法人成りと個人版・法人版事業承継税制の比較|個人事業のまま承継するか、法人化して自社株承継に移すか

個人事業を後継者へ引き継ぐ場面では、早い段階で一つの分かれ道があらわれます。「このまま個人事業として承継するのか、それとも法人成りをしてから承継するのか」という論点です。

この判断は、所得税と法人税のどちらが有利か、社会保険料がどう変わるか、という比較だけにはとどまりません。事業承継税制との関係でも大きな違いが生まれます。個人事業のまま承継すれば「個人版事業承継税制」が検討対象になり、法人成りをすれば、将来の承継対象は原則として「法人の株式」、つまり法人版事業承継税制の世界へと移っていくからです。

ここで注意したいのは、法人成りをすれば法人版事業承継税制を当然に使える、というわけではない点です。逆に、個人版事業承継税制を使った後で法人成りをしたからといって、納税猶予がそのまま安全に維持されるとも限りません。

個人版は、個人事業主の特定事業用資産を対象とする制度です。これに対して法人版は、非上場会社の株式等を対象とします。対象となる資産が違えば、管理すべきリスクもおのずと変わります。個人版では、承継した土地・建物・設備等を後継者の事業に使い続けることが要になります。一方の法人版では、株式・議決権・代表者・会社要件・資産管理会社判定・継続届出といった項目が重要になります。

事業承継は、後継者を代表者に据えれば終わる、というものではありません。経営者としての地位、その支配権を裏付ける株式・資産、従業員や取引先との信頼関係、そして事業上のノウハウまでを含めて引き継ぐ必要があります。株式や資産を移しただけで承継が完了するわけではない――この点は、個人事業でも法人でも変わりません。

本稿では、法人成りと個人版・法人版事業承継税制の関係を、税制の入口だけでなく、資産移転、所得税・法人税、後継者の経営権、将来の株価、資金繰り、継続管理、そして法人成り後の出口まで含めて整理していきます。

目次

まず結論|法人成りは「税制の乗換え」ではなく、承継対象を変える経営判断である

個人事業の法人成りを、単に「個人版ではなく法人版を使うための手続」と捉えてしまうのは、危険な考え方です。

法人成りによって変わるのは、税制だけではありません。承継の対象そのものが、個人事業主の事業用資産から、法人の株式へと移ります。後継者が引き継ぐものも、事業用の土地・建物・設備そのものから、会社を支配する株式・議決権へと姿を変えるのです。

選択肢承継対象主に検討する制度判断の中心
個人事業のまま承継事業用土地・建物・設備等個人版事業承継税制、小規模宅地等の特例、通常贈与・相続資産の事業用性、青色申告、後継者の事業継続
承継前に法人成り法人株式、自社株法人版事業承継税制、通常の株式贈与・相続・売買株価、議決権、株主構成、会社要件、資産管理会社判定
個人版適用後に法人成り特例事業用資産から承継会社株式等へ移行する可能性個人版の現物出資承認、継続届出、将来の法人版猶予取消回避、現物出資承認、法人化後の株式管理
制度を使わず法人成り事業用資産の売買・現物出資、法人株式通常税務、将来の法人版適用可能性所得税、法人税、消費税、資金繰り、将来株価

法人成りを判断するときには、まず次の問いを立てることをおすすめします。

「後継者に事業用資産そのものを渡すべきか。それとも、法人をつくり、会社の株式として支配権を渡すべきか。」

この問いを飛ばしたまま、「法人税率の方が低いから」「法人版の方が使いやすそうだから」「個人版は管理が重そうだから」といった理由だけで法人成りを進めてしまうと、後になって資産移転課税、株価の上昇、議決権の分散、金融機関対応、納税猶予の取消リスクが表面化することがあります。

現行期限の確認|法人版と個人版は期限が異なる

2026年6月時点では、法人版の特例措置と個人版事業承継税制に、それぞれ次の期限が定められています。

制度計画提出期限承継実行期限
法人版事業承継税制・特例措置令和9年9月30日まで令和9年12月31日まで
個人版事業承継税制令和10年9月30日まで令和10年12月31日まで

法人版の特例措置については、令和9年9月30日までに特例承継計画を提出し、令和9年12月31日までに贈与・相続によって会社の株式を取得する必要があります。個人版については、令和10年9月30日までに個人事業承継計画を提出し、令和10年12月31日までに事業承継を実施することが求められます。

出典:中小企業庁|法人版事業承継税制(特例措置)中小企業庁|事業承継の支援策

個人版で認定を受けるには、平成31年4月1日から令和10年9月30日までの間に、認定経営革新等支援機関の指導および助言を受けた旨を記載した個人事業承継計画を提出する必要があります。なお、個人版認定に関する中小企業庁のページは、2026年4月24日に更新されています。

出典:中小企業庁|個人版事業承継税制の前提となる認定

こうした期限は、制度改正によって延長・変更されることがあります。実際に手続を進める際には、国税庁の税務情報だけに頼らず、中小企業庁の認定様式、都道府県の受付実務、認定支援機関の関与の要否まで、必ず確認するようにしてください。

個人版と法人版の本質的な違い

個人版と法人版の違いは、「個人向けか法人向けか」という形式上の差ではありません。承継の対象、管理すべき財産、承継後の制約が、根本から異なります。

比較項目個人版事業承継税制法人版事業承継税制
対象個人事業主の特定事業用資産非上場会社の株式等
主な資産宅地等、建物、一定の減価償却資産自社株式・出資
承継の意味後継者が事業用資産を取得し、個人事業を継続する後継者が株式を取得し、会社支配権を承継する
管理の中心事業継続、資産保有、事業供用、青色申告代表者、株式保有、議決権、会社要件、継続届出
税務上の焦点資産ごとの事業用性と猶予税額株価、議決権、株式数、会社の資産構成
将来の出口廃業、資産売却、法人成り、次世代への資産承継株式譲渡、組織再編、代表退任、廃業、M&A

個人版事業承継税制は、青色申告に係る事業を営んでいた贈与者・被相続人から、その事業に係る特定事業用資産を取得した場合に、一定の要件のもとで贈与税・相続税の納税を猶予する制度です。対象となる特定事業用資産は、事業所得に係る青色申告書の貸借対照表に計上されていた宅地等、建物、そして一定の減価償却資産に限られます。

出典:国税庁|No.4442 個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除(個人版事業承継税制)国税庁|No.4153 個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除(個人版事業承継税制)

一方の法人版事業承継税制は、円滑化法の認定を受けた非上場会社の株式等を、後継者が贈与または相続等によって取得した場合に、その非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税を猶予・免除する制度です。法人版の特例措置では、対象株式数の上限が撤廃され、猶予割合も100%とされています。

出典:国税庁|法人版事業承継税制中小企業庁|法人版事業承継税制(特例措置)

整理すると、個人版は「資産を承継する制度」、法人版は「株式を承継する制度」だといえます。

この違いを理解しないまま法人成りを進めてしまうと、個人事業用資産を法人へ移す段階で課税が生じたり、法人化後に自社株評価が上がってしまったり、後継者が株式を取得しても議決権が安定しなかったりと、思わぬところで問題が起こります。

法人成りによって、何が変わるのか

法人成りとは、個人で営んでいた事業を、法人という形に変えて営むことです。

ただし、税務上も法務上も、個人事業がそのまま法人へ「自然に移っていく」わけではありません。個人と法人は、あくまで別人格です。個人が所有していた事業用資産、契約、許認可、借入、従業員、取引関係を、どこまで法人へ移すのか――それを一つずつ整理していく必要があります。

項目個人事業のまま法人成り後
事業主体個人事業主本人株式会社・合同会社等
承継対象個人所有の事業用資産法人株式、法人所有資産、法人契約
所得課税所得税・個人住民税・個人事業税法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税、役員報酬への所得税
資産所有個人所有が中心法人所有、または個人所有・法人使用
事業承継税制個人版の検討対象将来の法人版の検討対象
経営権事業主本人の意思決定株式・議決権・取締役構成で管理
金融機関対応個人借入・個人保証法人借入・代表者保証・担保設定
将来の売却事業用資産や事業譲渡株式譲渡、事業譲渡、組織再編

法人成りをした後の承継は、原則として「株式承継」の問題になります。後継者が経営者の立場に就いたとしても、株式・議決権を持っていなければ、会社を支配しているとはいえないからです。事業承継では、代表者の交代だけでなく、株式・支配権の承継、後継者以外の家族への配慮、納税資金、経営者保証の切替えまでを含めて検討しなければなりません。

法人成りは、事業を会社の形に移すことで、将来の承継を「事業用資産の承継」から「自社株の承継」へと変える行為です。ここが、最も大きなポイントになります。

法人成りを検討する3つのタイミング

個人事業の承継と法人成りの関係は、大きく3つのタイミングに分けて考えられます。

タイミング内容主な検討制度
承継前に法人成り先代が法人化し、その後に後継者へ株式を承継する法人版事業承継税制、通常の株式贈与・相続
承継と同時に法人化後継者が事業を取得し、その前後で法人化する通常税務、個人版の適用可否、資産移転課税
個人版適用後に法人化個人版で承継後、一定期間後に現物出資等で法人化する個人版の現物出資承認、継続届出、将来の法人版

それぞれで、税務上のリスクは大きく異なります。

承継前に法人成りする場合

先代事業者が元気なうちに法人を設立し、事業用資産・契約・従業員・借入を整理したうえで、後継者へ株式を移していく方法です。

この場合、将来の承継対象は法人株式になります。法人版事業承継税制の適用可能性を検討できる反面、法人成り時の資産移転課税、法人化後の株価上昇、株主構成、資産管理会社判定が課題として浮かび上がります。

特に注意したいのが株価です。法人成りの直後は株価が低く見えることがありますが、その後に利益が蓄積し、純資産が増えていくと、承継時点の株価が高くなることがあります。内部留保が厚くなった「良い会社」ほど、自社株の相続税評価額は高くなりやすいものです。後継者に納税資金がなければ、個人の相続問題が会社資金・役員給与・会社貸付へと波及していくこともあります。

承継と同時に法人化する場合

先代の個人事業を後継者が引き継ぎ、その直後に法人化する方法です。

このケースでは、個人版事業承継税制を使うのか、それとも通常の相続・贈与・売買で事業用資産を移すのか、そもそも個人版の要件を満たすのか――この点を慎重に確認する必要があります。

個人版は、後継者が特定事業用資産を取得し、その事業を継続することを前提とした制度です。承継の直後に法人へ資産を移す予定があるのなら、個人版の適用後管理と整合するかどうかを見極めなければなりません。制度の入口だけを見て適用してしまうと、法人成りの段階で猶予取消や承認手続の問題が生じる可能性があります。

個人版適用後に法人化する場合

個人版事業承継税制で特定事業用資産を承継し、一定期間その事業を続けたうえで、後に法人化する方法です。

国税庁には、「事業用資産の現物出資による会社設立に関する承認申請手続」が用意されています。これは、個人版事業承継税制の適用を受けている特例事業用資産の全部が、特定申告期限の翌日から5年を経過する日より後の会社設立に伴う現物出資によって移転する場合に、承認を受けるための手続です。提出時期は、特例事業用資産の移転があった日から1か月以内とされています。

出典:国税庁|B1-108 事業用資産の現物出資による会社設立に関する承認申請手続

また、現物出資による会社設立の承認を受けている場合には、通常の個人版継続届出ではなく、「現物出資に係る事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予の継続届出手続」を確認する必要があります。

出典:国税庁|B1-109 現物出資に係る事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予の継続届出手続

このように、個人版を適用した後の法人成りには、制度上のルートが用意されています。とはいえ、それは「いつでも自由に法人化してよい」という意味ではありません。時期、対象資産、現物出資の範囲、承認申請、継続届出、そして法人化後の株式管理を、一体のものとして設計していく必要があります。

法人成り時の最大論点|個人の事業用資産を法人へどう移すか

法人成りで最も大切になるのは、個人所有の事業用資産を法人へ移すかどうか、という点です。

個人事業では、店舗、工場、土地、建物、車両、機械装置、備品、営業権的な要素、許認可、契約関係などが、個人の側にあります。法人成りの後、これらを法人へ移す方法には、主に次のパターンがあります。

方法内容主な税務論点
売買個人が法人へ資産を売却する譲渡所得、事業所得、消費税、法人側取得価額
現物出資個人が資産を出資し、法人株式を取得する譲渡所得、時価評価、株式取得価額、個人版承認
賃貸個人が資産を所有したまま法人へ貸す賃料、借地権、無償返還届、地代、法人損金
使用貸借個人が無償または低額で法人に使わせる寄附金・受贈益、借地権認定課税、説明可能性
一部移転設備だけ法人へ、土地建物は個人所有資産区分、事業供用性、将来相続、法人版・個人版の境界

ここで気をつけたいのは、「家族内の事業なのだから簿価で移せばよい」という考え方です。これは、リスクの大きい発想です。

不動産を法人に現物出資した場合も、それは資産の譲渡にあたり、所得税の課税対象となります。譲渡収入金額は、原則として現物出資により取得した株式や出資持分の時価ですが、その価額が出資した不動産の時価の2分の1未満であるときには、出資した不動産の時価そのものが収入金額とみなされます。

出典:国税庁|No.3117 不動産を法人に現物出資したとき

あわせて押さえておきたいのが、個人から法人への現物出資には、法人税法上の適格現物出資の制度が適用されない、という点です。そのため、個人の側では譲渡所得が生じます。実務でも見落とされやすいところですので、注意が必要です。

法人成りは、資産を法人へ移すだけの単純な作業ではありません。個人側では所得税・消費税が、法人側では法人税・消費税・減価償却・資産計上・登録免許税・不動産取得税・資金調達が、それぞれ問題になってくるのです。

土地・建物を法人に移すべきか、個人に残すべきか

個人事業の法人成りでは、土地・建物の扱いが特に重要になります。

たとえば、事業用建物を法人へ売却し、土地は個人所有のまま法人へ賃貸する、という方法があります。土地も建物もまとめて法人へ移す方法もありますし、逆に、土地・建物を個人所有のままにして、法人がそれを使用する方法もあります。

資産の扱いメリット注意点
土地・建物とも法人へ移す法人資産として一体管理しやすい譲渡所得、不動産取得税、登録免許税、法人借入、株価上昇
建物だけ法人へ移す収益・減価償却を法人に寄せやすい土地の使用関係、借地権認定課税、地代設定
土地建物を個人に残し法人へ賃貸資産移転課税を抑えやすい個人側不動産所得、法人側賃料、将来相続、個人版との関係
使用貸借に近い形で使わせる資金移動は少ない税務上の説明可能性、借地権、受贈益・寄附金リスク
資産を法人に移さず事業だけ法人化初期コストを抑えやすい事業用資産と法人事業の所有・使用関係が複雑化

不動産賃貸業の法人成りでは、建物所有方式などによって所得分散の効果を期待することがあります。ただし、その際には、会社が借地権相当額の認定課税を受けないよう、土地の無償返還に関する届出などを検討しなければならない場合があります。さらに、個人所有の土地の評価が短期的に不利になることもあり、相続対策として常に有利だとは限りません。

なお、本稿で扱っている個人版事業承継税制では、不動産貸付業等は制度の対象外です。そのため、賃貸不動産の管理会社化と個人版事業承継税制の検討を混同しないよう注意してください。個人事業の本業資産を法人へ移すのか、それとも不動産の保有・賃貸を法人化するのかでは、税務上の目的もリスクも、まったく別物になります。

法人成り後に法人版事業承継税制を使う場合の注意点

個人事業を法人成りした後、将来、後継者へ会社株式を移す場面では、法人版事業承継税制の適用可能性を検討することになります。

ただし、その前に確認しておくべき点があります。

確認項目実務上の意味
会社要件非上場会社であり、中小企業者要件を満たし、対象外会社でないことを確認
先代経営者要件代表経験、議決権保有、筆頭株主関係等を確認
後継者要件代表者、年齢、役員就任期間、議決権保有、筆頭株主関係を確認
株式・議決権議決権制限のない株式、同族内過半、後継者の支配権を確認
株価類似業種比準方式、純資産価額方式、特定評価会社判定を確認
資産管理会社判定不動産・有価証券・現預金等が多い場合の適用除外・取消リスク
継続管理代表者、株式保有、年次報告、継続届出、組織再編・廃業時の影響

法人版の特例措置では、特例承継計画の提出、都道府県知事の認定、税務申告、担保提供、そして適用後の報告・届出が必要になります。特例承継計画の確認後に、計画の変更や一定の組織再編があった場合には、変更申請書または報告書を提出し、あらためて認定支援機関による指導・助言を受ける必要があります。

出典:中小企業庁|法人版事業承継税制(特例措置)

法人成りによって事業用資産を法人に集約すると、将来の承継対象は株式になります。株式承継では、少数株主、名義株、譲渡制限、議決権制限株式、種類株式、従業員持株会、自己株式取得など、会社法上の株主管理が重要になってきます。少数株主への対策は、法務と税務の両面から検討すべき領域です。

法人成りは、個人資産の管理という問題を解消する一方で、株主管理・議決権管理という別の問題を新たに生むものだといえます。

個人版を使う場合と、法人成りして法人版を目指す場合の比較

個人版を使うべきか、それとも法人成りをして法人版を目指すべきか。この比較は、次のような軸で整理すると見通しが立てやすくなります。

判断軸個人版が検討しやすい場面法人成り・法人版が検討しやすい場面
事業形態個人事業として継続する合理性が高い組織化、採用、金融機関対応、許認可、取引信用の面で法人化が必要
資産構成事業用土地・建物・設備が中心事業資産を法人に集約し、株式として承継したい
後継者後継者が個人事業主として運営できる後継者を役員・株主として育成したい
所得構造所得規模が大きすぎず、個人課税で対応可能役員報酬、法人留保、退職金、所得分散を設計したい
資金調達個人借入でも対応可能法人借入、信用保証、金融機関説明を整えたい
将来展開現事業の継続が中心M&A、組織再編、事業拡大、複数拠点展開を想定
承継税制特定事業用資産の納税猶予を重視自社株の納税猶予と議決権承継を重視
出口廃業・資産売却の可能性が低い将来の株式譲渡、組織再編、後継者複数化を見込む

個人版は、事業用資産そのものを後継者へ移し、後継者が個人事業として続けていく設計と相性のよい制度です。法人版は、会社をつくり、株式を通じて支配権を移していく設計と相性があります。

どちらが有利かは、税額だけでは決まりません。

たとえば、個人版の方が当初の納税猶予額は大きくても、後継者が数年後に法人化したい、あるいは事業売却を考えている、設備投資や採用を法人で進めたい、といった事情があれば、管理の負担がかえって重くなることがあります。反対に、法人成り後に法人版を使うつもりでいても、法人化の時点で多額の譲渡所得税や消費税が生じたり、法人へ移した資産によって純資産価額が上がってしまったりすれば、想定したほど使いやすくはなりません。

法人成りが向いている可能性がある場面

法人成りは、次のような場合に検討する価値が高まります。

場面理由
利益水準が安定して高い役員報酬、法人留保、退職金、所得分散の設計余地がある
従業員を雇用し組織化したい採用、社会保険、就業規則、管理体制を整えやすい
金融機関から法人として資金調達したい法人決算書、事業計画、代表者保証の整理がしやすい
後継者を役員として段階的に育てたい代表権、株式、役員報酬を段階的に設計できる
取引先から法人化を求められる信用力、契約主体、許認可、請求・入金管理の面で整理しやすい
将来M&A・組織再編を想定している株式譲渡・事業譲渡・会社分割などの選択肢が取りやすい
事業用資産を会社管理にしたい資産管理、減価償却、資金調達、内部留保の設計がしやすい

ただし、法人化の後に株式が分散してしまうと、後継者の経営権は安定しません。株主名簿、名義株、所在不明株主、譲渡制限株式の管理は、法人成りの直後から整えておくべき事柄です。事業承継やM&Aの場面で株式がいかに重要か、そして株主管理の現状把握がいかに欠かせないか――これは非公開会社の実務における要点です。

法人成りを急がない方がよい可能性がある場面

逆に、次のような場合には、法人成りを急ぐべきではありません。

場面注意すべき理由
後継者が未確定法人化後の株式を誰に持たせるか決められない
事業用土地に大きな含み益がある法人移転時に譲渡所得・登録免許税・不動産取得税が問題になる
廃業・縮小の可能性が高い法人化後の清算、株式評価、法人維持コストが負担になる
個人版を既に適用している法人成り時に現物出資承認・継続届出・取消リスクを確認する必要がある
不動産貸付業等が中心個人版の対象外事業との切り分けが必要
法人化後に資産管理会社化しそう法人版の資産管理会社判定や取消リスクに注意
事業実態が弱い法人化しても事業承継税制の要件・継続管理に耐えられない
税務だけが動機経営上の必要性が乏しいと、後から説明しにくい

とりわけ、後継者が定まらないまま法人化してしまうと、株式を誰が持つのか、代表者を誰にするのか、議決権をどう集約するのか、他の相続人へどう配慮するのか――こうした点がいずれも曖昧になります。法人化によって選択肢が広がるどころか、株式・議決権・相続財産の整理がかえって複雑になってしまうのです。

所得税・法人税の視点|税率比較だけでは判断できない

法人成りの検討では、所得税と法人税の比較がよく行われます。

しかし、事業承継という文脈においては、税率だけで判断するのは不十分です。

視点個人事業法人
事業利益事業所得として個人に課税法人所得として法人に課税
事業主の生活費事業所得から生活費を賄う役員報酬として法人から支給
所得分散専従者給与等に制限役員報酬、給与、退職金の設計余地
内部留保個人財産として蓄積法人純資産として蓄積し、将来株価に反映
退職金原則として個人事業主本人に退職金概念はない役員退職金の設計余地
承継対象資産ごとに承継株式として一括承継しやすい
税務管理所得税・消費税中心法人税、源泉所得税、消費税、地方税、役員給与規制

法人化によって所得を法人に留保すれば、短期的には資金繰りや税率の面でメリットが出る場合があります。しかし、その内部留保は、将来の自社株評価に反映されていきます。税引後利益を会社に蓄積し続ければ、いずれ後継者が承継する株式の評価額が上がっていくのです。

つまり、法人成りによって所得税の負担が軽くなったとしても、将来の自社株承継の税額や納税猶予の管理は、かえって重くなることがあります。

判断すべきは、「法人化すれば節税になるか」ではありません。「法人化した後に、株価・議決権・納税資金を管理しきれるか」――この視点こそが大切です。

法人成り時に必要となる届出・税務管理

法人成りをする場合には、設立登記だけでなく、税務上の届出も必要になります。

法人を設立したときには、設立の日以後2か月以内に法人設立届出書を提出しなければなりません。また、設立第1期から青色申告の承認を受けようとする場合には、設立の日以後3か月を経過した日と、設立第1期の事業年度終了日のうち、いずれか早い日の前日までに、青色申告の承認申請書を提出する必要があります。

出典:国税庁|No.5100 新設法人の届出書類

法人成りに際して、最低限確認しておきたい税務手続は次のとおりです。

手続主な確認事項
法人設立届出書税務署、都道府県、市区町村への提出
青色申告承認申請書設立第1期から青色申告にするか
給与支払事務所等の届出役員報酬・従業員給与の源泉徴収
源泉所得税の納期の特例小規模法人で納期特例を使うか
消費税届出課税事業者、インボイス、簡易課税、課税期間特例
棚卸資産評価方法商品・材料がある場合の評価方法
減価償却方法法人へ移した資産の償却方法
役員報酬設計定期同額給与、事前確定届出給与、退職金規程
資産移転契約売買、現物出資、賃貸借、使用貸借の書面化
金融機関対応借入名義、保証、担保、返済計画の見直し

本稿では法人成り手続の全体までは網羅しませんが、事業承継税制を見据えた法人成りでは、税務届出の提出漏れが将来の株価・欠損金・消費税・役員報酬・継続管理にまで影響することがあります。申告書・届出書・承認申請の提出漏れは、税務トラブルの典型です。複数人によるレビューやチェックシートの整備が、ここでも効いてきます。

法人成り後の株価試算は必須である

法人成りをして法人版事業承継税制を検討する場合には、法人成りの時点と、将来の承継時点の双方で、株価の試算が欠かせません。

特に、次のような会社では、株価が想定より高くなることがあります。

状況株価への影響
法人成り時に土地・建物を法人へ移した純資産価額が大きくなりやすい
利益が安定して出ている類似業種比準価額・純資産価額に影響
内部留保を厚くしている純資産価額が上昇
不動産・有価証券・現預金が多い特定評価会社、資産管理会社判定に注意
役員退職金を予定している損益・純資産・資金流出に影響
後継者以外にも株主がいる配当還元評価と原則評価、少数株主対策が問題

自社株評価では、同族株主判定、会社規模、類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式、特定評価会社判定が重要になります。非上場株式の評価は、単なる計算作業ではありません。議決権割合、自己株式、種類株式、株主区分まで含めた、総合的な判断が求められます。

法人成りの直後は株価が低くても、事業が成長すれば株価は上がっていきます。将来の法人版事業承継税制を見据えるのであれば、法人化の時点から、株主構成、役員構成、資本政策、利益処分、退職金、配当方針を整理しておくべきです。

個人版適用後に法人成りする場合の管理イメージ

個人版事業承継税制を適用した後に法人成りをする場合、実務上は次のような流れを想定します。

段階確認事項
個人版適用時特定事業用資産、青色申告、個人事業承継計画、認定申請、申告、担保
適用後管理事業継続、資産保有、事業供用、3年ごとの継続届出
法人成り検討法人成りの経営上の必要性、資産移転方法、現物出資承認の可否
現物出資対象資産の全部移転、時価評価、法人設立、承認申請
法人成り後承継会社株式等としての管理、現物出資に係る継続届出
次世代承継承継会社株式等の贈与、法人版事業承継税制との接続可能性

中小企業庁の個人版認定ページには、法人成りの後に贈与者の相続が開始した場合に、相続税の納税猶予へ切り替えるための「法人成り後の切替確認申請書」が用意されています。

出典:中小企業庁|個人版事業承継税制の前提となる認定

また、現物出資承認を受けた後の確定事由・免除事由については、個人版の通常管理とは扱いが異なり、法人版株式等に関する規定を準用する形で整理されています。

出典:国税庁|措置法第70条の6の8関係通達

このように、個人版適用後の法人成りは、個人版から法人版的な株式管理へと移行していく、高度な論点を含みます。個人版を使った後で法人化する可能性があるのなら、適用する前の段階から、その可能性を視野に入れておく必要があります。

法人成りと個人版・法人版を比較するための実務フロー

実務では、次の順序で検討を進めると、整理がしやすくなります。

順序検討事項目的
1後継者を確認する個人事業主として承継するのか、会社役員・株主として承継するのか
2事業の将来像を確認する現状維持、拡大、複数店舗化、M&A、廃業可能性を整理
3資産一覧を作る土地、建物、設備、車両、在庫、借入、担保、契約を確認
4個人版の適用可否を確認する特定事業用資産、青色申告、不動産貸付業等除外、計画期限
5法人成り時の課税を試算する譲渡所得、消費税、登録免許税、不動産取得税、法人側取得価額
6法人化後の株価を試算する初年度、3年後、5年後、承継予定時点の株価を見る
7法人版の適用可否を確認する会社要件、先代要件、後継者要件、株式・議決権要件
8継続管理負担を比較する個人版の資産管理か、法人版の株式・会社管理か
9出口を確認する法人成り、売却、廃業、組織再編、次世代承継の可能性
10関係者説明資料を作る家族、金融機関、後継者、顧問先内部で説明できる状態にする

この比較では、「制度を使った場合の税額」だけでは足りません。

制度を使わない場合、個人版を使う場合、先に法人成りをする場合、個人版適用後に法人成りをする場合、法人版を使う場合――これらを並べて、税額、資金繰り、管理負担、取消リスク、将来の選択肢まで含めて比較していくことが大切です。

法人成りを検討する前に整理すべき資料

法人成りと事業承継税制を比較するにあたっては、少なくとも次の資料が必要になります。

資料確認する内容
所得税確定申告書・青色申告決算書所得規模、資産計上、減価償却、青色申告状況
固定資産台帳特定事業用資産、簿価、取得日、償却状況
土地・建物登記簿所有者、担保、地目、面積、権利関係
固定資産税課税明細土地・建物の評価、課税対象資産
借入金明細個人借入、担保、保証、返済条件
賃貸借・使用貸借契約個人所有資産を法人が使う場合の条件
許認可資料法人成りにより承継できるか、再取得が必要か
従業員・外注先資料雇用契約、社会保険、業務委託契約
取引先契約契約主体変更、債権債務承継
法人成り後の事業計画売上、利益、役員報酬、設備投資、借入
株主構成案誰が何株持つか、後継者の議決権をどう確保するか
相続関係図他の相続人、遺留分、財産配分、代償資金
税額試算個人版、法人版、通常承継、法人成り時課税の比較

これらの資料を見ないまま、法人成りの有利・不利を判断することはできません。

法人成りを選ぶ場合の注意点|「会社を作る」だけでは承継設計にならない

法人成りを選ぶのであれば、会社を設立しただけで満足してはいけません。

承継設計として本当に重要なのは、会社設立の後に誰が株式を持つのか、どのタイミングで後継者へ移すのか、先代はいつ代表を退くのか、他の相続人へはどの財産を渡すのか、会社に資金流出が起きないか、金融機関へどう説明するのか――こうした点です。

論点放置した場合のリスク
株主構成後継者が経営権を持てない、相続時に株式分散
株価法人化後に株価が上昇し、承継税負担が増加
資産所有個人資産と法人資産が混在し、税務・担保関係が複雑化
契約関係法人へ契約が移らず、事業主体が曖昧
借入・保証個人保証が残り、後継者の負担が不明確
役員報酬定期同額給与・退職金・損金算入時期の問題
消費税インボイス、課税事業者、簡易課税、資産譲渡の課税
事業承継税制個人版・法人版の要件と法人成りの時期がずれる
相続法務他の相続人への配慮が不足し、遺留分・遺産分割で紛争化

法人成りは、事業の器を変えるだけの手続ではなく、承継の対象そのものを変える判断です。だからこそ、法人化に踏み切る前に、後継者、株式、資産、家族、金融機関、そして将来の出口までを、一体のものとして整理しておく必要があります。

判断を誤りやすい典型パターン

実務上、次のような判断には特に注意が必要です。

典型パターン問題点
個人版の期限があるから急いで適用する後に法人成り・売却・廃業を考えている場合、管理負担が重くなる
法人成りすれば法人版を使えると思い込む会社要件、後継者要件、株式要件、資産管理会社判定を満たすとは限らない
土地建物を簿価で法人へ移す個人側の譲渡所得、法人側の受贈益、時価認定リスクがある
後継者未確定のまま法人化する株式を誰に持たせるか決められず、相続時に株式分散する
法人化後の株価を試算しない将来の自社株承継税額を見落とす
税額だけで比較する資金繰り、金融機関、議決権、家族合意、出口リスクを見落とす
個人資産を法人が無償使用する借地権、受贈益、寄附金、説明可能性の問題が残る
法人成り後の届出を軽視する青色申告、消費税、役員給与、源泉所得税に影響する

とりわけ、個人から法人へ資産を移す場合の「時価」は重要です。同族関係者間の売買や低額譲渡では、不動産・株式の税務上の時価をどう見るかが争点になりやすく、個人・法人間の取引では、譲渡者・譲受者・株主の課税関係が複数の方向に同時に生じる可能性があります。

どちらを選ぶべきかを判断するための実務的な考え方

個人版か、それとも法人成り後の法人版か。両者を比較する際には、次のように考えると判断がしやすくなります。

個人事業のまま承継する合理性が高い場合

次のような場合には、個人事業のまま承継し、個人版事業承継税制、小規模宅地等の特例、通常承継を比較していく方が自然です。

状況理由
後継者が個人事業主として運営する意思が明確個人版の制度設計と整合しやすい
事業用資産が限定的で管理しやすい資産ごとの保有・供用管理が可能
法人化による資産移転コストが大きい所得税・登録免許税・不動産取得税を回避しやすい
将来のM&A・組織再編を想定していない株式化する必要性が低い
親族間で事業用資産の承継合意が取れている遺留分・遺産分割の調整がしやすい

法人成りしてから承継する合理性が高い場合

次のような場合には、法人成りを前提として、将来の法人版事業承継税制、通常の株式承継、売買、役員退職金、自己株式取得などを比較してみる価値があります。

状況理由
事業規模が拡大している組織運営、雇用、資金調達を法人で管理しやすい
後継者を段階的に役員・株主へ育成したい経営権移転を段階的に設計できる
事業用資産を法人に集約したい資産管理、担保、減価償却、金融機関説明が整理しやすい
将来M&Aや事業再編の可能性がある株式譲渡・組織再編の選択肢が広がる
相続人が複数いる株式集中と代償財産設計を組み合わせやすい
退職金・役員報酬を含めた資金設計が必要会社財務と個人財産を一体で検討できる

ただし、法人成りの後に株式が分散してしまえば、承継設計はかえって難しくなります。法人成りをするのであれば、設立時の株主、種類株式、譲渡制限、株主間契約、遺言、遺留分対策までを含めて設計しておく必要があります。

法人成り・個人版・法人版を比較する際の相談前チェックリスト

専門家に相談する前に、次の点を整理しておくと、検討がスムーズに進みます。

質問確認する理由
後継者は誰か個人事業主として承継するのか、法人役員・株主として承継するのかを決める
承継時期はいつか個人版・法人版の期限、株価、資産評価に影響する
法人成りの目的は何か節税、採用、資金調達、許認可、信用、M&Aなど目的を明確にする
個人所有の事業用資産は何か特定事業用資産、移転課税、担保、相続財産に影響する
土地・建物を法人へ移すか譲渡所得、不動産取得税、借地権、株価に影響する
法人化後の株主は誰か議決権、相続、法人版適用要件に影響する
5年後・10年後の事業方針は何か事業継続、法人成り、廃業、M&A、組織再編に影響する
他の相続人への配慮はどうするか遺留分、代償財産、生命保険、遺言が必要になる
納税資金はあるか猶予対象外税額、取消時税額、利子税に備える
金融機関へどう説明するか借入、保証、担保、事業計画、財務安全性に関係する

「個人版が使えるか」「法人版が使えるか」だけを入口に相談を始めてしまうと、どうしても実務判断が浅くなります。最初に整理すべきなのは、制度の名前ではありません。事業の将来像と、資産をどこに置くか――この二つです。

犬飼公認会計士・税理士事務所へご相談いただきたい場面

法人成りと個人版・法人版事業承継税制の比較は、税額だけでは判断できません。

個人事業のまま承継する場合には、特定事業用資産、青色申告、事業継続、小規模宅地等の特例との関係、そして将来の資産売却・廃業リスクを確認する必要があります。法人成りをする場合には、所得税・法人税・消費税、資産移転、株価評価、株主構成、議決権、金融機関対応、将来の法人版事業承継税制の適用可能性を整理しておかなければなりません。

特に、次のような場合には、早めの検討が重要になります。

相談すべき場面理由
個人版を使うか、法人成りするか迷っている制度選択と事業形態選択を同時に整理する必要がある
事業用土地・建物の含み益が大きい法人移転時の譲渡所得・登録免許税・不動産取得税が問題になる
後継者はいるが法人化後の株主設計が未定将来の株式分散・議決権不安を防ぐ必要がある
個人版適用後に法人成りを検討している現物出資承認、継続届出、猶予取消リスクを確認する必要がある
法人成り後に法人版特例を使いたい特例承継計画、会社要件、後継者要件、株価試算が必要
将来M&A・廃業・組織再編の可能性がある納税猶予の出口リスクを制度適用前に確認する必要がある

犬飼公認会計士・税理士事務所では、個人事業の承継、法人成り、個人版事業承継税制、法人版事業承継税制、自社株評価、事業用資産評価、納税資金、金融機関説明、関係者の合意形成を一体として整理し、後からきちんと説明できる承継判断を支援しています。

「個人事業のまま承継すべきか」「法人成りをしてから株式承継へ移すべきか」「個人版を使った後に法人化できるのか」――こうした点を検討されている方は、当事務所HPのお問い合わせページからご相談ください。制度を使えるかどうかだけでなく、承継した後に維持していけるか、将来の経営判断を狭めてしまわないか、というところまで含めて整理することが大切です。

この記事の振り返り

論点重要ポイント
法人成りの意味個人事業用資産の承継から、法人株式の承継へ対象が変わる
個人版事業承継税制個人事業主の特定事業用資産を対象にする納税猶予制度
法人版事業承継税制非上場会社の株式等を対象にする納税猶予制度
期限法人版特例は令和9年9月30日までに計画提出、令和9年12月31日までに承継実行が前提
個人版の期限令和10年9月30日までに個人事業承継計画提出、令和10年12月31日までに承継実行が前提
法人成り前の検討後継者、資産、借入、許認可、契約、相続人、将来方針を整理する
資産移転個人から法人への売買・現物出資では所得税・消費税・法人側課税を確認する
現物出資不動産を法人へ現物出資した場合も資産譲渡として所得税課税対象になる
個人版適用後の法人成り事業用資産の現物出資による会社設立に関する承認申請、継続届出を確認する
法人版適用の注意法人成りしても、会社要件・後継者要件・株式要件を満たすとは限らない
株価試算法人成り後の利益蓄積・資産移転により、自社株評価が上昇する可能性がある
株主構成法人化後は株式・議決権・少数株主・名義株の管理が承継の中心になる
所得税・法人税税率比較だけでなく、役員報酬、退職金、内部留保、将来株価で判断する
金融機関対応個人借入・法人借入・保証・担保・事業計画の組替えが必要になる
判断軸「使える制度」ではなく、「承継後も維持できる事業形態か」で判断する
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