確定申告で「控除」という言葉を聞くと、税金が戻ってくる制度、あるいは節税ができる制度、といったイメージが先に立つかもしれません。
たしかに、所得控除も税額控除も、税負担を調整するうえで欠かせない制度です。医療費が多くかかった年、住宅を取得した年、寄附をした年、扶養関係が変わった年、退職や転職があった年などは、控除の有無によって納税額や還付額が変わってきます。
ただ、控除は「領収書があるから使える」「年末調整で出し忘れたから確定申告すればよい」という単純な話ではありません。
個人の所得税では、まず1年間の所得を整理したうえで、そこから所得控除を差し引いて課税所得金額を求めます。次に、その課税所得金額に税率を適用して税額を計算し、さらに一定の税額控除などを差し引いて、最終的な申告納税額へと進んでいきます。所得税は、1年間のすべての所得金額から所得控除額を差し引いた残りの金額に税率を適用して計算する仕組みです。出典:国税庁|No.1000 所得税のしくみ
こうして流れを見ていくと、控除を正しく判断するには、控除そのものだけを見るのでは足りないことがわかります。収入の種類、所得区分、年末調整の有無、他の所得の申告、住民税への影響、そして翌年以降の手続まで含めて整理していく必要があります。
この記事では、各控除の細かな計算方法には立ち入りません。所得控除と税額控除の全体像、年末調整と確定申告の関係、そして申告前に確認しておきたい判断軸を整理していきます。
所得控除と税額控除は、税金への効き方が違う
所得控除と税額控除は、どちらも所得税の負担を調整する制度です。ただ、税金への効き方はそれぞれ異なります。
所得控除は、税率を掛ける前の「所得」から差し引くものです。国税庁は、所得控除について、社会政策上の要請、納税者の個人的な事情への配慮、最低生活費の保障といった趣旨から、税負担面での調整を行う制度だと説明しています。所得控除の要件に当てはまる場合には、各種所得の金額の合計額から所得控除の合計額を差し引き、その残額を基礎として所得税額を計算します。出典:国税庁|No.1100 所得控除のあらまし
これに対して税額控除は、課税所得金額に税率を掛けて算出した所得税額から、一定額を直接差し引くものです。出典:国税庁|No.1200 税額控除
この違いは、実務のうえでとても大切です。
所得控除は、控除額そのものが税金から直接引かれるわけではありません。課税所得を減らすことで、税率を掛ける対象を小さくする、という働き方をします。ですから、同じ控除額であっても、適用される税率によって税額への影響は変わってきます。
一方の税額控除は、計算された税額から直接差し引くため、所得控除に比べて税額への影響が見えやすい制度だといえます。とはいえ、税額控除であっても、控除できる税額の上限、控除しきれない場合の取扱い、住民税への影響、添付書類、初年度申告の要否といった点は、あらためて確認しておかなければなりません。
控除を見る前に、まず所得税の計算順序を押さえる
控除を検討する前に、まずは所得税の計算の流れを押さえておきましょう。
大きく整理すると、所得税は次の順序で考えていきます。
- 収入を所得区分ごとに整理する
- 必要経費や給与所得控除などを反映し、各所得金額を計算する
- 所得控除を差し引き、課税所得金額を求める
- 課税所得金額に税率を掛け、所得税額を計算する
- 税額控除を差し引く
- 源泉徴収税額、予定納税額などを反映し、納付または還付を判断する
この流れを踏まえずに、「医療費控除を入れれば還付になる」「住宅ローン控除があるから税金はゼロになる」と考えてしまうと、判断を誤ることがあります。
たとえば、所得控除を追加しても、そもそも課税所得が十分になければ、税額への影響は限られます。逆に、税額控除があっても、控除前の所得税額や住民税側の取扱いによっては、期待したほどの効果にならないこともあります。
さらに、所得税率は課税される所得金額に応じて段階的に変わります。国税庁の所得税率表では、課税される所得金額に応じて5%から45%までの税率が示されています。出典:国税庁|No.2260 所得税の税率
つまり控除の効果は、控除名だけを見て判断するものではありません。所得金額、所得区分、税率、他の控除との関係まで踏まえて見ていく必要があります。
所得控除には、人に関する控除と支出に関する控除がある
所得控除は、大きく「人に関する控除」と「支出に関する控除」に分けて考えると、理解しやすくなります。
人に関する控除には、基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、特定親族特別控除などがあります。
これらは、家族構成や生活の実態、本人や親族の所得状況に応じて適用を判断します。「扶養しているつもり」「仕送りをしている」「同居している」といった感覚だけでは足りません。生計を一にしているか、合計所得金額はいくらか、年齢要件を満たすか、他の人の控除対象になっていないか、青色事業専従者・白色事業専従者に該当しないか、といった点を一つずつ確認していくことになります。
支出に関する控除には、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除などがあります。国税庁は、所得控除の種類として、これらに加えて配偶者控除、扶養控除、基礎控除、特定親族特別控除などを挙げています。出典:国税庁|No.1100 所得控除のあらまし
支出に関する控除で鍵になるのは、「誰のために支払ったのか」「いつ支払ったのか」「証明書や明細書があるのか」「保険金や補助金で補填されていないか」という点です。
たとえば社会保険料控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者や親族が負担すべき社会保険料を支払った場合に、その支払った金額について所得控除を受けられる制度です。控除できる金額は、その年に実際に支払った金額、または給与や公的年金から差し引かれた金額の全額となります。出典:国税庁|No.1130 社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除も、個人事業主やフリーランスの方にとって見逃せない控除です。対象となる掛金には、小規模企業共済契約の掛金、企業型・個人型の確定拠出年金の加入者掛金などがあり、控除できる金額はその年に支払った掛金の全額です。出典:国税庁|No.1135 小規模企業共済等掛金控除
税額控除は、税額から直接差し引くが、要件確認が重い
税額控除は、計算された所得税額から直接差し引く仕組みです。そのぶん効果は分かりやすいのですが、適用要件や提出書類の確認は、むしろ丁寧に行う必要があります。
代表的なものには、住宅借入金等特別控除、配当控除、外国税額控除、政党等寄附金特別控除、認定NPO法人等寄附金特別控除、公益社団法人等寄附金特別控除、住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除などがあります。
たとえば配当控除は、総合課税の配当所得がある場合に一定額を控除する制度ですが、申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得については適用できません。出典:国税庁|No.1200 税額控除
このように税額控除は、「対象になる支出や取引があるか」だけで判断できるものではありません。「どの課税方式を選んだか」「他の控除と選択適用になるか」「確定申告が必要か」「添付書類がそろっているか」まで確認していきます。
その典型が住宅ローン控除です。個人が住宅ローン等を利用してマイホームを新築・取得・増改築した場合、一定の要件を満たせば、住宅ローン等の年末残高等をもとに計算した金額を所得税額から控除できます。出典:国税庁|No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除
ただし、住宅ローン控除を初めて受ける場合には、住宅の区分に応じた提出書類を添付して確定申告をする必要があります。出典:国税庁|住宅ローン控除を受ける方へ|令和7年分 確定申告特集
給与所得者の場合、住宅ローン控除は2年目以降であれば年末調整で処理できることがあります。しかし初年度は確定申告が必要になりますので、この点を見落とさないようにしたいところです。
年末調整で済む控除と、確定申告が必要な控除を分ける
給与所得者の方が控除を考えるとき、最初に分けておきたいのは、「年末調整で反映される控除」と「確定申告が必要な控除」です。
年末調整で扱われることが多いものには、基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、2年目以降の住宅ローン控除などがあります。
一方、医療費控除、雑損控除、寄附金控除、住宅ローン控除の初年度、特定支出控除、一定の税額控除、年末調整で反映しきれなかった控除などは、確定申告が必要になることがあります。
ここで意識しておきたいのは、「年末調整で出し忘れたから確定申告をすればよい」という一言では片づかない、という点です。
確定申告をする場合は、控除だけを追加すればよいわけではなく、その年に申告すべき所得の全体を整理する必要があります。副業収入、不動産収入、株式等の売却、配当、退職所得、雑所得、一時所得などがあれば、控除の申告とあわせて、他の所得の申告要否や申告方式まで確認しておかなければなりません。
ふるさと納税も注意が必要です。ふるさと納税は、地方公共団体への寄附金として、確定申告における寄附金控除の対象となります。一定限度額までは、寄附金額から2,000円を差し引いた金額が、所得税と翌年度の個人住民税から控除されます。ワンストップ特例を利用した場合であっても、確定申告が必要になると、寄附金控除もあわせて申告に含める必要が生じる場面があります。出典:国税庁|ふるさと納税をされた方へ|令和7年分 確定申告特集
医療費控除は、支払額だけでなく、補填金と生計一の確認が重要
医療費控除は、給与所得者の方が確定申告を行う代表的な理由の一つです。
医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までの間に、自己または自己と生計を一にする配偶者・親族のために医療費を支払い、その金額が一定額を超えるときに適用されます。対象となるのは、その年中に実際に支払った医療費であり、未払いの医療費は、現実に支払った年の対象になります。出典:国税庁|No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
実務では、次のような点で誤りが起きやすいと感じます。
まず、医療費の領収書を単純に合計するだけでは足りません。保険金、高額療養費、出産育児一時金などで補填される金額がある場合には、一定の範囲で差し引く必要があります。
次に、誰の医療費を含めるかについて、「生計を一にする」関係を確認します。同居か別居かだけで結論を出すのではなく、生活費、学資金、療養費の負担関係など、実態を丁寧に整理していくことが大切です。
また、医療費控除を受けるには、医療費控除の明細書を確定申告書に添付する必要があります。領収書は自宅で5年間保管しておくことになり、セルフメディケーション税制を選ぶ場合には、通常の医療費控除との選択適用となります。出典:国税庁|医療費控除を受ける方へ|令和7年分 確定申告特集
医療費控除は、「還付が受けられるかどうか」だけの制度ではありません。家族分を含める根拠、補填金の把握、領収書や医療費通知の保存、そして他の所得を申告することの影響まで、あわせて確認していく控除だといえます。
寄附金は、所得控除と税額控除の選択が生じることがある
寄附金控除には、所得控除として扱われるものと、一定の場合に税額控除を選択できるものがあります。
国税庁は、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して「特定寄附金」を支出した場合に、所得控除を受けられると説明しています。また、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等への寄附金、公益社団法人等への寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて税額控除を選択できる場合があります。出典:国税庁|No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)
ここで大切なのは、「寄附をした」という事実だけで判断しないことです。寄附先が対象になるのか、証明書があるのか、所得控除と税額控除のどちらを選べるのか、住民税側の取扱いはどうなるのか。こうした点を一つずつ確認していきます。
ふるさと納税についても、確定申告をする場合にはワンストップ特例との関係を確認し、寄附金額を申告に反映させる必要があります。住宅ローン控除、医療費控除、副業所得の申告などと同じ年に行うのであれば、単独の控除としてではなく、申告全体のなかに位置づけて考えることが望ましいでしょう。
扶養・配偶者・親族関係の控除は、所得要件と生活実態を確認する
扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除などは、年末調整で処理されることが多いため、あまり意識せずに申告している方も少なくありません。
しかし、これらの控除は、所得要件、年齢、生計一、居住状況、他の人の控除との重複、専従者給与との関係など、確認すべき事項が多い分野でもあります。
たとえば配偶者特別控除は、配偶者の所得が一定額を超えて配偶者控除を受けられない場合であっても、配偶者の所得金額に応じて一定の所得控除を受けられることがある制度です。令和7年分以後は、配偶者の所得要件にも改正が入っています。出典:国税庁|No.1195 配偶者特別控除
さらに、令和7年分以後の所得税については、特定親族特別控除が創設されました。国税庁は、特定親族の合計所得金額に応じて控除額が定められること、そして同制度が令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税に適用されることを示しています。出典:国税庁|No.1177 特定親族特別控除
加えて、令和8年度税制改正により、所得税の基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正などが行われます。これらは原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。出典:国税庁|令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について
このように、扶養・配偶者・親族関係の控除は、毎年同じ感覚で処理してよいものではありません。本人や親族の収入、所得、年齢、同居・別居、留学、仕送り、事業専従者の有無などを、申告対象となる年分ごとに確認していく必要があります。
特定支出控除は、給与所得者の「経費のような支出」ではない
給与所得者の方から相談を受けることのある制度に、特定支出控除があります。
給与所得者が一定の特定支出をした場合で、その年の特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超えるときは、確定申告によって、その超える部分を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができます。対象となるのは、通勤費、職務上の旅費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費などです。出典:国税庁|No.1415 給与所得者の特定支出控除
ただし特定支出控除は、給与所得者が自由に経費を申告できる制度ではありません。職務の遂行に直接必要であること、給与の支払者等による証明が必要であること、一定の支出類型に該当することなど、いくつかの要件があります。
個人事業主の必要経費と同じ感覚で、「仕事に関係するから控除できる」と判断すると、誤りにつながります。給与所得者には、すでに給与所得控除が設けられています。そのため特定支出控除は、例外的で限定的な制度として理解しておくのが適切です。
控除を入れることで、他の所得の申告が必要になることがある
控除を使うかどうかを判断するとき、見落とされやすいのが「確定申告をすること自体の影響」です。
医療費控除や寄附金控除を受けるために確定申告をする場合、その控除だけを申告書に追加すればよいわけではありません。その年に申告すべき所得、源泉徴収済みの所得、申告不要を選択できる所得、分離課税の所得、損失の繰越を検討する所得などを、全体として確認していく必要があります。
たとえば、給与所得者が医療費控除を受けるために確定申告をする年に、副業収入、原稿料、講演料、暗号資産取引、株式等の売却、配当、不動産収入などがあるとします。この場合は、それらの申告要否や申告方式もあわせて確認することになります。
また、所得税では有利に見える申告が、住民税、国民健康保険料、保育料、各種の所得制限に影響することもあります。とりわけ配当所得や株式等の譲渡所得、扶養関係、医療費控除、寄附金控除が絡む場合は、所得税だけで結論を出さないほうがよい場面があります。
控除は「税金が下がる項目」ではありますが、申告全体のなかでは、所得をどう出すか、どの方式を選ぶか、翌年以降に何が残るか、といった判断と一体になっています。
控除判断で確認すべき資料
控除を検討するときは、少なくとも次の資料を整理しておくと、判断が進みやすくなります。
| 確認する資料 | 主な目的 |
|---|---|
| 源泉徴収票 | 年末調整済みの控除、給与収入、源泉徴収税額を確認する |
| 控除証明書 | 生命保険料、地震保険料、小規模企業共済等掛金などを確認する |
| 社会保険料の支払資料 | 国民年金、国民健康保険、介護保険料などの支払額を確認する |
| 医療費通知・医療費領収書 | 医療費控除の対象額、補填金、支払年を確認する |
| 寄附金受領証明書 | 寄附金控除・寄附金特別控除の対象を確認する |
| 住宅ローン控除関係書類 | 初年度申告、年末残高、登記事項、契約内容、住宅区分を確認する |
| 家族の所得資料 | 配偶者控除、扶養控除、特定親族特別控除などの所得要件を確認する |
| 他の所得に関する資料 | 副業、不動産、株式、配当、退職所得などの申告要否を確認する |
| 過年度申告書 | 前年以前の控除、繰越、申告方式との整合性を確認する |
資料がそろわないまま控除の可否だけを判断すると、あとから修正が必要になることがあります。
とりわけ、医療費控除、住宅ローン控除、寄附金控除、特定支出控除、扶養関係の控除では、証明資料や相手方の所得資料が重要な意味を持ちます。税務署から説明を求められたとき、申告書の数字と資料がきちんとつながる状態にしておくことが大切です。
控除は「還付のため」だけではなく、説明できる申告のために整理する
所得控除も税額控除も、税金を少なくするための制度です。
しかし専門家の立場からは、控除を「使えるものは何でも入れる」という発想だけで扱うべきではないと考えています。
大切なのは、次の問いに答えられる状態にしておくことです。
この控除は、どの所得を前提に適用しているのか。控除対象者の所得や生活実態は確認できているのか。支払った事実を証明する資料は残っているのか。年末調整で反映済みなのか、それとも確定申告で追加するものなのか。確定申告をすることで、他の所得も申告対象にならないか。所得税だけでなく、住民税や翌年以降に影響しないか。そして将来、税務署や金融機関に説明できるか。
控除は、税額を下げるための項目であると同時に、個人の生活、働き方、資産形成、家族関係、住宅取得、医療費負担、寄附、退職・転職といった事実を、税務上どう整理するかという判断の領域でもあります。
申告書の控除欄をただ埋めるのではなく、控除の根拠となる事実と資料を整えておく。それが、あとからきちんと説明できる確定申告につながっていきます。
専門家に相談した方がよい場面
次のような場合は、控除だけでなく申告全体を整理しておいたほうがよいでしょう。
| 状況 | 注意すべき理由 |
|---|---|
| 医療費控除や寄附金控除のために初めて確定申告する | 他の所得や住民税申告への影響を確認する必要がある |
| 住宅ローン控除初年度の申告を行う | 添付書類、住宅区分、居住開始時期、他控除との関係を確認する必要がある |
| 副業、不動産、株式売却、配当などがある | 控除だけでなく所得区分・申告方式の判断が必要になる |
| 配偶者や扶養親族の収入が増減した | 所得要件、年齢要件、生計一、控除対象の重複を確認する必要がある |
| 退職・転職・複数勤務があった | 年末調整未了、社会保険料、退職所得、源泉徴収票の整理が必要になる |
| 過去の控除漏れに気づいた | 還付申告、更正の請求、修正申告の違いを確認する必要がある |
| 所得税だけでなく住民税・国民健康保険料への影響が気になる | 申告内容が翌年度の負担に波及する可能性がある |
控除の判断は、それ単独では終わりません。所得区分、必要経費、資料保存、申告方式、住民税、そして翌年以降の手続と、いくつもの要素につながっています。
所得控除・税額控除の整理で不安がある方へ
所得控除や税額控除は、制度名だけを見ると身近に感じられます。しかし実際には、所得の種類、年末調整の有無、家族の所得、支払資料、住宅取得、寄附、医療費、退職・転職、副業や不動産収入との関係によって、確認すべき内容が変わってきます。
「控除を使えるか」だけでなく、「この申告内容を後から説明できるか」「他の所得や住民税まで含めて整合しているか」「翌年以降の申告に影響しないか」まで確認しておきたい場合は、早い段階で専門家に相談されることをおすすめします。
犬飼公認会計士・税理士事務所では、単に申告書を作成するだけでなく、収入・所得区分・控除・資料保存・将来の税務リスクを整理したうえで、説明可能な確定申告を支援しています。控除の適用や確定申告全体の整理に不安がある方は、犬飼公認会計士・税理士事務所HPのお問い合わせページからご相談ください。
振り返り
| 重要事項 | 確認すべきポイント |
|---|---|
| 所得控除と税額控除は違う | 所得控除は課税所得を減らし、税額控除は計算後の税額から直接差し引く |
| 控除は申告全体の中で判断する | 控除だけでなく、他の所得、申告方式、住民税への影響を確認する |
| 年末調整で済むものと確定申告が必要なものを分ける | 医療費控除、住宅ローン控除初年度、寄附金控除、特定支出控除などは確定申告が必要になり得る |
| 人に関する控除は生活実態と所得要件が重要 | 配偶者、扶養親族、特定親族などは、年齢、所得、生計一、重複適用を確認する |
| 支出に関する控除は資料保存が重要 | 領収書、控除証明書、医療費通知、寄附金受領証明書などを整理する |
| 制度改正に注意する | 基礎控除、給与所得控除、扶養親族等の所得要件などは申告対象年分ごとの確認が必要 |
| 還付だけを目的にしない | 税務署・金融機関・将来の自分に説明できる申告内容に整えることが重要 |