事業売却、子会社売却、不採算事業からの撤退、工場の閉鎖、M&A後のカーブアウト、投資先の売却、IPOによる持分の処分。これらは、経営判断としては「売る」「撤退する」「切り離す」という、ひとつながりの文脈で語られがちです。
ところが、IFRS財務報告の世界では、同じ処分方針であっても、次の3つを明確に区別して判断していきます。
| 判断領域 | 問われること |
|---|---|
| 売却目的保有 | 非流動資産または処分グループを財政状態計算書で区分表示するか |
| 測定 | 帳簿価額と、売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額に測定するか |
| 非継続事業 | 損益・キャッシュ・フローを継続事業から区分して表示・開示するか |
IFRS第5号は、売却目的で保有する資産の会計処理と、非継続事業の表示・開示を定める基準です。資産が売却目的保有の要件を満たす場合には、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定し、減価償却を停止したうえで、財政状態計算書上に区分表示します。あわせて、非継続事業の結果は、包括利益計算書上で継続事業と区分して表示します。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
実務で大切なのは、「売却予定だから、とりあえず売却目的保有」と機械的に処理してしまわないことです。売却の意思決定、取締役会の承認、買手の探索、売却価格、規制承認、株主承認、契約交渉、クロージング予定、事業としての独立性、セグメント情報、税効果、OCI、連結消去、そして開示。これらを一本の線でつなぎながら、財務諸表上の表示判断へと落とし込んでいく必要があります。
売却目的保有は「売却予定」ではなく「主として売却により回収される状態」の表示である
IFRS第5号では、非流動資産または処分グループの帳簿価額が、継続使用ではなく主として売却取引によって回収される場合に、売却目的保有に分類します。そのためには、その資産または処分グループが現在の状態のまま直ちに売却可能であり、かつ売却の可能性が非常に高いことが求められます。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
ここでいう「主として売却により回収される」とは、経営者が将来売るつもりでいる、という意思だけでは足りません。財務諸表日の時点で、その資産あるいは事業の回収パターンが、継続使用から売却へと実質的に切り替わっているかどうかを見極めることになります。
たとえば次のような状況では、売却方針そのものは存在していても、直ちに売却目的保有とはいえない場合があります。
- 売却候補先を探索する、その前段階にとどまっている
- 売却価格が現在の公正価値と比べて高すぎ、現実的な売却活動とはいえない
- 重要な設備移設、契約解除、法的分離、カーブアウト作業が未了で、現状のままでは売却できない
- 売却に重要な規制承認が必要であり、承認取得の可能性や時期に重大な不確実性がある
- 取締役会や適切な権限者が、まだ売却計画を承認していない
- 売却先が見つからなければ引き続き使用する、という方針が強い
- 売却対象の範囲が、まだ定まっていない
売却目的保有への分類は、経営者の意図をそのまま財務諸表に映し出すものではありません。経営者の売却意思が、実行可能な売却計画として、財務報告上の表示を変えるに足る状態まで進んでいるか。そこを確かめる判断だと考えていただくのがよいでしょう。
「可能性が非常に高い」を、証拠で説明できるようにする
IFRS第5号のもとで売却の可能性が非常に高いといえるためには、いくつかの条件がそろっている必要があります。適切な権限を有する経営者が売却計画を確約していること、買手を探し計画を完了させるための積極的な活動を開始していること、現在の公正価値に照らして合理的な価格で売却活動を行っていること、分類日から1年以内に売却の完了が見込まれること、そして計画の重要な変更や撤回の可能性が低いこと。株主承認が必要な法域では、その承認の見込みも評価に含めます。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
この判断では、次のような証拠を組み合わせて整理していきます。
| 判断要件 | 実務で確認する資料 |
|---|---|
| 適切な権限者の確約 | 取締役会議事録、経営会議資料、投資委員会資料、承認稟議 |
| 売却対象の特定 | 売却対象資産一覧、対象子会社、対象事業、カーブアウト範囲 |
| 買手探索の開始 | FA契約、ティーザー、インフォメーション・メモランダム、入札プロセス資料 |
| 合理的な売却価格 | 評価書、類似取引、入札価格、独立第三者のバリュエーション |
| 1年以内の完了見込み | 売却スケジュール、基本合意、SPAドラフト、規制承認予定 |
| 計画撤回可能性の低さ | 代替案比較、撤退決定の背景、売却継続の経営者確認 |
| 必要承認 | 株主総会、規制当局、金融機関同意、主要取引先同意 |
「売却を検討している」という説明だけでは、売却目的保有の根拠としては弱いものです。監査の場面でも、いつ、誰が、どの範囲を、どの価格帯で、どの買手候補に、どのようなスケジュールで売却すると決めたのか、その一つひとつが確認されます。
IFRS第5号は「highly probable」を、単なる「可能性が高い」よりも一段強い概念として扱っています。実務でも、売却可能性が非常に高いといえるためには、売却計画への経営者の確約、買手の探索、合理的な価格での積極的な売却活動、1年以内の完了見込み、そして計画変更・撤回可能性の低さを、一つずつ具体的に確認していく必要があります。
報告期間後に要件を満たした場合は、期末に売却目的保有へ分類しない
実務で迷いやすいのが、期末を過ぎてから財務諸表の承認日までのあいだに、売却計画が一気に進展したケースです。
IFRS第5号では、売却目的保有の要件が報告期間後に満たされた場合、その財務諸表において非流動資産または処分グループを売却目的保有に分類することはしません。ただし、報告期間後から財務諸表の発行承認日までのあいだに要件を満たした場合には、一定の情報を注記します。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
たとえば、3月31日の時点では売却計画が経営会議で検討中にすぎず、4月10日に取締役会で正式承認され、4月末に買手候補へのプロセスが始まった、という場合。3月期の財政状態計算書では、売却目的保有には分類しません。これは、期末時点の状態を財務諸表に反映するという、財務報告の基本と整合する取扱いです。
一方で、期末前にすでに実質的な要件を満たしていて、期末後の手続が形式的な確認や契約締結にとどまるようなケースでは、話が変わってきます。期末時点で本当に要件を満たしていたかどうかを、慎重に検討することになります。ここでは「契約締結日」だけを見るのではなく、売却計画の実行可能性を基礎づける事実が、期末時点でどこまで存在していたかが問われます。
廃棄・閉鎖・遊休は、必ずしも売却目的保有ではない
IFRS第5号は、廃棄予定の非流動資産または処分グループを、売却目的保有に分類しないとしています。その帳簿価額が、主として売却ではなく継続使用によって回収されるからです。ただし、廃棄予定の処分グループが非継続事業の要件を満たす場合には、使用停止時点で非継続事業として表示または開示される可能性があります。また、一時的に使用を停止しているだけの資産を、廃棄されたものとして扱うこともできません。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
この切り分けは、撤退の局面でとりわけ重要になります。
| 経営上の表現 | IFRS上の検討 |
|---|---|
| 工場を閉鎖する | 売却か、廃棄か、使用停止かを区別する |
| 店舗を撤退する | 賃貸借契約、使用権資産、原状回復義務、転貸・譲渡可能性を確認する |
| 事業をやめる | 非継続事業か、単なるリストラクチャリングかを確認する |
| 子会社を清算する | 売却目的保有ではなく、清算・解散・連結範囲・後発事象の論点を確認する |
| 資産を遊休化する | 売却活動がなければ売却目的保有ではなく、IAS第36号の減損兆候を検討する |
固定資産の実務でも、IFRS第5号に基づく売却目的保有への分類は、あくまで売却予定の資産に適用されるものであり、廃棄やスクラップ予定の資産には及びません。また、処分計画が存在すること自体が、IAS第36号上の減損兆候になり得ます。したがって、売却目的保有の要件を満たす前の段階であっても、減損の検討が必要になる場合があります。
売却目的保有に分類する直前に、他のIFRSに基づく測定を先に済ませる
売却目的保有への分類は、測定の出発点そのものを変えます。とはいえ、分類する直前の帳簿価額をそのまま使えばよい、というわけではありません。
IFRS第5号では、売却目的保有に初めて分類する直前に、その資産または処分グループ内のすべての資産・負債の帳簿価額を、適用されるIFRSに従って測定します。そのうえで、売却目的保有に分類された非流動資産または処分グループを、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定していきます。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
実務上の順序を整理すると、次のようになります。
- 売却対象を確定する
- 売却対象が個別資産か、処分グループかを判断する
- 分類直前に、各資産・負債を適用されるIFRSで測定する
- IAS第36号の減損検討が必要かを確認する
- 処分グループ全体の売却コスト控除後の公正価値を見積る
- 帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値を比較する
- 必要な評価減を認識する
- 売却目的保有として財政状態計算書に区分表示する
- 以後、対象非流動資産の減価償却・償却を停止する
ここで押さえておきたいのは、売却目的保有に分類された資産または処分グループが、分類の時点でIAS第36号の範囲から自動的に外れるわけではない、という点です。分類の直前には、適用されるIFRSに従った測定を必ず経ることになります。実務上も、売却目的保有に分類される状態になった場合には、分類に先立ってIAS第36号に基づく減損検討を行っておく必要があります。
減価償却は停止するが、負債に係る利息などは止まらない
IFRS第5号は、売却目的保有に分類された非流動資産について、また売却目的保有に分類された処分グループの一部である非流動資産について、減価償却または償却を行わないとしています。その一方で、売却目的保有に分類された処分グループの負債に帰属する利息その他の費用は、引き続き認識します。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
つまり、処分グループを売却目的保有に分類したあとも、損益がすべて止まるわけではありません。
たとえば、子会社の売却を予定し、その子会社を処分グループとして売却目的保有に分類したとしても、売却完了までに発生する利息費用、退職給付費用、為替差損益、税金費用、引当金の見直しなどは、該当する基準に従って処理していきます。売却目的保有は、「処分まで何も認識しない」という会計処理ではないのです。
処分グループでは、IFRS第5号の測定対象外となる資産・負債にも目を配る
処分グループには、非流動資産だけでなく、流動資産、金融資産、負債、引当金、繰延税金、契約負債などが含まれることがあります。IFRS第5号は、売却目的保有に分類された処分グループについて、IFRS第5号の測定要求の範囲外にある資産・負債を、処分グループの売却コスト控除後の公正価値を再測定する前に、適用されるIFRSに従って再測定することを求めています。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
処分グループの測定にあたっては、次のような整理が欠かせません。
| 処分グループ内の項目 | 測定上の注意 |
|---|---|
| 有形固定資産・無形資産 | IFRS第5号の測定対象になり得る |
| のれん | 処分グループに配分されている場合、評価減の配分に影響する |
| 棚卸資産 | IAS第2号等に従って測定される |
| 金融資産 | IFRS第9号等に従って測定される |
| 繰延税金資産・負債 | IAS第12号に従って測定される |
| 引当金・偶発負債 | IAS第37号等に従って見直す |
| リース負債 | IFRS第16号に従って測定される |
| 契約資産・契約負債 | IFRS第15号等に従って測定される |
処分グループの売却予定価額だけを眺めていても、会計処理は完結しません。まず個別基準による測定を済ませ、そのうえで処分グループ全体としてIFRS第5号の測定を適用する。この二段構えの構造を意識しておくことが大切です。
処分グループの評価減の配分は、IAS第36号の考え方と同じではない
処分グループで評価減が生じた場合、IFRS第5号は、処分グループに認識した減損損失やその後の利得を、IFRS第5号の測定要求の範囲内にある非流動資産の帳簿価額に配分するとしています。その配分の順序については、IAS第36号の配分順序を参照します。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
この点で、通常のIAS第36号のCGU減損と、IFRS第5号の処分グループの評価減は、よく似ています。ただし、完全に同じというわけではありません。IFRICのアジェンダ決定では、IFRS第5号に基づく処分グループの減損損失を、IFRS第5号の測定要求の範囲内にある非流動資産へ配分する場合、IAS第36号第105項の「個別資産を、公正価値から処分コストを控除した金額・使用価値・ゼロのうち最も高い金額を下回って減額しない」という制限は適用されない、と整理されています。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
処分グループの評価減では、まずのれんを減額し、その後にIFRS第5号の測定対象となる非流動資産へ配分していく。これが実務での基本的な考え方です。
この論点は、監査でも深掘りされやすい領域です。特に、処分グループに金融資産、棚卸資産、繰延税金資産、引当金などが混在している場合、どの資産に評価減を配分するかを誤ると、資産クラス別残高、税効果、OCI、セグメント情報にまで、連鎖的な不整合が生じてしまいます。
売却計画が変更された場合は、売却目的保有から外すだけでは終わらない
売却目的保有に分類したあとに、買手候補との交渉が不調に終わる、規制承認が得られない、事業方針が変わる、あるいは売却ではなく所有者への分配へと切り替える。こうした事態は、実務では珍しくありません。
IFRS第5号では、売却目的保有の要件を満たさなくなった場合、その資産または処分グループは売却目的保有としての分類を終了します。その際には、売却目的保有に分類されなかったと仮定した場合の減価償却・償却・再評価を反映した帳簿価額と、売却しないと決めた時点の回収可能価額のいずれか低い金額で測定します。必要な調整は、原則として、要件を満たさなくなった期間の継続事業の純損益に含めます。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
ここで見落としてはならないのは、分類を停止する際に「売却目的保有から通常の固定資産へ戻す」という表示の付け替えだけで済ませないことです。分類期間中に止めていた減価償却・償却を、仮に継続していたとしたらどうなっていたか。その帳簿価額を計算し、回収可能価額と比較したうえで、必要な調整を行います。
さらに、処分グループまたは非流動資産が、子会社、共同支配事業、共同支配企業、関連会社、あるいは共同支配企業・関連会社への持分の一部であった場合には、売却目的保有または所有者分配目的保有として分類されていた期間について、財務諸表を修正する必要があります。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
そのため、売却計画が変更されたときには、次の項目をまとめて見直します。
- 売却目的保有の分類終了日
- 通常のIFRS測定へ戻した場合の帳簿価額
- 減価償却・償却のキャッチアップ
- IAS第36号に基づく回収可能価額
- 表示科目
- 比較情報への影響
- 非継続事業表示の取扱い
- 取締役会資料・監査説明資料の更新
- 開示上、計画変更の事実と影響を説明する必要性
非継続事業は、単なる売却予定資産とは違う
売却目的保有と非継続事業は、重なる部分こそありますが、同じものではありません。
IFRS第5号における企業の構成単位とは、営業上および財務報告上、企業の残りの部分から明確に区別できる営業活動およびキャッシュ・フローを含むものをいいます。そして非継続事業とは、処分済み、または売却目的保有に分類された企業の構成単位のうち、独立した主要な事業分野または営業地域を表すもの、独立した主要な事業分野または営業地域を処分する単一の計画の一部であるもの、あるいは転売のみを目的として取得した子会社をいいます。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
したがって、両者の関係は次のように整理できます。
| 状況 | 売却目的保有 | 非継続事業 |
|---|---|---|
| 工場建物を売却する | 該当し得る | 通常は該当しない |
| 遊休土地を売却する | 該当し得る | 通常は該当しない |
| 小規模子会社を売却する | 該当し得る | 主要な事業分野・地域でなければ通常は該当しない |
| 主要セグメントを売却する | 該当し得る | 該当し得る |
| 海外地域事業を一括売却する | 該当し得る | 該当し得る |
| 転売目的で取得した子会社 | 該当し得る | 該当し得る |
| 廃棄予定の事業を閉鎖する | 売却目的保有ではない場合あり | 要件を満たせば使用停止時点で非継続事業となり得る |
実務では、「子会社売却=非継続事業」と短絡しないことが何より重要です。子会社の売却であっても、それがグループにとって独立した主要な事業分野または営業地域を表していなければ、非継続事業には該当しない可能性があります。
逆に、単一の法人格をなさない事業部門であっても、営業上・財務報告上明確に区別でき、主要な事業分野または営業地域に該当するのであれば、非継続事業となり得ます。実務でも、処分予定の構成単位が資金生成単位あるいは資金生成単位グループとして識別できるか、また独立した主要な事業分野または営業地域を表すかを、案件ごとに個別に評価していく必要があります。
非継続事業は、損益を継続事業から切り離して表示する
IFRS第5号は、非継続事業について、包括利益計算書に単一の金額を表示または開示することを求めています。その単一の金額には、非継続事業の税引後損益と、非継続事業を構成する資産または処分グループの売却コスト控除後の公正価値への測定、あるいは処分に伴う税引後の利得・損失が含まれます。あわせて、その単一金額の内訳として、収益、費用、税引前損益、関連する法人所得税費用、測定・処分に係る利得・損失、そして関連する法人所得税費用を、表示または注記します。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
この表示が意味するのは、利用者が「継続して残る事業の収益力」と「処分される事業の影響」を、分けて理解できるようにすることです。つまり非継続事業の表示は、単なる表示科目の付け替えではなく、企業の将来収益力の見方そのものに直接かかわってきます。
実務では、次のような論点が浮かび上がります。
| 論点 | 実務上の注意 |
|---|---|
| 本社費配賦 | 非継続事業にどこまで配賦するか |
| 内部取引 | 継続事業と非継続事業間の取引をどう消去・説明するか |
| 税効果 | 非継続事業に関連する税金費用をどう算定するか |
| 減損損失 | 非継続事業に含めるか、継続事業に残すか |
| 処分損益 | 測定時点・処分時点・税効果をどう区分するか |
| EPS | 非継続事業に係る1株当たり利益を表示するか |
| セグメント | 報告セグメント情報との整合性をどう取るか |
| 予算・管理資料 | 内部管理上の撤退事業損益とIFRS表示をどうつなぐか |
非継続事業の表示は、継続事業の業績をよく見せるための裁量的な再分類ではありません。企業の構成単位がIFRS第5号の定義を満たすか、処分または売却目的保有に分類されたか、主要な事業分野または営業地域に該当するか。これらを、あくまで事実に基づいて判断していきます。
非継続事業の比較情報は組み替える。しかし財政状態計算書の売却目的保有区分は組み替えない
ここは、実務でもとりわけ誤りやすいところです。
IFRS第5号は、非継続事業に係る表示・開示について、表示される過年度を再表示し、最新の表示期間の末日までに非継続となったすべての事業に対応させることを求めています。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
その一方で、財政状態計算書における売却目的保有資産または処分グループの区分表示については、過去期間の金額を、最新期間の分類に合わせて組み替えることはしません。IFRS第5号は、財政状態計算書の過年度表示額について、最新期間の売却目的保有分類を反映する再分類・再表示を行わないとしています。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
この違いは、次のように整理できます。
| 財務諸表 | 売却目的保有・非継続事業に係る比較情報 |
|---|---|
| 財政状態計算書 | 過年度を売却目的保有へ組み替えない |
| 包括利益計算書 | 非継続事業について比較期間を再表示する |
| キャッシュ・フロー情報 | 非継続事業の営業・投資・財務活動別キャッシュ・フローを表示または注記する |
| 注記 | 当期の分類・売却の事実、状況、金額、セグメント等を説明する |
実務でも、売却目的保有に分類された資産について、財政状態計算書上の区分表示は遡及適用されず、比較財政状態計算書を修正再表示することはありません。その一方で、非継続事業の包括利益計算書上の表示では、比較期間を組み替えます。この非対称性を押さえておくことが肝心です。
この違いを理解しないまま作業を進めると、開示ドラフトでBSの比較情報とPLの比較情報を同じルールで処理してしまい、レビューの段階で大きな修正が必要になってしまいます。
継続事業に残る売却損益と、非継続事業の売却損益を混同しない
売却目的保有に分類された非流動資産または処分グループが、非継続事業の定義を満たさない場合、その再測定損益は継続事業の純損益に含めます。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
たとえば、遊休土地の売却、単独工場の売却、小規模子会社の売却、特定資産の入替え。これらは売却目的保有に該当する可能性があっても、非継続事業には該当しない場合があります。そのときは、関連する評価減、売却益、売却損は、継続事業の純損益に含めることになります。
ここで大切なのは、経営者が「撤退案件」と呼んでいるものと、IFRS上の「非継続事業」は、必ずしも一致しないということです。経営上は撤退案件であっても、IFRS第5号の定義を満たさなければ、非継続事業としては表示しません。
継続事業と非継続事業の内部取引は、IFRS第10号の連結消去を上書きしない
非継続事業の表示で実務上むずかしいのが、継続事業と非継続事業のあいだに重要な内部取引が残る場合です。たとえば、売却予定の子会社がグループ内の製造機能を担っていて、売却後も継続事業へ製品を供給し続ける、といったケース。過去の内部売上・内部仕入をどう表示するかが問題になります。
IFRICのアジェンダ決定では、IFRS第5号も、IAS第1号も、現在のIFRS第18号も、IFRS第10号の連結消去要求を上書きするものではない、と整理されています。IFRS第10号はグループ内取引に係る収益・費用等の消去を求めており、内部取引を消去しない表示は、IFRS第10号と整合しません。ただし、利用者が非継続事業の財務影響を評価できるよう、事実と状況に応じて追加の開示が必要になる場合があります。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
したがって連結財務諸表では、まず連結会社間の取引を消去します。そのうえで、売却後も継続する取引、移行サービス契約、供給契約、ライセンス契約、賃貸借、保証、債務引受などが、継続事業の将来損益にどう影響するかを、必要に応じて説明していきます。
財政状態計算書では、資産と負債を別々に区分表示し、相殺しない
IFRS第5号は、売却目的保有に分類された非流動資産、および売却目的保有に分類された処分グループの資産を、他の資産と区分して財政状態計算書に表示することを求めています。売却目的保有に分類された処分グループの負債も、他の負債と区分して表示します。そして、これらの資産と負債を相殺し、単一の金額として表示することは認められません。さらに、主要な資産・負債の種類は、財政状態計算書または注記で表示・開示します。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
実務上の表示イメージは、次のとおりです。
| 表示区分 | 表示上の考え方 |
|---|---|
| 売却目的保有に分類された非流動資産 | 他の資産と区分して表示 |
| 売却目的保有に分類された処分グループの資産 | 他の資産と区分して表示 |
| 売却目的保有に分類された処分グループの負債 | 他の負債と区分して表示 |
| 関連するOCI累計額 | 関連する累計損益を区分表示 |
| 資産・負債の主要種類 | 財政状態計算書または注記で開示 |
| 比較財政状態計算書 | 過年度を売却目的保有へ組み替えない |
IFRS第18号の適用後は、財政状態計算書に表示すべき項目として、IFRS第5号に従って売却目的保有に分類された資産および処分グループに含まれる資産の合計、ならびに売却目的保有に分類された処分グループに含まれる負債が、明示されています。
出典:IFRS Foundation|IFRS 18 Presentation and Disclosure in Financial Statements
なお、IFRS第18号は2027年1月1日以後に開始する事業年度から適用され、早期適用も認められています。IFRS第18号はIAS第1号を置き換えるため、売却目的保有・非継続事業の表示に関する周辺の参照についても、適用時期に応じて確認しておく必要があります。
出典:IFRS Foundation|IFRS 18 Presentation and Disclosure in Financial Statements
OCIを忘れると、売却目的保有の表示は不完全なままになる
売却目的保有に分類された非流動資産または処分グループに関連して、その他の包括利益に認識され、資本に累積している金額がある場合、IFRS第5号はその累計額を区分表示することを求めています。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
その代表例が、在外営業活動体を含む処分グループです。この場合、為替換算差額の累計額がOCIに存在していることがあります。売却目的保有に分類した時点で、直ちに純損益へ組み替えるわけではありませんが、その処分グループに関連するOCI累計額を表示上どう見せるかを、あらかじめ検討しておく必要があります。
そして、売却が実際に完了した時点では、IAS第21号に基づく在外営業活動体の処分に伴う為替換算差額の組替調整など、別の基準との接続が問題になります。売却目的保有への分類、OCI累計額の表示、処分時のリサイクリング。これらを別々に処理すると不整合が生じやすいため、処分グループを一つの単位として整理していくことが大切です。
注記では、売却対象・売却に至る事実・方法・時期・損益・セグメントを説明する
IFRS第5号は、非流動資産または処分グループが売却目的保有に分類された期間、または売却された期間において、その資産または処分グループの説明、売却または予想される処分に至った事実・状況、予想される処分方法と時期、認識した利得または損失とその表示科目、そして該当する場合には報告セグメントを、注記することを求めています。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
ここで求められているのは、単なる定型文ではありません。
たとえば、次のような注記は、どうしても情報価値が乏しくなりがちです。
「当社は、事業ポートフォリオの見直しにより、A事業を売却目的保有に分類しました」
これだけでは、財務諸表の利用者は、どの資産・負債が売却されるのか、売却の確度はどの程度なのか、いつ売却されるのか、どのセグメントに属するのか、損益にどう影響するのかを、判断できません。
より実務的には、次のような観点を整理していきます。
| 注記項目 | 記載に必要な実務情報 |
|---|---|
| 売却対象の説明 | 対象事業、対象子会社、対象資産、処分グループの範囲 |
| 売却に至る事実・状況 | 事業ポートフォリオ見直し、撤退方針、M&A戦略、規制対応 |
| 処分方法 | 株式譲渡、事業譲渡、資産譲渡、IPO、所有者分配 |
| 処分時期 | クロージング予定、承認プロセス、1年以内完了見込み |
| 測定損益 | 評価減、戻入れ、売却損益、処分コスト |
| 表示科目 | 継続事業か非継続事業か、包括利益計算書の表示科目 |
| セグメント | IFRS第8号上の報告セグメントとの関係 |
| OCI | 為替換算差額、再評価剰余金、FVOCI等との関係 |
| 重要な不確実性 | 規制承認、価格調整、補償、クロージング条件 |
IFRS第5号は、売却目的保有・非継続事業に固有の開示を定めています。ただし、他のIFRSが特定の開示を求める場合や、処分グループ内の資産・負債の測定に関する開示が必要な場合には、他の基準の開示もあわせて検討します。また、IFRS第18号やIAS第8号の開示要求を満たすために、追加の開示が必要になることもあります。
出典:IFRS Foundation|IFRS 5 Non-current Assets Held for Sale and Discontinued Operations
売却目的保有・非継続事業の判断プロセス
実務では、次の順序で検討していくと、論点の抜け漏れを防ぎやすくなります。
1. 経営判断の内容を、会計上の処分単位に翻訳する
まず、「何を売るのか」をはっきりさせます。資産単体なのか、事業なのか、子会社なのか、複数の子会社を含むグループなのか、持分法投資なのか、権利義務を含む処分グループなのか。ここを丁寧に整理します。
経営会議の資料には「A事業撤退」と書かれていても、会計上は、A事業に関する棚卸資産、固定資産、使用権資産、無形資産、のれん、従業員給付債務、引当金、リース負債、契約資産・契約負債、税金資産・負債を、どこまで含めるのかを明確にしていく必要があります。
2. 売却目的保有の要件を、期末時点で確認する
売却計画の承認、売却可能な状態、買手の探索、合理的な価格、1年以内の完了見込み、計画変更の可能性を確認します。期末後の進展は重要な証拠になり得ますが、期末時点で要件を満たしていなければ、期末の財務諸表で売却目的保有に分類することはしません。
3. 分類直前に、IAS第36号などの測定を行う
売却計画は、IAS第36号上の減損兆候になり得ます。分類の直前に、対象資産または処分グループ内の資産・負債を各IFRSに従って測定し、必要な減損・評価減・引当金の見直しを反映します。
4. IFRS第5号に基づき、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値を比較する
処分グループの場合は、売却対象全体の公正価値と売却コストを見積ります。売却コストには、売却に直接起因する増分コストを含めますが、金融費用や法人所得税費用とは区別します。
5. 減価償却の停止・後続測定・処分損益を管理する
分類後は、対象非流動資産の減価償却・償却を停止します。一方で、負債に係る利息などは引き続き認識します。売却完了までに公正価値や売却コストが変動した場合には、後続測定を行います。
6. 非継続事業に該当するかを、別途判定する
売却目的保有に分類されたからといって、非継続事業に該当するとは限りません。企業の構成単位であるか、主要な事業分野または営業地域であるか、単一の処分計画の一部か、転売目的で取得した子会社か。これらを一つずつ検討します。
7. 表示・開示・比較情報を整合させる
財政状態計算書、包括利益計算書、キャッシュ・フロー計算書、セグメント情報、税効果、OCI、注記を整合させます。特に、BSの比較情報とPLの比較情報とで取扱いが異なる点を、取り違えないようにします。
実務で起こりやすい誤り
売却の意思決定だけで、売却目的保有に分類してしまう
売却の意思決定はもちろん重要ですが、それだけでは足りません。直ちに売却可能であること、売却可能性が非常に高いこと、1年以内の完了見込み、そして積極的な売却活動が求められます。
期末後の取締役会承認を、期末時点の分類根拠にしてしまう
期末を過ぎてから要件を満たした場合、期末の財務諸表で売却目的保有に分類することはしません。必要に応じて、後発事象としての注記を検討します。
廃棄予定の資産を、売却目的保有に分類してしまう
廃棄・閉鎖・使用停止は、売却目的保有とは異なるものです。売却取引によって帳簿価額が主として回収される状態かどうかを、あらためて確認します。
処分グループ内の金融資産や繰延税金資産を、IFRS第5号で一括測定してしまう
IFRS第5号の測定要求の範囲外となる資産・負債は、各IFRSに従って測定したうえで、処分グループ全体の測定へと進みます。
売却目的保有への分類後も、減価償却を続けてしまう
売却目的保有に分類された非流動資産は、減価償却または償却を停止します。ただし、処分グループの負債に係る利息などは、引き続き認識されます。
子会社の売却を、すべて非継続事業として表示してしまう
非継続事業は、主要な事業分野または営業地域などに該当する企業の構成単位であることが必要です。小規模な子会社の売却は、売却目的保有に該当しても、非継続事業には該当しない場合があります。
財政状態計算書の比較情報を、売却目的保有へ組み替えてしまう
財政状態計算書上の売却目的保有区分は、過年度の比較数値を組み替えません。一方で、非継続事業の損益表示については、比較期間を再表示します。
OCI累計額を失念する
在外営業活動体、FVOCI資産、再評価モデル資産などが処分グループに含まれる場合には、OCI累計額の表示と、処分時の組替を確認しておく必要があります。
売却計画の変更時に、停止していた減価償却を考慮しない
売却目的保有から外れる場合には、売却目的保有に分類されていなかったと仮定した場合の減価償却・償却などを反映した帳簿価額を、計算し直す必要があります。
監査対応で準備しておくべき資料
売却目的保有・非継続事業は、経営判断と会計表示が直接つながる領域です。それだけに、監査においても説明資料の完成度が大きくものを言います。少なくとも、次の資料は整理しておきたいところです。
| 資料 | 含める内容 |
|---|---|
| 論点整理メモ | 売却対象、会計論点、結論、根拠基準、未解決事項 |
| 売却計画資料 | 取締役会承認、売却理由、対象範囲、売却スケジュール |
| 買手探索資料 | FA契約、ティーザー、入札手続、候補先リスト |
| 評価資料 | 公正価値、売却コスト、入札価格、評価書 |
| 処分グループ一覧 | 資産・負債の構成、各IFRS測定、OCI、税効果 |
| IAS第36号検討資料 | 分類直前の減損兆候、回収可能価額、評価減 |
| 売却目的保有判定表 | IFRS第5号7項・8項の要件別チェック |
| 非継続事業判定表 | 構成単位、主要事業分野・営業地域、単一計画 |
| 表示・開示ドラフト | BS、PL、CF、注記、セグメント、比較情報 |
| 後発事象検討 | 期末後承認、契約締結、クロージング、条件変更 |
| 連結消去整理 | 継続事業と非継続事業間の内部取引、売却後取引 |
| 税務・法務資料 | 株式譲渡契約、税効果、補償条項、規制承認 |
会計上の見積りは、経営者の将来予測と仮定に基づくものですから、監査でも重要な論点になりやすい領域です。特に固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性のように、当期末の状況から将来を見積もる項目では、見積りの不確実性と経営者バイアスへの対応が問われます。
売却目的保有・非継続事業の表示判断も、売却可能性、売却価格、処分時期、承認可能性、将来の継続取引、税効果など、見積りと判断が幾重にも積み重なる領域です。結論だけでなく、そこに至る判断の過程を、監査人・経営管理部門・投資家説明資料のいずれにも耐えられる形で残しておくこと。これが実務では欠かせません。
経営判断と財務報告の接続点としてのIFRS第5号
IFRS第5号は、単に売却予定の資産を別掲するための表示基準ではありません。事業ポートフォリオの見直し、撤退、売却、M&A、カーブアウト、資本政策といった経営の動きを、財務諸表の利用者が理解できる形へと変換していく基準です。
だからこそ、売却目的保有・非継続事業の検討では、会計処理だけを見ていては足りません。
- その売却は、経営戦略上どのような意味を持つのか
- 売却対象は、事業として独立しているのか
- 売却は、どの程度確実なのか
- 売却価格は、現在の公正価値と整合しているのか
- 売却後に継続事業へ残る取引・契約・リスクは何か
- 投資家は、継続事業の業績をどう理解すべきか
- 監査上、売却可能性と測定の根拠をどう説明するか
IFRSを「数字を作るための基準」としてだけ捉えると、売却目的保有・非継続事業は、表示科目の問題に見えてしまいます。しかし実務では、経営者の処分の意思決定を、財務諸表の利用者が将来の企業像を思い描けるような表示・開示へと変換していく、判断の領域なのです。
売却目的保有に分類するか、非継続事業として表示するか。その選択は、財務諸表の見え方を大きく変えます。だからこそ、早い段階で会計・税務・法務・M&A・経営管理・監査対応を横断し、論点を整理しておく必要があります。
売却目的保有・非継続事業の表示判断でお困りの方へ
事業売却、子会社売却、撤退、カーブアウト、M&A後の事業整理。こうした場面では、IFRS第5号の売却目的保有分類、処分グループの測定、減価償却の停止、非継続事業の表示、比較情報、OCI、税効果、監査対応が、同時に問題になります。
犬飼公認会計士・税理士事務所では、IFRSに基づく売却目的保有・非継続事業の表示判断について、売却計画、契約条件、取締役会資料、処分グループの範囲、測定、開示、監査対応メモまでを一体で整理する支援を行っています。売却・撤退の案件を決算にどう反映すべきか、監査人や経営陣にどう説明すべきかでお迷いの場合は、お問い合わせページからご相談ください。
重要事項の振り返り
| 論点 | 実務上の判断軸 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 売却目的保有の基本 | 帳簿価額が主として売却により回収されるか | 売却計画、対象資産一覧 |
| 直ちに売却可能 | 現在の状態で売却できるか | カーブアウト資料、契約条件、移転制約 |
| 売却可能性が非常に高い | 経営者の確約、買手探索、合理的価格、1年以内完了 | 取締役会資料、FA契約、売却スケジュール |
| 期末後に要件充足 | 期末時点では分類せず、必要に応じ注記 | 後発事象資料、承認日、契約締結日 |
| 廃棄予定資産 | 売却目的保有ではなく、継続使用・廃棄として検討 | 閉鎖計画、廃棄計画、減損資料 |
| 分類直前測定 | 各IFRSに従って資産・負債を先に測定 | 固定資産台帳、IAS第36号検討、税効果資料 |
| 売却目的保有後測定 | 帳簿価額と売却コスト控除後公正価値の低い金額 | 評価書、入札価格、売却コスト |
| 減価償却停止 | 対象非流動資産の償却を停止する | 固定資産台帳、償却計算表 |
| 負債費用 | 処分グループ負債の利息等は継続認識 | 借入契約、リース負債、引当金 |
| 処分グループ | 資産・負債をグループ単位で整理する | 処分グループ一覧、連結パッケージ |
| 測定対象外資産 | 金融資産・繰延税金等は各IFRSで測定 | IFRS第9号、IAS第12号、IAS第37号資料 |
| 計画変更 | 売却目的保有から外し、帳簿価額を再測定する | 売却中止資料、回収可能価額、減価償却再計算 |
| 非継続事業 | 主要事業分野・営業地域等に該当する構成単位か | セグメント資料、内部管理資料 |
| 損益表示 | 税引後損益と処分損益を単一金額で表示または開示 | PL組替表、税効果計算 |
| 比較情報 | PLは非継続事業を再表示、BSは売却目的保有へ組替えない | 比較情報整理表 |
| CF情報 | 非継続事業の営業・投資・財務CFを表示または注記 | キャッシュ・フロー組替表 |
| OCI | 関連するOCI累計額を区分表示する | 為替換算差額、FVOCI、再評価剰余金 |
| セグメント | 売却対象がどの報告セグメントに属するか | IFRS第8号資料、CODM資料 |
| 内部取引 | IFRS第10号の連結消去を維持し、必要に応じ追加開示 | 連結消去資料、TSA、供給契約 |
| 開示 | 売却対象、事実・状況、方法・時期、損益、セグメントを説明 | 注記ドラフト、監査説明メモ |