付与日の整合性、そして事後的な変更の扱いを、きちんと説明できるかどうか。ここが要になります。

付与日の判断|「承認日」ではなく「合意日」を見る

持分決済型の従業員株式報酬では、付与日公正価値が測定の基礎になります。だからこそ、付与日がいつかは、費用認識額に直接効いてきます。

付与日とは、企業と従業員など取引の相手方が株式に基づく報酬契約に合意し、その条件について共通の理解を持った日を指します。株主総会や報酬委員会の承認が必要な場合には、その承認が得られた日が付与日となることもあります。実務では、取締役会・株主総会の承認、ウェブサイトへの掲載、個別通知といった事象を踏まえ、どの時点で企業と従業員が報酬条件に合意したといえるかを判断していきます。

具体的には、次のように整理できます。

事象付与日判断への影響
報酬委員会が制度案を承認条件が未確定であれば付与日とは限らない
取締役会が付与条件を決議従業員側の受諾・共通理解があるか確認
株主総会承認が必要承認が実質的条件であれば承認日まで付与日にならない可能性
対象者・付与数が未確定共通理解が成立していない可能性
対象者へ個別通知付与条件の共有・受諾の証拠になり得る
雇用契約・報酬通知で条件合意済み形式的承認日より前後する可能性を検討
付与日前から勤務サービスが始まる付与日前に費用認識が必要となる場合がある

付与日前にサービス提供が始まる場合

付与日が確定していなくても、従業員がすでに報酬を得るための勤務サービスを提供し始めていることがあります。たとえば、新しい報酬制度が発表され、従業員がその制度を前提に勤務を続けているものの、株主総会の承認は後日になる、といった場面です。

このような場合には、サービス提供開始日から費用認識を始めます。付与日が確定するまでは公正価値を見積り、付与日が確定した時点で、実際の付与日公正価値との差額を調整する。そうした実務判断が必要になります。従業員が報酬パッケージ制度に付随する条件を満たすためにサービスを提供し始める日を、費用認識開始の観点から検討する、という考え方です。

この論点は、決算期末をまたぐ株主総会承認型の役員向け株式報酬、IPO準備会社のインセンティブ制度、M&A後のリテンション株式報酬などで、問題になりやすい領域です。

権利確定条件の分類が測定を左右する

IFRS第2号において、権利確定条件は勤務条件と業績条件に限られます。業績条件はさらに、株式市場条件と、株式市場条件以外の条件に分かれます。勤務条件にも業績条件にも当たらないものは、権利確定条件以外の条件として扱われます。

ここで押さえておきたいのは、反映のされ方の違いです。勤務条件と株式市場条件以外の業績条件は、公正価値測定には反映せず、権利確定が見込まれる報酬数の見積りで反映します。一方、株式市場条件と権利確定条件以外の条件は、公正価値測定に反映します。

条件分類公正価値測定への反映数量見積りへの反映
勤務条件3年間継続勤務、一定日まで在籍原則として反映しない退職見込み・在籍見込みで反映
非市場業績条件売上高、EBITDA、営業利益、ROIC、EPS目標原則として反映しない達成見込みに応じて権利確定数を見積る
株式市場条件株価目標、TSR、株価指数比較付与日公正価値に反映条件未達による数量調整はしない
権利確定条件以外の条件権利確定後の保有義務、譲渡制限、一定の競業禁止条項など公正価値に反映原則として権利確定数の見積りには反映しない

この分類は、費用を戻すかどうかに直結します。

非市場業績条件が達成されないと見込まれる場合には、権利確定数の見積りを減らします。そして、最終的に権利確定しない部分については費用を認識しない、あるいは既に認識した額を戻す、という処理になります。

これに対して株式市場条件では、その達成可能性が付与日公正価値にあらかじめ織り込まれています。したがって、勤務条件など他の権利確定条件が満たされる限り、たとえ株価目標が未達に終わっても費用は戻しません。

ここが、IFRS第2号の株式報酬測定で最も誤りやすい分岐点です。

勤務条件|退職見込みと費用認識期間をどう見積るか

勤務条件とは、従業員が所定期間の勤務を完了することを求める権利確定条件です。勤務期間の途中で、理由を問わず勤務を中止した場合、通常は条件を満たさないことになります。

勤務条件がある場合、企業は権利確定期間にわたってサービスを受け取ります。そのため、費用もその期間にわたって認識します。権利確定が見込まれる報酬数は、退職見込み、対象者の異動、解雇予定、出向、休職、定年退職、早期退職制度の影響を踏まえて見積ります。

実務では、次の点が重要になります。

論点確認すべき事項
退職見込み過去退職率、対象者属性、年齢、役職、地域、制度導入後の実績
定年退職定年到達時に権利を失うか、維持するか
good leaver死亡、障害、会社都合退職、定年退職時に権利を維持するか
bad leaver自己都合退職、懲戒解雇、競業違反時の失効条件
休職・出向勤務サービスとして扱うか、権利確定期間に影響するか
グループ内転籍連結グループ内の勤務継続として扱うか
M&A後の雇用継続取得後勤務の対価として費用認識するか

とくに、good leaver条項がある制度では、退職イコール失効とは限りません。退職事由によって権利が維持される場合には、勤務条件がいつ充足されたと考えるか、残存勤務期間をどう見積るかが、実務上の論点になります。

業績条件|市場条件か非市場条件かで会計処理が変わる

業績条件は、一定期間の勤務に加えて、一定の業績目標の達成を求める条件です。

このうち、株価や企業価値、株主総利回り(TSR)など、市場価格に基づく条件は株式市場条件です。一方、売上高、営業利益、EBITDA、ROE、ROIC、EPS、セグメント利益、サステナビリティ指標など、株価そのものではない業績指標に基づくものは、通常、株式市場条件以外の業績条件として検討します。

業績指標通常の検討方向
売上高非市場業績条件
営業利益・EBITDA非市場業績条件
ROE・ROIC非市場業績条件
EPS非市場業績条件として検討することが多いが、株価連動要素の有無を確認
TSR株式市場条件
株価目標株式市場条件
株価指数に対する相対パフォーマンス株式市場条件
IPO達成勤務条件・業績条件・非権利確定条件のいずれかを契約実態から検討
M&A成立契約条件、支配変更条項、勤務要求との関係を検討

非市場業績条件の場合は、達成見込みに応じて権利確定数を見積ります。たとえば、3年後のEBITDA目標達成を条件とするPSUであれば、各期末に達成可能性を見直し、権利確定が見込まれる株式数に基づいて累積費用を調整していきます。

株式市場条件の場合は、達成可能性が付与日公正価値に織り込まれています。そのため、勤務条件が満たされる限り、株価目標が未達でも、会計上は費用を認識し続けることになります。

この処理は直感に反します。だからこそ、監査チームや経営管理部門への説明では、「費用を認識する根拠は、株式市場条件の達成ではなく、勤務サービスの受領にある」という点を、はっきり伝えておく必要があります。

権利確定条件以外の条件|保有義務・譲渡制限・競業禁止条項

株式報酬契約には、権利確定後の縛りが付されることがあります。一定期間は株式を売却できない、退任後も一定期間は保有しなければならない、競業した場合には返還義務が生じる、といった条件です。

これらは、必ずしも権利確定条件ではありません。権利確定後に適用される譲渡制限や保有義務、競業禁止条項は、勤務条件でも業績条件でもなく、権利確定条件以外の条件として扱われる場合があります。

そして、この区分は会計処理に大きく影響します。

条件会計上の主な影響
権利確定前の勤務条件権利確定数の見積りに反映
権利確定前の非市場業績条件権利確定数の見積りに反映
権利確定後の譲渡制限公正価値測定に反映する可能性
権利確定後の保有義務公正価値測定に反映する可能性
競業禁止条項条件の内容により権利確定条件以外の条件として検討
返還条項失効条件か、クローバックか、負債認識が必要かを検討

役員向け株式報酬では、退任後一定期間の保有義務、マルス・クローバック条項、不正会計時の没収条項などが設けられることがあります。ガバナンス上は重要な設計です。ただIFRS第2号の観点からは、それが権利確定条件なのか、非権利確定条件なのか、あるいは別個の負債または偶発事象なのかを、慎重に切り分ける必要があります。

費用認識期間|「制度期間」と「サービス期間」は一致しないことがある

株式報酬費用は、通常、従業員がサービスを提供する期間にわたって認識します。ただし、制度上の期間、権利確定期間、サービス提供期間、評価上の期待残存期間は、必ずしも同じ長さとは限りません。

用語意味
制度期間報酬制度全体が有効な期間
権利確定期間権利確定条件が満たされるべき期間
サービス提供期間従業員が報酬の対価として勤務サービスを提供する期間
期待残存期間オプション評価において行使までの期間を見積る概念
ロックアップ期間権利確定後に売却・譲渡が制限される期間

たとえば、3年間の勤務条件付きRSUであれば、通常は3年間にわたって費用を認識します。しかし、業績条件によって権利確定期間が変動する場合や、退職可能年齢への到達によって実質的なサービス期間が短くなる場合には、費用認識期間を見直さなければなりません。

業績条件によって権利確定期間の長さが変わる場合、その後の情報によって権利確定期間の見積りが従前と異なる可能性が高まったときには、必要に応じて見積りを修正します。

この見積り変更は、単なる計算の更新ではありません。経営計画、業績予測、退職実績、対象者の異動、M&A・組織再編の影響を踏まえた判断です。監査対応の場では、期末時点で入手可能な情報に基づいて、なぜその権利確定数・権利確定期間の見積りが合理的といえるのかを、説明できる状態にしておく必要があります。

段階的に権利確定する報酬

株式報酬には、付与した株式やオプションが一括で権利確定するのではなく、毎年一定割合ずつ権利確定していく設計があります。

たとえば、3年間で毎年3分の1ずつ権利確定するストック・オプションや、4年間で25%ずつ権利確定するRSUなどです。

こうした場合、すべてを一つの報酬とみなし、単純に平均期間で費用配分してよいとは限りません。各トランシェが異なる権利確定期間を持つのであれば、実質的に複数の報酬として測定・費用配分すべきかどうかを検討します。段階的に権利確定する資本性金融商品や、多数の権利確定条件がある場合の費用配分は、それ自体が個別の論点です。

実務では、次の事項を確認します。

確認事項実務上の意味
各トランシェの権利確定日費用認識期間が異なる可能性
各トランシェの条件同一条件か、異なる業績条件か
失効時の扱い未確定分だけ失効するか、全体が失効するか
行使可能期間各トランシェで異なるか
評価モデルトランシェごとに期待残存期間が異なるか
開示未行使数・権利確定数をどう説明するか

段階的権利確定は、リテンションの手段としては有効です。その一方で、会計上は費用配分を複雑にします。対象者が多い場合には、付与単位、トランシェ、失効率、権利確定数を管理するシステムやスプレッドシートの統制が、重要な意味を持ってきます。

条件変更の基本原則|不利な変更では費用を減らせない

株式報酬の条件変更は、実務で頻繁に起こります。株価下落後のストック・オプション行使価格の引下げ、業績目標の見直し、権利確定期間の短縮、付与数の増加、M&A後の報酬制度の置換――。いずれも典型的な場面です。

IFRS第2号のもとでは、持分決済型の株式報酬について、企業は少なくとも、付与した資本性金融商品の付与日公正価値で測定したサービスを認識しなければなりません。そのうえで、報酬契約の公正価値総額を増加させる変更、あるいは従業員に有利となる変更の効果を、追加的に認識します。たとえば行使価格の引下げなどで公正価値が増加する場合には、条件変更後の公正価値と、当初報酬の条件変更日時点の公正価値との差額――すなわち増分公正価値を、条件変更日から変更後報酬の権利確定日までの期間にわたって認識します。

この基本原則を一覧にすると、次のようになります。

条件変更会計上の基本的な考え方
行使価格の引下げ増分公正価値を追加認識
付与数の増加追加された資本性金融商品の公正価値を追加認識
権利確定期間の短縮従業員に有利な変更として追加認識・費用認識期間見直しを検討
市場条件の緩和・削除増分公正価値を追加認識
非市場業績条件の緩和権利確定数の見積り変更として反映
条件を厳しくする変更原則として当初付与日公正価値ベースの費用を減らさない
公正価値を減少させる変更原則として当初測定額を継続認識
条件変更と同時に一部取消し取消し部分と条件変更部分を分解して検討

行使価格引下げの処理

株価が下落し、ストック・オプションが大きくアウト・オブ・ザ・マネーになると、従業員のインセンティブを保つために行使価格を引き下げることがあります。

このとき、従業員にとっては報酬価値が増加します。そこで、条件変更日時点で増分公正価値を測定し、残存する権利確定期間にわたって追加費用を認識します。当初の付与日公正価値に基づく費用は、引き続き当初の権利確定期間にわたって認識していきます。

実務上のポイントは、比較の基準を取り違えないことです。「条件変更後の公正価値」と「条件変更直前の公正価値」を、同じ条件変更日で比較します。付与日公正価値と条件変更後公正価値を、そのまま突き合わせるわけではありません。

付与数の増加

条件変更によって従業員に付与される株式数やオプション数が増える場合には、追加された資本性金融商品の公正価値を条件変更日時点で測定し、追加報酬として認識します。

すなわち、条件変更で資本性金融商品の数が増加したときは、追加分の公正価値を条件変更日現在で測定し、条件変更日から追加分の権利が確定する日までの期間にわたって認識する、という取扱いです。

権利確定期間の短縮

権利確定期間を短縮する変更は、従業員がより早く権利を得られるため、通常は従業員に有利な変更として検討します。この場合には、費用認識期間を、短縮後の権利確定期間に合わせて見直す必要があります。

ただし、単なる費用の前倒しで終わる話ではありません。その変更が公正価値を増加させているのか、勤務条件や業績条件を緩和しているのか、失効見込みに影響するのか。これらを切り分けて整理します。

従業員に不利な条件変更をした場合

会社が業績悪化を理由に、業績目標を厳しくする、行使価格を引き上げる、権利確定期間を延長する、付与株式数を減らす、といった条件変更を行うことがあります。

IFRS第2号のもとでは、従業員に不利な条件変更をしたからといって、当初付与日公正価値に基づく費用を単純に減額することはできません。有利な変更は追加認識する一方で、不利な変更による公正価値の低下は、原則として費用の減額には反映しないのです。

これは、付与日公正価値によって勤務サービスの対価を測定した以上、その後の企業都合による条件変更で費用認識を恣意的に減らすことを防ぐ、という考え方に基づきます。

ただし、非市場業績条件や勤務条件の見積りが変わる場合には、権利確定数の見積り変更として累積費用を調整することがあります。ですから、「不利な条件変更だから何も変わらない」と単純化せず、どの条件が変更されたのかを丁寧に整理することが求められます。

複数の条件変更を同時に行う場合

実務では、行使価格を引き下げる一方で権利確定期間を延長する、付与数を減らす一方で業績条件を緩和する、といった複合的な条件変更が行われることがあります。

複数の条件変更が同時に行われる場合には、従業員の利益となる変更と、そうでない変更とを整理します。付与した資本性金融商品の公正価値を増加させる変更や市場条件の変更については増分公正価値を認識し、公正価値を減少させる変更については付与日公正価値に基づく費用認識を継続する、という考え方です。

複数変更の処理では、次の順序で整理すると、実務上も説明しやすくなります。

ステップ検討内容
1変更前の報酬条件を確認する
2変更後の報酬条件を確認する
3変更内容を、価格変更、数量変更、勤務条件変更、業績条件変更、市場条件変更に分解する
4従業員に有利な変更か、不利な変更かを判断する
5増分公正価値があるかを測定する
6非市場条件について権利確定数の見積りを見直す
7取消し・清算に該当する部分がないか確認する
8条件変更後の費用認識スケジュールを作成する
9監査人向けに変更理由、評価資料、承認資料を整理する

なお、報酬委員会や取締役会の議事録には、「従業員インセンティブ維持」「報酬水準の適正化」「離職防止」といった目的が記されることがあります。こうした経営上の目的は、条件変更が従業員に有利かどうかを判断する際の、補助的な証拠になります。

取消し・清算|失効とは処理が異なる

株式報酬の取消し・清算は、単なる失効とは扱いが異なります。

たとえば、会社が未確定のストック・オプションを取消す、未確定報酬を現金で清算する、既存オプションを新しいオプションに置き換える。こうした取引では、IFRS第2号上、取消しまたは清算として特別な処理が必要になります。

持分決済型の報酬が権利確定期間の途中で取り消された場合、企業は、取消しがなければ残りの権利確定期間に認識したであろう金額を、取消日時点で直ちに認識します。また、清算に際して支払額が、清算日に測定される報酬の公正価値を上回るときには、その超過額を追加費用として認識することがあります。清算時点での報酬費用認識と、支払額が清算日の公正価値を超過する場合の追加報酬費用――この二つを押さえておく、という整理です。

事象会計上の主な扱い
勤務条件未達による失効権利確定しない報酬として費用を戻す可能性
非市場業績条件未達による失効権利確定数をゼロまたは減少として調整
株式市場条件未達勤務条件等が満たされる限り費用を戻さない
会社都合による取消し取消日時点で残存費用を即時認識
現金清算支払額と公正価値の関係を検討
代替報酬の付与置換報酬として識別される場合は条件変更として処理
置換と識別されない新報酬旧報酬の取消しと新報酬の付与を分けて処理

この区分は、M&A後の報酬制度統合、上場準備会社のストック・オプション再設計、株価下落時のオプションリプライシングなどで、問題になります。

条件変更か、新規付与か、取消し・置換か

既存報酬を取り消して新しい報酬を付与する場合、会計上は次の三つの可能性があります。

区分判断のポイント
条件変更既存報酬の条件を変更したものとして扱う
取消しと新規付与既存報酬を取り消し、新しい報酬を別個に付与したものとして扱う
置換報酬新しい報酬が取り消された報酬の置換として識別される

既存の資本性金融商品の取消しに関連して従業員へ新たな資本性金融商品が付与され、その新たな報酬が、取り消された資本性金融商品の置換として識別される場合には、当初の資本性金融商品の条件変更として会計処理します。

実務では、次の資料を確認します。

資料確認事項
取締役会議事録旧報酬の取消し理由、新報酬との関係
報酬委員会資料置換目的、インセンティブ再設計の説明
従業員通知書旧報酬との交換条件、同意の有無
新旧契約書取消し条項、置換条項、権利放棄条項
評価資料条件変更日前後の公正価値、増分公正価値
開示資料条件変更、未行使数、費用影響の説明

「新しい制度だから新規付与」と機械的に判断するのは危険です。旧報酬の放棄と新報酬の付与が経済的に連動している場合には、条件変更または置換報酬としての処理が必要になります。

現金決済型株式報酬の測定と条件

現金決済型の株式報酬では、負債を公正価値で測定し、決済まで再測定を続けます。そのため、持分決済型と比べて、株価変動や業績見込みの変化が損益に反映されやすくなります。

2016年6月に公表されたIFRS第2号の修正では、いくつかの点が明確化されました。現金決済型株式報酬における権利確定条件および権利確定条件以外の条件が測定へ与える影響、源泉税の純額決済要素、そして現金決済型から持分決済型への分類変更の会計処理です。
出典:IFRS Foundation|IFRS 2 Share-based Payment

現金決済型であっても、勤務条件や非市場業績条件は、公正価値そのものではなく、権利確定が見込まれる報酬数の見積りで反映します。一方、市場条件や権利確定条件以外の条件は、公正価値測定に反映します。この点は、持分決済型の考え方と整合的に整理できます。

条件現金決済型での扱い
勤務条件権利確定見込み数に反映
非市場業績条件権利確定見込み数に反映
株式市場条件負債の公正価値測定に反映
権利確定条件以外の条件負債の公正価値測定に反映
決済までの株価変動負債再測定を通じて純損益に反映

現金決済型では、期末評価が繰り返し発生します。そのため、評価モデル、対象者数、権利確定見込み、株価、業績条件の見直しが、毎期の内部統制の対象になります。

現金決済型から持分決済型へ分類変更する場合

報酬制度を見直し、従来は現金決済だった株価連動報酬を、将来は株式交付型へ変更することがあります。この場合には、分類変更としての会計処理が必要です。

2016年6月のIFRS第2号修正では、現金決済型から持分決済型へ分類が変わる条件変更の会計処理が明確化されました。企業は、変更日時点で現金決済型負債を再測定したうえで、その負債の認識を中止し、変更後の持分決済型報酬を認識します。差額は、純損益に認識されることがあります。
出典:IFRS Foundation|IFRS 2 Share-based Payment

実務では、次の事項を確認します。

確認事項実務上の意味
現金決済義務が消滅したか負債認識中止の判断
新たな株式報酬の付与日変更後報酬の測定日
変更前負債の公正価値再測定額の基礎
変更後資本性金融商品の公正価値資本認識額の基礎
既提供サービスと将来サービス累積費用と将来費用の配分
契約変更の承認日取締役会・株主総会承認との関係
開示条件変更の内容と費用影響の説明

この論点は、報酬制度の見直しにとどまりません。IPO前後、M&A後、海外子会社の報酬制度統合でも生じてきます。

M&A時の置換報酬とIFRS第3号との関係

企業結合の場面では、被取得企業の既存ストック・オプションや株式報酬を、取得企業の株式報酬に置き換えることがあります。この場合には、IFRS第2号とIFRS第3号の両方を検討します。

取得企業が被取得企業従業員の既存報酬を置き換える場合、その置換報酬の公正価値は、取得前勤務に対応する部分と、取得後勤務に対応する部分に分けられることがあります。取得前勤務に対応する部分は取得対価に含まれ、取得後勤務に対応する部分は株式報酬費用として認識される可能性があります。

M&Aの実務では、PPAの過程で識別可能資産・負債やのれんを測定するだけでは足りません。取得対価と取得後報酬を切り分ける作業も必要になります。PPAでは、取得原価を取得した資産・負債へ配分し、残余としてのれん等を認識します。そのため、報酬契約が取得対価なのか取得後勤務の対価なのか、という判断は、のれんと取得後損益の双方に影響してきます。

とりわけ、売主兼経営者に対する継続勤務条件付き報酬、アーンアウト、リテンション株式、M&A後のPSUは、注意を要します。これらが取得対価、条件付対価、取得後勤務報酬、退職給付、現金賞与のいずれに当たるのかを、慎重に整理する必要があります。

株式報酬測定における見積りと監査上の説明責任

株式報酬の測定には、多くの見積りが含まれます。

見積り項目主な不確実性
退職率対象者の将来退職、組織再編、リテンション施策
業績条件達成見込み経営計画、予算、外部環境、M&A効果
株価ボラティリティ過去株価、類似会社、非上場会社の推定
期待残存期間行使行動、ロックアップ、退職時行使
配当利回り配当方針、資本政策
非上場株式価値事業計画、資本政策、優先株条件、流動性
条件変更時の増分公正価値変更前後条件、評価モデル、変更日株価
権利確定期間勤務期間、業績達成時期、退職可能性

会計上の見積りは、将来事象の結果に左右されるため、正確には測定できない金額を概算するものです。経営者の仮定によって財務諸表に大きな影響が及びうるため、監査上も重要な論点になります。見積りと実績に乖離が生じたときには、それを単なる乖離として片づけるのではなく、原因を掘り下げます。事後的な環境変化によるものなのか、それとも見積時点で考慮すべきだった事項を見落としていたのか。ここを検討する必要があります。

株式報酬では、とくに次の説明が監査上重要になります。

監査上の問い説明すべき内容
なぜその付与日か合意、承認、通知、条件確定の証拠
なぜその公正価値か評価モデル、インプット、外部評価、株価根拠
なぜその退職率か過去実績、対象者属性、将来見込み
なぜその業績達成見込みか予算、経営計画、取締役会資料、感応度
なぜ市場条件として扱ったか条件が株価・TSR等に連動している根拠
なぜ非市場条件として扱ったか業績指標の性質、会計上の分類根拠
なぜ条件変更として処理したか新旧報酬の関係、置換・取消しの有無
なぜ追加費用が必要か増分公正価値、清算額、公正価値超過額

内部統制として整えるべき情報

株式報酬には、人事、法務、税務、経営企画、IR、経理、海外子会社と、多くの部署が関わります。そのぶん、決算統制が弱くなりやすい領域です。対象者リスト、退職・異動情報、業績条件達成見込み、権利確定数、評価モデル、開示数値が別々の部署で管理されていると、数値の不整合が生じやすくなります。

内部統制としては、次の情報を整備しておきます。

項目整備すべき資料
制度設計報酬規程、取締役会・報酬委員会資料、株主総会議案
付与条件契約書、個別通知書、対象者リスト、付与数
付与日承認日、通知日、受諾日、条件確定日
評価評価報告書、モデル、インプット、感応度
対象者管理在籍状況、退職予定、異動、休職、出向
業績条件予算、実績、見通し、経営会議資料
条件変更新旧契約、変更理由、承認資料、増分公正価値
取消し・清算取消通知、清算契約、支払額、公正価値
税務源泉税、税務上の損金算入時期、繰延税金
開示株式報酬注記、EPS、役員報酬、関連当事者

株式報酬制度は、設計段階から会計・税務・開示を巻き込んでおくことが肝心です。そうしないと、決算時に付与日が確定できない、退職率の根拠がない、業績条件の分類が整理されていない、評価モデルのインプットが監査に耐えない、といった問題が表面化しかねません。

経営判断としての株式報酬測定

株式報酬は、会計処理の問題であると同時に、報酬制度・資本政策・人材戦略・ガバナンスの問題でもあります。

日本企業の役員報酬制度は、この十数年で大きく変わってきました。会社法の施行、コーポレートガバナンス・コードの導入、社外取締役の役割拡大、株主との対話の進展が、その背景にあります。役員報酬は、もはや従業員報酬の延長ではありません。役員としての責務、業績責任、企業価値向上へのインセンティブを反映する制度として設計されるべきもの、という位置づけへと移ってきています。

IFRS第2号の測定は、こうした報酬制度を財務報告へと翻訳する作業にほかなりません。

経営上の設計意図会計上の検討
株主との利害共有持分決済型か、希薄化影響はどう説明するか
中長期インセンティブ権利確定期間、業績条件、費用認識期間
リテンション勤務条件、退職時の失効・維持条件
業績連動性市場条件か非市場業績条件か
株価下落時の再設計条件変更、増分公正価値
M&A後の人材維持取得対価か、取得後勤務報酬か
グローバル報酬制度グループ内取引、現地税務、源泉税
役員報酬開示制度内容、費用、未行使数、条件変更の説明

経営者にとって本当に重要なのは、「費用を小さくする制度」ではありません。「制度目的と、財務報告上の表現とが整合している制度」です。会計処理が制度目的を過度に歪めてしまう場合には、設計段階で、報酬委員会・法務・税務・会計・IRが共同で検討すべきでしょう。

実務判断メモに含めるべき項目

株式報酬の測定・条件変更について監査対応メモを作成するときは、少なくとも次の項目を含めておくと、説明可能性が高まります。

項目記載内容
制度概要報酬目的、対象者、付与形態、決済方法
分類判断持分決済型、現金決済型、現金選択権付き
付与日判断合意、承認、通知、条件確定の時点
サービス提供開始日付与日前サービスの有無
権利確定条件勤務条件、業績条件、市場条件、非市場条件
非権利確定条件保有義務、譲渡制限、競業禁止、クローバック
測定方法付与日公正価値、評価モデル、インプット
費用認識権利確定期間、トランシェ、退職率、累積費用
条件変更変更内容、従業員に有利か、増分公正価値
取消し・清算失効との区分、即時費用認識、支払超過額
M&A関係取得対価か取得後勤務報酬か
税効果税務基準額、損金算入時期、源泉税
開示株式報酬注記、役員報酬、EPS、関連当事者
監査証拠契約書、議事録、評価資料、対象者データ、承認資料

このメモで大切なのは、結論だけを書き記すことではありません。代替的な見方を検討したうえで、なぜ最終結論が妥当なのかを説明することです。たとえば、「市場条件ではなく非市場業績条件と見る余地はないか」「条件変更ではなく取消し・新規付与ではないか」「付与日は承認日ではなく個別通知日ではないか」。こうした問いを一度くぐらせておくと、判断の説得力が増します。

まとめ|株式報酬の測定は、報酬制度の経済実態を期間損益へ配分する判断である

IFRS第2号における株式報酬の測定は、単なるオプション評価ではありません。

持分決済型であれば、付与日公正価値を基礎に、勤務サービスの提供に応じて費用を認識します。勤務条件や非市場業績条件は、権利確定が見込まれる報酬数の見積りに反映します。株式市場条件や権利確定条件以外の条件は、公正価値に反映されるため、達成・未達の結果だけを理由に費用を戻すことはできません。

現金決済型であれば、負債を各報告日に公正価値で再測定し、その変動を純損益へ反映します。条件変更があれば、従業員に有利な変更か、増分公正価値があるか、取消し・清算に該当するかを検討します。既存報酬を新報酬に置き換える場合には、条件変更、取消し、新規付与のいずれとして扱うのかを、契約条件と経済実態から説明する必要があります。

株式報酬制度の導入、条件変更、M&A時の報酬制度統合、IPO前後のインセンティブ設計、非上場株式の評価、権利確定条件の分類、監査対応資料の作成――こうした場面で判断に迷われることがあれば、犬飼公認会計士・税理士事務所のお問い合わせページよりご相談ください。契約条件、報酬制度の設計、評価前提、IFRS第2号上の測定、税務・会社法上の留意点、監査説明、そして開示への落とし込みまで、説明可能な実務判断として整理いたします。

振り返り

論点重要ポイント
測定の出発点分類、付与日、権利確定条件を整理してから評価モデルに入る
持分決済型原則として付与日公正価値を基礎に測定する
現金決済型負債を決済まで各報告日に公正価値で再測定する
IFRS第2号の公正価値IFRS第13号の公正価値測定とは別に、IFRS第2号に従って測定する
付与日企業と従業員等が報酬条件について合意し、共通理解を持った日
承認条件株主総会・取締役会承認が実質的条件なら、承認日まで付与日にならない可能性
付与日前サービス従業員が報酬のために勤務を開始していれば、付与日前から費用認識が必要となる場合がある
勤務条件公正価値には反映せず、権利確定見込み数に反映する
非市場業績条件達成見込みに応じて権利確定数を見積り、累積費用を調整する
株式市場条件付与日公正価値に反映し、条件未達だけでは費用を戻さない
権利確定条件以外の条件譲渡制限、保有義務、競業禁止条項などは公正価値に反映する可能性
権利確定期間制度期間と一致するとは限らず、サービス提供期間を検討する
段階的権利確定トランシェごとに費用認識期間・評価前提を検討する
条件変更従業員に有利な変更は増分公正価値を追加認識する
不利な条件変更原則として当初付与日公正価値に基づく費用を減らさない
行使価格引下げ条件変更日時点の増分公正価値を残存権利確定期間にわたり認識する
付与数増加追加された資本性金融商品の公正価値を追加認識する
取消し・清算単なる失効と区別し、残存費用の即時認識や追加費用を検討する
置換報酬新報酬が旧報酬の置換として識別される場合、条件変更として扱う可能性
M&A時の報酬取得対価か取得後勤務報酬かを切り分ける
監査対応契約書、承認資料、評価資料、対象者データ、条件変更メモを整える
実務上の核心報酬制度の設計意図を、会計上の条件分類・測定・費用認識へ翻訳すること
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